第13話 コントル=アタック(後編)

愁羽淋
·
公開:2026/3/30

第13話 コントル=アタック(後編)

B ああ、スペクタクルよ、永遠なれ!

 ルシーニーへの無茶な侵攻で、祖根洲ゾネスの傭兵部隊の大半とハーディ・ガーディの浮遊戦艦を失ったマルロー軍は、魔法院の仲介に応じ、ヴァラー騎士団との交渉のテーブルについた。

 場所は魔法院が管轄する夜哭城やこくじょう、そこはかつてのヴァラー騎士団の居城、エルスール城だった。

 動乱の時代に似つかわしい嵐。雨音が窓を叩く真昼の暗い部屋、ランタンの火が幾重もの影を壁に踊らせ、床板の吐き出す湿度には、腐肉の匂いが交じる。軽い目眩の原因は、限界まで満ちた一酸化炭素か。

 マルロー軍の長は仮面の騎士ファデリー、その正体はわたしの故郷の貴族崩れキャバレーロ。側にはウィッチ☆サファイアのグレイスが控える。

 他方、ヴァラー騎士団の長はアルミナ姫。魔法院の大御所シシリールーとカルガモ卿が控え、わたしも同席。みんなファデリーが偽物だってことは知ってる。

 それと、北方のガンフ・オルア教皇国の代表として、宮廷楽長カペル・マイスターハーディ・ガーディが立ち会う。

 会議は祖根洲ゾネスの書記官、ミミ・アリィ・カベニィの仕切りで進行する。

「まずは、魔法院の立場を確認したい」

 ミミ・アリィ・カベニィが切り出す。マルロー軍に肩入れする豪商メアリ・ショー・ジニィの妹。決して中立ではない。

「カイ領、制爵カウントマルローの統治の正当性は、聖騎士ファデリーが保証すると言っておられる。フルト・グレイド魔法院が口を挟む問題ではないと考えるが、いかがか」

 問われて、

「聖騎士ファデリーの症状はわたしが確認していた」と、カルガモ。

 すかさず――

「偽物だとおっしゃりたいのか?」

 マルロー伯が口を挟む。

 しかし、真のファデリーが手元にあるカルガモは動じず、ジャブを打つ。

「瞳は薄いブルーだったと聞いているが、果たして、そちらの御仁はいかがであろう」

 キャバレーロの瞳はヘーゼル。それを知っての揺さぶり。

「幼いころのペールブルーの瞳など、歳を取れば変わる」

「兄のお尻には大きなハート模様がありました。確認させてもらえますか?」

 アルミナ姫が引き取るが、それちょっとまって。蒙古斑じゃないの?

「蒙古斑というものであろう。10歳にもなれば消える」

 大正解。

「ところが、そうではないのだよ、マルロー公」

 カルガモがマルローに告げる。いやいや、まってまって。そうではないってなに? ハート模様、あるの? 尻に?

「こちらのヴァラー騎士団にも、ファデリー・フォルハート殿が在籍するのだよ。しかも、尻にはちゃんとハートの模様がある。確認するかね?」

 いや、あるの? ハート模様。それを見せるの? パンツめくってペロンって?

「ファデリー殿をここへ」

 カルガモが従者に命じる。ピクリとマルローが反応するが、その苛立ちを飲み込み、成り行きを見守る。扉は錆びた蝶番を不機嫌に長く鳴らし、窓の外に閃く稲光に体躯を引きつらせ、開け放たれた闇と遅れて響く雷鳴を上書いて、マントを羽織った正装の騎士が姿を見せる。

 が、どこかおかしい。

 これは……? どういうこと……?

「ファデリー・フォルハート閣下だ」

 ヴァラー騎士団の面々が最敬礼で迎えるのでわたしも敬礼はするけど、ってゆーか、ええっと。小さいんですけど?

