2024年に買ってよかったものを振り返る

もてこ
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公開:2024/12/31

はじめに

本記事は、Blueskyで募集したお題について年末年始中に答えていく企画の第二弾『今年買って良かったもの』について書いた文章である。

第一弾はこちら→いろんな『元気』をくれる食べ物の話

買ってよかったものというより、「買わなければならなかったもの」と呼ぶ方がより適切ではある。わたしの居住地において車のない生活はまずありえない。1人1台車を持つ世界で生きている。しかし、車を買ってペーパードライバーを脱したことによって自分の力で行ける場所が増えたことは、単なる行動範囲の拡大だけでなく、わたしの精神的な自由度も向上させたように思う。「行こうと思えばどこにだって行けるはず」という気持ちが生まれたことは、今後わたしをどこかに連れていってくれる原動力になるはずだ。

愛車との1番の思い出は、朝6時に家を出て片道2時間かけて映画を見に行ったことだ(最寄りの映画館に行こうとすると結構な遠出になるのは田舎あるあるだと思っている)。大好きなアニメシリーズの数年ぶりの新作映画が夏に公開となり、絶対に複数回見ようと心に決めていた。が、最寄りの映画館での初週のスケジュールは朝8時台と夜7時台の2回。メジャーな作品ではないことは知っていたが、初週くらいは数時間おきに上映してくれると考え、1日のうちに何度か見ようと計画していた。それなのに蓋を開けてみたら10時間以上の間を空けて1日に2回しか上映しないという、遠方オタクがっかりのスケジュールで非常に落ち込んだ。どうしたものかと頭を悩ませたが、子どもがいて頻繁に映画館に通うことはできない環境もあり、結局朝6時出発夜10時半帰宅という荒技で同じ日に映画を2回見ることに決めた(一人とか夫婦だけとかで暮らしていたら毎週末通っていたと思う)。

当時はペーパードライバーを卒業して1ヶ月くらいだったので、道中、特に走ったことのない夜道の運転には相当びくびくしたが、生きて帰って来れて本当によかった。夏だったので、帰りに遠くの打ち上げ花火が見えたのは夏のドライブならではの風情を感じた。

フィットボクシング2

9月から始めて、細々と続けている。12月にフィットボクシング3が発売したが、2でもやりたいことはできているので当分はこのままでいいだろうと考えている。

最初の頃は習慣づけのために「なるべく毎日やる」を目標にしていたけど、今は疲れたら何よりも睡眠を優先することにしているので、一時期よりは頻度は減ってしまった。それでも運動習慣ゼロよりはマシだと思うし、ボクシングの動作は気分もちょっとすっきりするのでこれからもマイペースに続けたい。ちなみにダイエット効果があるかどうかはわからないが、体重が増えにくくなったような気がしなくもない。

かわいいものたち

子どもが生まれてから、なんとなく「実用性のないもの」から離れぎみであった。元々何かにハマると関連グッズを集めて部屋に飾るタイプだったが、子どもに倒されたり壊されたりするのが嫌で自然と買わなくなり、元々あったものもしまい込んでいた。子どもの分別がなんとなくつくようになったこともあり、「かわいい〜!」と思ったものを勢いで買うことが増え、飾れそうなものは部屋に飾るようになった。

元々ペコちゃんが好きなのだが、グッズ展開がガンガンある感じではないので、見かけて気に入ったら即買うようにしている。不二家にもひっそり売っていたりするので油断できない。

SWIMMERが昔から好きで、ブランドが一度なくなった時は「思い出のSWIMMERが……」と嘆いた。ブランドが復活して最近は100円ショップでもグッズ展開してくれるのでもりもり買ってしまった。ここには映っていないが、最近はファミマで限定発売されたエコバッグを買ったので買い物をするたびに気分がちょっと上がる。

仮面ライダーシリーズがなんとなく好きで、現在放送中の仮面ライダーガヴは子どもと一緒に毎週真剣に見ている。「なんとなく」好きなレベルなので、最後まで見たことがあるのはクウガ、電王、ダブル、オーズの4作品だけ。オーズは今年完走したけどストーリーがよかった。電王のモモタロスがキャラクターとしてはいちばん好き。

