AIとともにタロット学習

ryryo
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こんにちは。私です。

「めちゃんこタロット」を、とりあえずながらリリースしたのが2023年11月11日。あれから約半年が経ちました。この半年間、私は「めちゃんこタロット」の作りこみよりも、自身のタロット学習に力を注いでいたのでした。

なぜ学ぶか

私がサービスの作り込みをせず、タロットを学んでいたのは、(いま現在)AIにカードの情報を渡すだけでは、満足のいくリーディング結果が得られないと、自らめちゃんこタロットを利用し感じていたからです。

また、将来的にAIが進化したとしても、オリジナリティのあるリーディングを実現するには、自分で多くのリーディング結果の原稿を作成し、AIに学習させる必要があると考えています。

そのため、オンラインレッスンを受けたり、ゴールデンウィークにはタロットオンライン合宿にも参加するなど、この半年間はタロット学習に励んでいました。

学習の結果

学習の成果として、先生方から初心者なりに褒めていただけるレベルにはなってきました。即興でのリーディングはまだ難しいものの、時間をかければそれなりの文が書けるようになりました。

AIでの再現性を常に頭の片隅にあるのと、拙さが相まって、講評では教科書的とも言われがちですが。とはいえ、学習の初期段階では型にはまることも大切なので良きとしましょう。占い師になるわけじゃないし。

学習の影には常にAI

私のタロット学習の影には、いつもAIの存在があります。

これを聞くと、学生が課題に対してAIの出力結果をそのままコピペしているように聞こえるかもしれませんが、私なりの共存関係がそこにはあったのです。

サービスの作成過程こそが自身にとっての学習となり、それが世に還元されていくと最高🥰✌️ってメンタルでやっています。

世間というか界隈によっては、AI=ズルという認識が強く、事実そのように使うこともできてしまいますが、個人的には自己拡張としてAIを自身に溶け込ませていきたいのですよね。

この記事はその実験記録の一つとなります。

タロット占いをAIで支援するサイトを作るぞ!

1. あれ? タロットの解説テキストが、全カード分必要では?

まずは各タロットカードの解説文を作成するところから始めました。

「めちゃんこタロット」では、AIに投げるプロンプトにカードの解説文を含めています。

そんなことしないでも、AIに例えば「愚者」のカードなどの意味合いを聞けばある程度の回答は返ってきます。でも、聞くたびに大筋では合っていても、細かい部分が異なります。それでは解答の方向性が収束しなくなってしまいます。

また、「相談文章+引いたカードの情報」だけをプロンプトとすると、AIが相談内容の文脈だけに引っ張られすぎて、カードの文脈を無視した、ありきたりなアドバイスになりがちでした。

その辺りが今後解消されたとしても、自分だけのサービスの色を出すには、カードの解説テキストは自前で用意すべきだと判断。そこで、先人の知恵を借りつつ、自分なりにまとめ直した解説文を作成することにしました。

カードの意味合いを78枚分、自分なりにまとめ直すだけでも、多くのタロット学習者よりはすでにマジメかもしれません。

テキストはエクセルにまとめていますが、割とヤバい分量になっています。

最近の学習を踏まえ、すでに全面的に書き直したい気持ちでいっぱいなので、サービス作りを再開する暁には、またこのカードテキスト作成マラソンが待っています。AIは仕事を奪ってくれるのでは??

とはいえ、そんな作業もある程度AIが助けてくれます。他者の原稿をただリライトしてもらうなど良くないことはせず、自分で書いたベースのテキストに対して、AIに赤ペン先生になってもらうのが有用です。

実際に、以下のようなプロンプトで聞いて、原稿を繰り返し手直ししていました。

🔳プロンプト例1:

あなたは、ベストセラーを手がけた編集者です。いまあなたは、タロットカードの解説書の校正を手がけています。

これから渡すドキュメントは、タロットの専門家が執筆した草案です。あなたは、原稿と、既知のタロットカード知識を組み合わせてください。その知識を抽象化して理解を深めてください。カードの意味を深層解釈してください。

そして、校正作業を行ってください。あなたはstep-by-stepで文章の意味を解釈し、足りない言葉を文脈から保管し、わかりやすく具体的な言葉で説明した後、語順を入れ替えたり、単語を具体的なものや抽象的なもの、専門用語や非専門用語で置き換え、ブレインストーミングし、段落を並び替えて、わかりやすい文章に校正してください。

文化的な違いを考慮し、日本人にとって適切な言い回しや表現を選びます。ゴールは、普段は活字を読まない人にもわかりやすい文章に直すことです。

🔳プロンプト例2:

「タロットテキストチェッカー」は、タロットカードの説明文のクオリティの高さをチェックするプログラムです。以下の手順に従って、テキストのクオリティをチェックしてください。