「お兄さま……」

 アルミナ姫が小さく漏らすと、小さな影はてこてこと歩み寄ってきて、テーブルに飛び乗る。

 ……モックスだ。お尻にはくっきりとハートの模様がある。

「これが……ファデリー・フォルハート……?」

 マルローたちが動揺してるけど、わたしも。

 てゆーか、なんでわたしに情報降りてきていないの?

「アルミナ姫がデミ・フェアリーであることはご存知のことと思う」

 カルガモが話し始める。

「デミ・フェアリーとは、潜在的なモックス遺伝子を持った者の症状で、身体が弱く、短命であることが多い。事実、ファデリーとアルミナの両親は、双方がデミ・フェアリーであり、夭逝した。両親がデミ・フェアリー――すなわち、モックス遺伝子を持っていた場合、子は2分の1の確率でデミ・フェアリーになる。通常に育つケースは4分の1。残る4分の1は、モックスとなる――」

 な、なんかよくわかんないけど、そうなの?

「ここにいる、ファデリー・フォルハートのように」

 わたし側のひと以外、みんな動揺してる。思わず――

「そんなことは知っていたさ」

 と、マルロー伯。

「伝統ある騎士団をモックスやデミ・フェアリーに治められるはずがない。だからこそ我々がこうして替え玉を用意したのだ」

 いやいや、苦し紛れにも程があるでしょう。わたしもつい――

「キャバレーロはそれでいいわけ?」

 仮面つけて黙って座ってるだけのキャバレーロに聞いちゃった。

 待つこと2秒。その口から漏れた言葉。

「恥の多い生涯を送ってきました」

 はあ?

 ライトが落ち、その闇をピンスポットが切り抜き、キャバレーロの独り語りが始まる。

「自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」

「あのう、キャバレーロ?」

「自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。自分は停車場のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは停車場の構内を外国の遊戯場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるものだとばかり思っていました」

 いや、なんなのこれは?

「自分は、そこでは、尊敬されかけていたのです。尊敬されるという観念もまた、はなはだ自分を、おびえさせました」

 はい?

「ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、それが、『尊敬される』という状態の自分の定義でありました」

「ええっと、それってのは――」

「或るとしの春――」

「まだ続くんかーい」

「私は、生れてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ三週間ほどかかつて一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件の一つであつた。私は津軽に生れ、さうして二十年間、津軽に於いて育ちながら、金木、五所川原、青森、弘前、浅虫、大鰐、それだけの町を見ただけで、その他の町村に就いては少しも知るところが無かつたのである」

「ファデリー閣下……」

 キャバレーロの呼吸の間に、マルローは口を挟もうとするが、

「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した」

「……」

 残念、終わってなかった。

「メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た」

「閣下! この者たちの言うことなど――」

 マルローの割り込み挑戦!

「人間は恋と革命のために生れて来たのだ――」

 残念! キャバレーロは止まらない!

「ぐぬぬぬぬぬぬっ!」

「――死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色の細かい縞目が織り込められていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った」

 ええっと。

「革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ」

 キャバレーロの謎の演説が続くなか……

「とにかくだ! わたしはモックスが騎士団の長を務めるなど認めん! 行くぞ、交渉は決裂だ!」

 マルロー伯とその一味は帰って行った。

 一方、キャバレーロ。

「御元気ですか。

 遠い空から御伺いします。

 無事、任地に着きました。

 大いなる文学のために、

 死んで下さい。

 自分も死にます、

 この戦争のために」

 終わった?

 …………。

「我々はどうしましょう……」

 ハーディ・ガーディ。

「好きにすればいいけど、魔法院に攻撃かけようとしたのは事実なんだから、飛行船はわたしたちが接収するよ」

 フレア。厳しい。

 騎士団を治めるアルミナ姫が、モックスを騎士団長に据えようとしている――その噂が広まるとともに、市民は反モックスの旗を掲げて団結し、マルロー伯の新騎士団への支持が広がった。