紙の本

一時期海外で生活していたこともあり、本はなるべく電子書籍で買うようにしていた。だが長時間読むと目が疲れてしまうのが気になってきたこと、電子化されていない読みたい本があったこと、子どもの分別がついてきて本をめちゃくちゃにしなくなったことなど、いろいろな理由が重なりマンガ以外は次第に紙の本を買うようになった。

こうして書くと買い始めた理由としては消極的なものが多いが、紙の本はいいな、と改めて思っている。まず本屋で選ぶ時間がいい。今年引っ越しをしてから子どもを常にワンオペで面倒見なければならない環境ではなくなり、リアル書店にひとりで行ける機会が増えた。時間を気にせず本屋をうろうろできる時間は至高だ。まず自分が欲しい本を探し、その本の周辺を眺めて気になるタイトルを見つけたり、名前に見覚えはあるけど詳しくは知らない作家の本を手に取ったり、というのを繰り返しているうちに時間があっという間に過ぎていく。本屋は思考のゆるやかな連鎖を刺激される場所だと思う。幸いにも近所にほどよい規模感の本屋があり、定期的に行きたくなる独立系書店も見つけた。本屋に通う環境としては申し分なく、インターネットで紙のを買うことはほとんどなくなった。

昔は値段を重視して文庫本を多く買っていたが、最近は本のデザインや紙質など本の内容以外にも関心が向くようになった。読みたい本の文庫化を待つ時間も惜しく感じるし、そもそも読みたい本が文庫化されるかもわからないし、文庫化されるためには単行本が売れなければならないと昔どこかで聞いたこともある(曖昧な知識なので正確なところはわかっていない)。このような理由から最近は値段はあまり気にせず、読みたい本があったらとりあえずその場で買うようにしている。前述したようにリアル書店で本を買うようになったので、「これを逃したら次いつ来るかわからないし」という気持ちもある。おかげで常に積読が4、5冊あるが、ちょっとした気分の違いでも手に取りたい本は変わってくるので、ジャンルの幅を持たせて数冊くらい積んでおくのがむしろちょうどいいのではとすら思っている。

今年買って読了した紙の本。いい本にたくさん出会えたなあと思う。個人で製作したリトルプレスにも興味を持つようになったので、文学フリマにもいつか行ってみたい。

プラレール博とトミカ博のチケット

子どもがプラレールとトミカが好きで、今年初めてプラレール博とトミカ博に一緒に行った。特にプラレール博は展示のスケールが壮大で(プラレールとトミカのそもそものスケール感の違いから展示の規模感にも差が出ざるを得ないのかな?と思っているがどうなんだろう)子どももテンションが上がっており、連れて行けてよかった。子どもの記憶に残る残らないによらず、子どもの興味関心の一助となるような経験にお金を使うことは惜しみたくない。そして自分もそれを楽しめたらもっといいと思う。

Colombiaの冬靴

雪がどっさり降る土地に住むようになり、冬用の靴をどうするか悩んでいたところでこの存在を知った。アウトドアブランドだからそりゃあしっかりした冬靴はあるよね、と納得。元々Colombiaの防水スニーカーを愛用していてその機能性に大変満足していたので、ブランドに対する信用度も高かった。同じ機能でスニーカーっぽい形のものもあったけど、くるぶしが隠れるくらいの方が雪を防げそうじゃない?と考えてこれにした。ユニセックスなのもあってか、ちょっとゴツくて強そうな感じがあって気に入っている。あと内側の素材が金色でキラキラしているのも強そうでいい。靴に対して感想が「強そう」ばかりなのは果たしていいのだろうか。もちろん機能面も問題なし。靴ひもを結ばなくていいのも便利。

おわりに

ファッションとかメイクとか生活雑貨とか、そういうものがほぼ入ってこないという、よく見る買ってよかった記事とはどこか一線を画すような内容となった。なんかこう、もっとおしゃれなものとか便利なものとか紹介したいのに、そういうものに対する興味関心の薄さが浮き彫りに。お題を下さった方、こんな感じでも大丈夫でしょうか……?

あと買ってよかったものについて考えると、買わなくてもよかったものも同時に浮かんできて、こうやって買い物の成功と失敗を当たり前のように繰り返しながら生活しているのだなあとしみじみ感じた。無駄な買い物はしたくないけど、どうしたって振り返ると無駄な買い物は発生するんだよなあとどこか悟ったような気持ちになる。これからもほどほどのチャレンジ精神を忘れず、気になったものは買える範囲で買っていきたいと思う。