報告するということ

川手 遼一
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公開:2023/12/5

佐藤さんの話をしたい。

こちらの記事にも少し登場するが、当時インターンとしてキーワードマーケティング研究所(現職、のちにキーワードマーケティングに社名変更)に営業補助として出入りしはじめた自分の面倒を見てくださった方に、佐藤さんという方がいる。

振り返ってみると、佐藤さんと一緒に働いた期間は半年にも満たない。

ただ佐藤さんは自分に「社会人とはなんたるか」を最初に教えてくださった人物であり、こちらの記事で書いたエピソード通り、佐藤さんがいなければ自分は現職につけていないため、そういった意味ではもはや「佐藤さんは自分の人生におけるキーパーソンの1人」と言っても決して過言ではない。

また佐藤さんは、今振り返ってみればわかることだが卓越したマネジメント能力を有しており、大手代理店から当時従業員が10名前後しか在籍していなかった弊社に転職してきて営業組織の立ち上げを行い、自分のようなインターン生や業界未経験者のみで構成されていた当時の営業チームのメンバーにちょっとした声をかけてポテンシャルや、やる気を引き出したり、丁寧に接することで団結と成長を促したりするシーンを、自分は半年間で何度も目の当たりにした。


まだインターン生だった頃、朝ミーティングにて「なんでも佐藤さんに質問できる」というコーナーがあり、そこで佐藤さんに「情報収集する際に参考にしているサイトがあれば教えて欲しい」と質問をしたことがある。

佐藤さんからいくつかメディアを列挙してもらい、「特にこのメディアはよく見ている」と教えられたメディアの1つが MarkeZine だった。

MarkeZine(マーケジン) https://markezine.jp/

その際に佐藤さんから「MarkeZineはこの業界にいるならいつか出ることになるかもしれないから、チェックしておいた方がいいよ!」と冗談混じりに言われたことを今でも覚えている。


話は変わるが、佐藤さんから教えてもらったイロハの1つに「何か良いことがあったら、必ず(どんな形でもいいので)お世話になった人に連絡は取った方がいい」というものがある。

佐藤さん曰く、例えば結婚したり、大きな仕事を成し遂げたりしたら LINE でもメールでも良いので、とにかく「○○することができました」と伝えるべきだというものだった。

実に10年ぶりに、佐藤さんに連絡を取ってみることにした。


佐藤さんの個人 LINE は、10年前のものと同じものだった。

MarkeZineに自分が携わったプロジェクトの記事が掲載されたことを伝える連絡を入れたところ、「出世したねー(笑)」とすぐに返信があった。

「自分が少しでも関わった人が活躍していることを知れることは、純粋にとても嬉しいです」

10年ぶりに褒められたことがとても嬉しかった。


「何か良いことがあったら、必ず(どんな形でもいいので)お世話になった人に連絡は取った方がいいという旨を教えてもらったことを思い出して連絡しました」と素直に伝えたところ「俺いいこというじゃん!」「でもそれを10年たっても覚えていて、実践できている川手くんも素敵だね」という返信がすぐにあり、佐藤さんの卓越したマネジメント能力は今もなお健在であることをしみじみと感じた。

また明日から、少しだけいつも以上に頑張れるようになった気がした。