 方や、オタクたちはかつてのドミノ将軍の栄光と魔女っ子のパフォーマンスに魅かれキア領に据えられた最終破壊兵器:垓亜駆軸ガイ・ア・ギアのもとに集結、最終戦争の様相を呈し始める。魔女っ子を送り出した家族も戦禍のなかにある。動乱のなかで帰る場所を失ったものも多い。魔女っ子たちはベルカミーナに言われるがまま、命を差し出すべく、予備の肉体を作り出した。予備の肉体と言っても、自分の卵子から作り出した受精卵だ。決して自分が生き返るわけじゃない。だけどその受精卵1個で、平和な世界に遊ぶ自分を夢想することが出来た。

 マルローはファデリーに替えて新しい英雄を担ぎ出した。前千年紀で人類を滅亡から救ったとされる預言者の末裔だと喧伝され、それを伝える神話は新しい装丁で出版され、各地の酒場で日銭を稼ぐ吟遊詩人はみなこれを吟じた。

 やがてモックスに魅入られたヴァラー騎士団は民衆に糾弾され、ラゴール王室制騎士団の任を解かれ、マルローの新騎士団がその任に就いた。直後、ジャスティス騎士団と改名されたその騎士団の参謀長に収まったマルローは、アルミナ姫とファデリーの処刑を命じた。

「野放しにしたら、いずれどこかで蜂起せんとも限らん」

 そう説明してくれたのは、カルガモだった。アルミナ姫とファデリーは、ラゴールの王宮に近い監獄に収監されている。

「どうしてみすみす引き渡したんですか」

「民衆がそれを望んでいる以上、力で変えることはできん」

 わたしたちには力がある。マルローたち新騎士団の幹部の心臓を取り出して順に殺すことだってできる。モックスに危害を与える者すべての手足を切り落とすこともできる。なんなら、マルローの支配地域全域を焼け野原にすることもできる。どうしてそれをやってはいけないんだろう。

 ……ミナ姫……アルミナ姫……

 ……えますか……アルミナ姫……

 わたしの呼びかけが……聞こえますか……?

「こ、この声は……アリスロッテ……?」

「そう……エンタングルした金魚を通して話しかけてるの」

「聞こえるわ……どうしましたの?」

「姫、わたしは姫を助けることができる。グレイスも、ヴェルデも、フレアも、チノも、聖印を持ってないから、どんな魔法でも使える」

「そうですか。しかし残念ながら、わたしの刑は、国民が決めたものです。万雷の拍手をもって、その生命を、神に還すのだ、と」

「それはマルローのプロパガンダのせいだし! アルミナ姫には支援者はいっぱいいるって! 牢を出たらみんな蜂起するから!」

「蜂起して、どうしますか? 戦争を続けますか?」

「あたりまえじゃない! マルローはモックスを人間だって思ってない! 相変わらず亜人による取り替え子だって言い張ってる! 奴隷同然に扱われてるし、トイレでは尻を舐めさせられてる! これを放っておけるの?」

「かつて、魔法院を攻めたとき……わたしは多くの兵を犠牲にしました……だけどいまのわたしは、戦うことより、尻を舐めることを選びます」

「いや、ダメでしょ! わたしだってモックスなの! モックスの両親から生まれたらしいの! だけど尻は舐めたくない! みんなそうだよ! だれもひとの尻なんか舐めたくないし、尻を舐めさせる権利を持ってる人間なんていない!」

「言いたいことはわかります。モックスたちのことを思ってくれてありがとう。でもね……急には変わらないんです。なにごとも」

「そりゃあそうだけど……」

「ひとの意識を変えるには、何十年、何百年とかかることでしょう。それも、ひとりのひとの意志で変わるわけじゃなく、どう変わるか、何が正しいかもわからない」

「だからって何もしないのはどうなの?」

「わたしを担ぎ出して民衆を蜂起させようとするのはどうなんですか? あなた自身の言葉で語るのではなく、わたしを象徴として利用するとしたら、マルローの『嘘』と同じじゃありませんか?」