最初に、{タロットカードの説明文}を読み込んでください。

次に、以下の5つの指標を20点満点で評価してください。

  • 表現の豊かさ:文章が、想像力を刺激するような表現が含まれているかどうか。

  • 付加価値:文章が、ユーザーの悩みの改善にとって有益であるかどうか。

  • わかりやすさ:文章が、わかりやすく表現されているかどうか。

  • 権威性:文章が、タロットの権威性を保ち、信頼性を得られるか。

  • 神秘性:文章が、タロットの神秘性を担保しているか。

その後、プログラムは自動的に合計点を計算し、それを100点満点で表示します。

最後に、ユーザーはテキストチェッカーのコメントを入力して、自分のテキストのクオリティについてフィードバックと、改善案を受け取ることができます。

正直、いま思うとこんなプロンプトを作り込む必要はなかったかもしれません。とにかく何でも良いからAIから改善のフィードバックをもらうと、それを文章改善のきっかけにできるんですよね。自分だけでやってると煮詰まっちゃうので。

これを全カード分コピペして聞くだけでも割と苦行なので、私はGoogle Apps Scriptを使って、スプレッドシートの隣の列にAIの添削結果を書き込んでもらうようなプログラムを書いていました。

2. まずは自分で「めちゃんこタロット」を使うぞ!

「めちゃんこタロット」を作りながら、そのベータ版を毎日のように自分で使っていました。

日記を書きながら、その内容から質問を抽出し、AIにリーディングしてもらう。この繰り返しで、良い結果を引き出すためのプロンプトの調整もしていました。それでも今のところ、AIの回答は、それらしい内容ではあるものの、まだまだ物足りないんですよね。

でも、タロット初心者よりは良い結果を返してくれます。これも学習の一環だったんだなと今は思います。

初学者は最初のうち、1カードでシンプルな質問をしても、中々その意味合いを連想的に繋げることが難しいです。でもそれぐらいであれば、AIは割としっかりリーディングしてくれます。

よくタロットの初期段階の学習方法として、今日のアドバイスをSNSで毎日ツイートすると良い、というのがありますが、その発展版として、自分の状況に合わせた質問をAIにして、その回答を自分なりに再解釈し直すのを繰り返すのが良いと思います。

毎日「今日のアドバイスは?」と同じ質問だけをするのでなく、自分事の仕事・恋愛・人間関係に照らし合わせて理解していった方が、よりカードの意味理解が深まります。

3. AIにツッコむ

学習としては、この工程が大切です。

めちゃんこタロットを使ってリーディングしてもらうと例えばこのような出力が返ってきます。

→ 質問内容: 私は今月ちゃんと納品が終わるか心配な業務があります。どうすれば、より良い仕上げができるかアドバイスをください。

間違っていないけどびみょい。ここで「やっぱまだAIって人間に敵わないよね〜」などと言っていないで、次のように返します。

するとこう返ってきました。

AIは基本褒めてくれるので、自己肯定感が上がります。笑

そして、「あ〜確かに、引いたカードからすると納期は全然大丈夫そうだし、もっと品質を担保して良い仕上げをしましょう。とか書いた方が良いな。」とさらに自分のリーディングを深めるきっかけになります。

人間、良いものを見て学ぶってことは慣れているのですが、悪いものを見て、なぜそれが「美しくないのか」「面白くないのか」「不味いのか」を言語化するのは、あまり慣れていないことが多いです。

とはいえ「なんか違うんだよね~」と文句を付けるのは得意な脳を持っているので、そこからもう一歩踏み込んでみましょう。

AIの微妙な出力を見て、自分だったらどう解釈するか、どうすれば良い結果が出せるプロンプトにできるかなどを積み重ねていくのは、良いトレーニングになります。

AIと学ぶ

こんな風に学んでいくと、タロットの理解もだいぶ深まってきます。

AIを使うって、ズルしてAIに丸投げ、みたいなイメージもあるかもしれないですが、そうじゃない付き合い方もあるのですよね。

最近はAIとの協業などと言われますが、別の存在として扱うんじゃなくて、一体化するぐらいの気持ちの方が楽しいです。人とAI、どちらが主か従かすらわからぬぐらいに、ぐるぐると主従の反転を繰り返し、溶け込ませ同一化をしましょう。

AIとの協業でなく、AIの知識を自身に溶け込ませていく。そのためには、自分が主体になることもあるし、AIが主体になることもあります。

かのマーシャル・マクルーハンは「すべてのメディアは人間の機能および感覚を拡張したものである。」と述べています。マクルーハンの本はすべて積読なのでよくわからないですけど。

今後のやりたいこと色々

などと学習もちょっと一段落を感じるので、まためちゃんこタロットをリニューアルしていきたいな~と思う日々なので、その整理のためにこの記事を書いてきました。

今後の構想などもダラッと最後に書き残しておきます。

  • 質問を前処理を、AIや単純なプログラミングで行いたい

    • AI的な処理

      • 質問に対して、最適なスプレッドを提案

      • スプレッドに対応した質問の分解。

      • 例「焼肉とお寿司どちらを食べるか悩んでいます。」

        • スプレッドの提案:「2カード」

        • 質問の分解:「選択肢1:焼肉」「選択肢1:お寿司」

      • キーカードの選定

    • 単純なプログラミング処理

      • 大アルカナや人物札、エレメントなどの割合を補足情報として表示

  • AIプログラミングの支援ツールをテスト

  • UI周り

    • 占い師向けに、アシストだけを目的とした専用画面作り

      • スプレッド通りにカードを並べる

        • タップしたら解説のテキストなど情報表示

    • ユーザー向けの画面作り

      • ChatGPTなどのように、チャット形式でAIリーディング

そんなところで。ではでは。

@ryryo
どもども