仮説理論②「生活の運営」

ryosukediary
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前回の内容で、より良いパートナーシップを育むための仮説理論の全体像を示しました。この理論は4つの分類からなるため、それぞれの要素について、できる限り言葉にしていきます。

今回は、日常×短期に分類される左下の「生活の運営」についてです。

生活の運営

  • 軸:日常×短期

  • 目的:日々を心地よく過ごす

  • 例:家事や育児の協力

概要

日々の生活の協力して運営していくことは、共同生活する関係である以上、切り離すことのできない要素です。生活とは、家事や育児などの具体的なタスクを遂行していくことでもあり、抽象的に言えば2人にとって心地よいリズムで過ごすことでもあります。お互いにとって満足度の高い生活を実現していくことは、どのカップル・夫婦にとっても欠かせないものです。

この要素がもたらす効果

生活をするということは、生きる活動をするということ。生物として基本的な営みです。良い生活の運営が実現することは、言い換えれば2人にとって心地よい生活が長期的に継続可能であることは、身体的・精神的に健康な状態を維持することに寄与します。マズローの五段階欲求モデルでいうと一段階目の生理的欲求と結びつく部分とも言えるでしょう。生活が安定することで、基本的欲求は満たされ、高次欲求に取りんでいくための基盤となります。

具体的実践

ここでは「男が仕事、女は家事」というアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を超えて、共同生活をする1人の人間として協力していくことを前提の価値観として掘り下げていきます。

まず、感覚的にもわかっていることだと思いますが、現在の日本では、男性より女性の方が家事時間が圧倒的に多く、国際的にみても日本人男性は極端に家事をしていません。現在の日本は、夫婦がいる世帯の7割が共働きをしている時代です。自分への戒めでもありますが、「家事なんか手伝うよ」という言葉は"家事は女のやること"というバイアスを含んだ発言です。まずは、男性が共同生活する1人の人間として当たり前にもっと家事をすることで、生活運営のハードルが下がることは明らかです。

その上で、実践のポイントは平等ではなく、納得感だと考えています。もちろん、平等にすることが2人の納得なのであればそれも良いでしょう。生活には金銭的な面や仕事、体調、性格などいろいろな要素が絡み合っています。家事の分担が100-0でも70-30でも、むしろ決めずに気づいた人がやるという形でも、2人にとって納得する形なのであれば問題ないでしょうし、そのような実例はたくさんあります。家事の分担スタイルは様々ですし、日々の感謝といったソフトの面で納得感を支えていくといったことも可能です。まずは2人にとっての納得感のある運営方法はどのようなものなのか?ぜひ話し合ってみてください。

また生活の運営は半永久的に続く日常的なことであるため、柔軟に変化を許容する体制でいることも大事なポイントです。変化の起点は様々です。長い生活の中で、仕事が忙しい時期もあれば、病気になることもあるし、年齢を重ねることで身体に変化が起こることもあります。一度は2人で納得感を持てたことでも、時の流れとともに窮屈になってしまうことも当たり前にあります。一時的にスタイルを変化させてみる、日常的なスタイルの見直しをするなど、2人なりの答えを見つけていってください。

ここまで家事を例にしていますが、家事だけに限った話ではありません。育児はもちろん、デートの頻度や内容、性生活、生活習慣など、日々の営みの全てに言えることです。2人の生活に違和感やモヤモヤを抱えている場合は、「どのようにすれば納得感があるか?」という視点で捉え直すことは、解決のヒントとなることでしょう。

ハードル

生活の運営は日常×短期にマッピングされています。家事や子育てというのは、どんな状況でも日々取り組むことが要請されるものです。うまく協力していても、無自覚的にどちらかの負担が大きくなってしまうこともありますし、協力関係が崩れてしまった時、おそらくそのどちらかが自己犠牲的に負担せざるを得ない点が、注意すべき点です。なし崩し的に負担が偏ることは最悪です。定期的に2人の分担を見直し、納得のいく協力体制を維持していきましょう。

サポート

この要素は具体的なアクションとセットで考えやすい領域です。そのため、ペインとなる課題がわかりやすく、サポートも豊富です。

例えば家事に関して。納得感の形成が重要としましたが、そもそもの家事タスク絶対量が少ない方が生活運営が楽です。ロボット掃除機やドラム式洗濯機などの家電を使うこと、スポットで家政婦を雇うことなども選択肢としてあります。2人の共同生活は必ずしも2人で実行する必要はありません。時には機械の力や人の手を借りながら、日々を過ごすことも一考の余地があるでしょう。

@ryosukediary
日々過ごす中で思うことを超個人的な目線で書き留めた言葉たち。