「でも……わたしはみんなの幸せを思って……。マルローは私利私欲のためじゃない?」

「いま、9割の国民がマルローを支持しています。モックスを奴隷にして暮らしを豊かにすることが、彼らの幸せなんです。あなたはその幸せを奪えますか?」

「だからその幸せが間違ってるの!」

「ならば、その『物語』が必要です」

「物語?」

「その昔、それは宗教として与えられていました。『神』という架空の存在を通して、教えに沿って生きて、死んで天国へ行くことが『幸せ』でした」

「それって、本当に幸せなの?」

「さあ。わたしにはわかりません」

「カルガモが言ってたけど、あなたは星霊のひとり、王冠のケテルの依代なんだって。だったら、生きるべきだよ」

「わかっていませんね、アリスロッテ。わたしはいま、この宇宙を変えるほどの示唆をあなたに与えました。わたしがこの世界に転生した目的は、いまあなたに話したことで叶ったのです」

「いまの話で? 叶った?」

「人生に目的があるとしたら、それはただ『幸せになる』ことだけです。いま、多くの魔女っ子が絶望しています。マルローに与した民衆は、モックスを虐待することを『幸せ』だと思っています」

「うん。でも、それをどうすればいいの?」

「絶望しかない世界のなかで、1週間にたった30分でいい、『幸せ』を見せてあげてください。もし、マルローの考えが愚かだというなら、1週間にたった30分でいい、『正しい』経験をさせてあげてください」

「そんなことで? それで世界は変わるの?」

「世界は、わたしが変えるんじゃない。わたしにできることはただ、あなたを愛することだけ」

 すっかり作戦本部と化した茶室。

「ねえみんな、たいへん! 魔法院上空の受精卵が分裂を開始した!」

 フレアからの連絡!

「動き出したようね、長老テレンパレン……」

 グレイスが立ち上がる。

「ついに垓亜駆軸ガイ・ア・ギアを動かすときが来たってことね……」

 ヴェルデは飲んでいたお茶をテーブルに下ろす。

垓亜駆軸ガイ・ア・ギアの起動には、人間ひとりぶんの生命力が必要ですの」

 チノ。

「わたしがやってみる」

 熱血のフレアが躊躇なく告げる。

「待って! アニメの話しよう! アニメの!」

「アニメの? なんで?」

「あの、なんてゆーか、学園祭の件でちょっとアニメの演出を参考にしたんだけど、昔のロボットアニメって、最後は必殺技の名前を叫んで終わりでしょ? 勧善懲悪の極致というか、あの頃の作品はシンプルで羨ましいよね!」

 と、話していると……

「……『シンプル』、だと?」

 わたしの魔法銃、クルシン・デシネから人影が現れる!

「聞こえてたよ。あんたは、あの時代の巨大ロボットという『不条理な暴力装置』を、ただの勧善懲悪の道具だと断じたのか?」

「ああ、はいはい」

「ああ、はいはい? 何だその態度は!?」

「あのさあ、ドミノ将軍、お願いがあるんだけど」

「お願いだと? なんてぶしつけな。とりあえず言うだけは言ってみろ」

垓亜駆軸ガイ・ア・ギアに入って、弾になってくれない? 長老テレンパレンの真鬼トゥルクを倒したいの」

「ああ? ちょっとまて。なんで俺が?」

「じゃあ、アンノに頼むわ」

「はあ?」

「そうね。アンノはニュータイプだよね。ドミノは所詮オールドタイプだわー」

「アンノにラインしてみる」

「まてまてまて、ニュータイプって概念を作り出したのは俺だぞ?」

「アンノ、OKだって!」

「俺が弾になろう! 垓亜駆軸ガイ・ア・ギアの!」

 将軍ドミノの銃縛霊を説得し、わたしたちの作戦はここ、ウィッチリア学園特設ステージで始まった! 世界のどこにでも繋がる魔法の額縁は厚みのない完全な2次元の裏返せばパンツが見える薄い本のプロセニアムアーチの向こうにヤシガニたちの喝采、風に舞うスカートを押さえたわたしたちの恥じらう頬に!

