人間関係における「距離感」の定義と、その縮め方

progrhyme
·

Updates

(2024-03-14)この記事を元にブログを書きました。構成をやや変更しています。

 

(2024-03-10) 「物理的な距離」と「心理的な距離」についてはエントリを分けました。

人間関係における「距離感」って難しい

「ヤマアラシのジレンマ」

「ヤマアラシのジレンマ」という言葉をご存知だろうか?

アニメ『エヴァンゲリオン』に登場して有名になった言葉だ。私もあれで知った。なお、実はハリネズミだろ、などというツッコミにはここでは触れない。

 

「ヤマアラシのジレンマ」を簡単に説明する。

この言葉は、人間同士が互いに仲良くなろうと心理的に近づこうとしても、互いを見えない針で傷つけ合って、一定以上には近づけない。即ち、「近づきたいのに近づけない」という二律背反した心理状態を表す。

 

つまり、人間関係において適切な距離を保つことはそれだけ難しいということだ。

誰もが相手との距離感とのミスマッチを経験し、傷つきながら適正距離を学んでいく。

「ヤマアラシのジレンマ」が述べているのはそういうことだ。

「距離感」を定義したい

さて、上のような「距離感」は当然、現実の物理的な距離とは異なる。

が、話をわかりやすくするために、あえて現実の距離に当てはめて考えてみたいと思う。

私は最近、以下のように距離感を仮定して考えていることが多い:

  • 《無限遠》……赤の他人

  • 《1km圏外》……ほとんど他人

  • 《1km圏内》……知ってる人

  • 《100m以内》……かなり近しい人。構えずにストレスなく話せる

  • 《10m以内》……同居家族

だいたい、こんなところだ。

仮にでもこんな風に設定しておくと、この後の議論がやりやすいように思う。

「距離感」の非対称性

自分が相手に対して感じる「距離感」が、相手が自分に対して感じる「距離感」と一致するとは限らない。

これを「距離感の非対称性」と呼ぶことにした。

 

自分は距離《50m》の親しい友人と思っていたのに、相手からは《300m》ぐらいの数ある友人の1人と思われている、とかそういう話だ。

お互いの「距離感」をすり合わせることの大切さ

そんな悲しいすれ違いを生まないために、互いの距離感をすり合わせることは重要だ。

若い男性は、小悪魔系八方美人女子に安易に舞い上がらないように気をつけよう。

あなたがその女性に感じる距離より、おそらく彼女があなたに感じる距離は遠い。

 

「距離感」の食い違いに関して、私の実体験から例を挙げると、近しい人に下のような指摘を受けたことがある。

「あなたはいつも唐突すぎて、人をびっくりさせてしまう」

これも、「距離感」の不一致から来る現象だと、今なら理解できる。

 

それもそうだ。

今まで《無限遠の彼方》にいたと思っていた相手が急に《目の前》に現れたら、誰だってビビる。僕だってビビる。

その前に、いくつかのステップを踏むべきだったのだ。

相手との「距離」を縮めるには

私は人付き合いに関しては苦手意識が強いので、任意の人との「距離感」を縮められるような優れたメソッドは持っていない。

…が、これまで述べてきたことから、基本方針というか、最低ラインのようなことは導出できるかもしれない。

  • 相手との「距離感」を(慎重に)すり合わせる。独りよがりな判断をしないように注意する

  • 縮めたい距離と現在位置との差分を考慮し、適切なステップを設ける。時にはいきなり飛び込むことが許されることもあるかもしれないが、たぶん上級者向けだろう

こんなところだろうか。

@progrhyme
IT企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。趣味で小説を書きます。