 さあ! 裏返せ! この世界を!

 ヴェルデは雛菊牧場デイジーランチのみんな、それと騎士キャバレーロとともに鹵獲した飛行船に乗り込んで、ドミノ将軍はチノに案内され、垓亜駆軸ガイ・ア・ギアへ。魔法院の野望を撃ち抜くために。きゃーっ! 長老テレンパレンの真鬼トゥルクを援護すべく、双子の従者のウンズ=リィは無数のゴーレムを展開! メンズ=リィは!? メンズ=リィは第六天魔王にして虚無の龍、波旬はじゅんを召喚!

「ぬっはっはっは、信玄のヤツめ。自ら仏の弟子と称してこの信長を断罪するか。……ならば、我は仏道を妨ぐる『第六天魔王』となりて、その驕りを焼き尽くしてくれようぞ!」

「お、織田弾正忠だんじょうのちゅう様! まさに神仏を恐れぬ『魔王』の御姿! この蘭丸、地の果てまでもお供つかまつりまする!」

 ゴーレムは地上から飛行船を射撃、波旬はじゅんは魔法院を守備。ずごごごごごごごごごっ!

 フレアは魔導硬姫イグニス・レギナに乗り込み「いくわよ! グレイス!」と、グレイスが操る魔導箒マギ・ブルームと合体!

「Sフォーメーション! セットアップ!」

「フレアはゴーレムを叩いて! 波旬はじゅんはわたしが落とす!」「ひとりで波旬はじゅんを!?」「ぬわっはっはっはっは!」「やるしかないでしょう!?」 「弾正忠だんじょうのちゅう様ぁぁぁぁぁっ!」

 波旬はじゅんとの戦闘! ピンチに陥ったところにカルガモ参戦!

「助けてくれるの!?」

「違う。俺はただ、バランスを取るだけ」

 バランスってなんやねん! ガァガァガァガァ! 地上ではシシリールーのゾンビ軍団が、ウンズ=リィのゴーレム軍団に襲いかかる! ゾゾゾゾンビ! ゾゾンビ! ゾンビとメカゾンビ!

「シシリールー!?」

「コンシストリーとお呼び! 青二才! コンシストリー様は久しぶりの戦いにココロを踊らせているのさ!」

 小うるさいブラッド・アップルまで!

 ふと見ると、巨大化した魔女っ子が街を破壊してる!

 どんがらがっしゃんぽーん!

 ラズベリィだ!

「あんたなにやってんのよっ!」

「こいつらがアルミナ姫の処刑を決めた! わたしからすべてを奪ったのもコイツらだ!」

 巨大化したラズベリィが一般市民を蹴散らす! きゃああああっ!

「なるほど! 手伝うよ!」

 どんがらがっしゃんぽーん!

「なにやってんのアリスロッテーッ!?」

「いっけなぁい、町一個消し飛ばしちゃったぁ! でも、だいじょうぶよ、ラズベリィ! アルミナ姫の魂は予備が用意されてる! 死刑になったって生き返るわ!」

「そうだったのね!」

 町を滅ぼしたら、お次は波旬!

 ラズベリィと力を合わせて、全力の攻撃でしゅぼーん!

「織田弾正忠だんじょうのちゅう様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「さらばだ、蘭丸! 魔王が消えるに、これほど相応しき舞台はあるまい! 余のむくろひとつ、この世には残さぬ! 灰すらも天に昇り、乱世を呪う煙とならん!」

 さっきから割り込んでるこのひとだれぇ~っ!?

「いまよ! チノ! 魔法院上空の卵を狙って!」

「わかってますわ! みなさん! 垓亜駆軸ガイ・ア・ギアに込められるドミノ・ヨシューキ将軍に最後の言葉を!」

「サンキュードミノ! アニメ面白かったぜ!」

「アニメージュにイラスト送ったことがあるわ」

「チャム・ファウ最高wwww」

「声援ありがとうよ、おまえらっ! 俺は止まんねぇからよ! おまえらが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ! だからよ、止まるんじゃねぇぞ!」

「ありがとうドミノーッ!」

「また来るぜぇーっ! ハヤオみてぇによぉーっ!」

「もう来るなーっ!」

「ドミノ将軍、魔力転換完了! エイムしますのっ!」

「総員! ただちに射線を開けて!」

 ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ 

垓亜駆軸ガイ・ア・ギア! 発動!」

 ぎゅおんぎゅおんぎゅおんぎゅおん!

 しゅごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!

 なんかすげぇ眩しい光と、地面がぐらんぐらん揺れて、風がびゅうびゅう吹いてなんかもしっちゃかめっちゃかになって、気がつくと見事、魔法院に発生していた真鬼トゥルクの卵を破壊!

 ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ 

「やったぁっ!」

「わたしたち、やったのね!?」

「そうよ! 平和が訪れたのよ!」

 じゃっじゃーん! じゃっじゃーん! じゃっじゃーん!

「本日はウィッチリア魔女っ子学園スペシャルステージ、『ぐるぐる☆デリヴァー! ~漂流デリーヴせよ! 少女たち!~』ご鑑賞いただきありがとうございましたぁ!」

「これがわたしたちのファーストステージになります! これからどんどん成長していきますので、心暖かく見守ってください!」

「それじゃあ、最後は、わたしたちのテーマソングで締めたいと思います!」

「聞いて下さい! ぷるぷる♪ マジカル・デトゥルヌマン!」

 めざましとめたら♪ ふとんをとびだし♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 パンをくわえて♪ せーふくきながら♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 ばーんちょー せーんせー ごめんあそばせ まほうでぴゅん!

 ぷるぷる マジカル デトゥルヌマン!

 デリーヴ しちゃうぞ きゅるるんるん♪

 きのーのなやみは ラメのかなたへ かんがえないのよ へいへいぼーい!

 へい!

 ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ

 そらとぶホウキに♪ リボンむすんで♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 スティックふりふり♪ プリティショットで♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 しーんゆー らーいばーる じゃましないでね まほうでぴゅん!

 ぷるぷる マジカル デトゥルヌマン!

 デリーヴ しちゃうぞ きゅるるんるん♪

 オトメのヒミツは かみひこーきで そらにとばすの へいへいがーる!

 へい!

 ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ ずんずんちゃっちゃ

 きょーかしょやぶいて♪ ノートすてたら♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 はやべんたべたら♪ じゅぎょーはおひるね♪

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 うーさぎー にわとりー おさきにしつれい まほうでぴゅん!

 ぷるぷる マジカル デトゥルヌマン!

 デリーヴ しちゃうぞ きゅるるんるん♪

 しんどいときには がっこさぼって げんきひゃくばい へいへいゆう!

 へい!

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 れつごー れつごー (れつごー れつごー)

 ばーんちょー せーんせー ごめんあそばせ まほうでぴゅん!

 ぷるぷる マジカル デトゥルヌマン!

 デリーヴ しちゃうぞ きゅるるんるん♪

 きのーのなやみは ラメのかなたへ かんがえないのよ へいへいぼーい!

 へい!

「どうもありがとうございましたーっ!」

「これからもよろしくお願いしまーす!」

 ウィッチリア学園・学園祭『ぐるぐる☆デリヴァー! ~漂流デリーヴせよ! 少女たち!~』開催初日、ヴァラー騎士団長ファデリー・フォルハート、並びに正騎士アルミナ・フォルハートの処刑が実行された。

 ――この、スペクタクルのなかで。


困惑するアリスロッテシリーズ①

魔法のアバンチュール

困惑するアリスロッテシリーズ②

処女聖アリスロッテの帰還

@sonovels
さよならおやすみノベルズという個人小説レーベルで地味に書いています。サイトで読めばタダ。Kindleで400円。 sayonaraoyasumi.github.io/storage