聖地巡礼・道北旅行の一日目はこちら。
二日目!日本最北端周辺の名所を巡った後に、フェリーで利尻島へ向かい、帰ってきたら美味しいタコしゃぶを食べる、予定が盛りだくさんな日です。
2日目 7:30 朝ごはんを食べる(稚内市)
ホテルでゆっくりするのも大好きだけど、朝早くから行動すると日中使える時間が多い。旅先で早く起きてちゃんと化粧をして外に出た、それだけでもう達成感がある。
昨日晩ごはんを食べる場所を探していたときに見つけて、気になっていた 『ひとしの店』で朝ごはんを食べることにした。なんと朝6時半から営業している。
うどん♡
稚内駅。私たちの普段生活している場所の近くにも線路がありますが、その線路を北に辿っていくと最終的にここに着くわけですね(西〇寺さんのチャンネルでよく見る。最近、旅行・鉄道系の動画を視聴するようになった)。
道の駅わっかない、観光案内所、映画館、セイコーマートなどが同じ建物の中にあり、とても便利。道の駅が営業している時間に駅前にいることが出来なかったので、店内に入っていない。心残りのひとつである。
2日目 8:45 日本最北端の地へ(稚内市)
この日最初の目的地は、日本最北端の宗谷岬。稚内駅から30km、車で約35分で到着する。海沿いの一本道で信号の無い区間が多いので、ドライブするのが気持ちいい。助手席から左を見ると、きれいな海が見える。今日もとってもいい天気!
宗谷丘陵が近づくにつれて、風力発電の風車が増えてくる。昨日のサロベツ原野・オトンルイ風力発電所の辺りも風が強かったが、この辺りも同様に風が強い。
道路標識だけでなく、道路自体にもデカデカと『シカ注意』と書いてある。いやまさか、シカがこんな開けたところに出てくることあるの? ……。 いたー!身体の大きなシカが、反対車線の外側からこちらを静かに見ている。驚きすぎて、写真を撮ることは出来なかった。車道に出てこないでくれと願うばかり。
宗谷丘陵の辺りはよくシカが出没するらしい。この日は他の動物に出会うことは無かったが、翌日は運転中にシカが2頭目の前を横切っていき、肝が冷えた。
なんやかんやで宗谷岬に無事到着。こちらの三角のモニュメントは日本最北端の地を標する記念碑で、北緯45度31分に鎮座している。ここに来たら、やることはひとつ。
あろまさんぽごっこ。あろまさんぽの本であろまさんとえおえおさんが指示されていた謎のポーズをとる。ちょっと恥ずかしかったけれど、折角ここまで来たのだから記念にやっておきたかった。
天気がいいので、海の向こうにはサハリン(樺太)がよく見える。上記の写真でも、拡大してみるとちゃんと見える。宗谷海峡の海峡幅は、最狭部で約42km。ここから自分の家よりもはるかにサハリンの方が近い。
日本最北端についたらさらにやるべきことがある。車の給油です。宗谷岬のすぐ近くにある、日本最北端の給油所。安田石油店(apollostation 宗谷岬SS)さん。
フルサービスの給油所で、窓も綺麗に拭いていただいた。こちらで給油をすると『最北端の給油証明書』と貝がらで作られた『交通安全守』を貰える。記念になるので嬉しい。
スタッフの皆さんもとても感じがよく、また宗谷岬を訪れる際はこちらを利用したい。
スタンドの事務所のガラスにとんでもない文字が書かれている。宗谷岬からの距離:札幌330km・函館630km。北海道、広すぎる。
ここから白い道を通って稚内に戻ろうと思っていたのだが、そもそも道を間違えて白い道に辿り着くことが出来なかった。その上、フェリーの出航まで全然時間が無くとても焦った。急いで稚内港に戻り、なんとかフェリーに乗せていただくことが出来た。乗り物に乗り遅れてしまい行きたかった場所に行けないのが一番悔しいので、車以外の乗り物に乗る際はもっと余裕を持った旅程を立てようと思った。
2日目 10:10 ハートランドフェリーに乗船
急ぎすぎて汗だくで乗り込んだハートランドフェリー。稚内港から利尻島の鴛泊港まで、約1時間40分の船旅となる。
利尻島は稚内から約50kmの日本海上に位置している、人口約5,000人の島。ほぼ円形で、中央には利尻山(利尻富士)がそびえている。山登りが大好きな同僚に、旅行で利尻島に行くことを話したらかなり羨ましがっていた。
私たちは一番リーズナブルな価格の2等自由席を購入した。ゆったり座れる椅子があり、テレビや自動販売機もあり、快適に過ごすことが出来る。帰りの便では、靴を脱いで上がれるフラットなスペースがあり、そこで仮眠をとっている人が多かった。あろまさんぽで、えおえおさんが船内で寝ていたのと同様である。私もその内の一人で、30分くらいは寝ていたと思う。波が穏やかだったので、船の揺れも少なくて心地よかった。
外に出ることも出来る。太陽の光が、海に反射してきらきら輝いている。
立派な利尻富士がだんだんと近づいてくる。寒かったので私はすぐ客席に戻ったが、友人はずっと外で空と海と山を見ていた。
2日目 11:50 利尻島をドライブ(利尻富士町)
鴛泊港に到着。フェリーターミナルに飲食店やお土産処も併設されている。建物の外に出ると、目の前にレンタカーのお店がずらりと並んでいる。予約していたレンタカーを借りて、いざ利尻島をドライブ!
海沿いに大きな道路があり、ほぼ一本道をまっすぐ進むだけで島をぐるっと一周することができる。時計回りに回ることにしたので、助手席から左を見ると常に海が見えている。窓を開けると、潮風が心地いい。
開けた道路と、すぐ近くに立っている灯台。
右を見ると雄大な利尻富士。
2日目 12:40 昼ごはんを食べる(利尻富士町)
道中で見つけた利尻昆布のお店とセイコーマートに立ち寄りながら、20kmほど走ると、次の目的地であるオタトマリ沼に到着する。沼の水面がきれいで、利尻富士を撮るのにいいフォトスポットとなっている。山頂に雲がかかってしまっているが、これはこれでいい景色。
レストハウスの中には『わかさんの店』『まっちゃんの店』と親しみやすいネーミングの2店が入っている。片方はお休みだったので『わかさんの店』で海鮮をいただく。
我々はホタテが大好きなので、こういった海鮮焼きのお店では迷うことなく、まずはホタテ。
そして、あろまさんぽにも載っていたつぶ貝。貝が大きくこちらも美味しい。お酒が欲しい。さらに一夜干しのイカ焼きなども食べて、腹ごしらえはばっちり。
お隣の土産物屋兼食事処 『ケイプ 利尻亀一店』 にてデザートもいただいた。ハスカップソースのかかったソフトクリーム。
オタトマリ沼を出るころには雲が厚くなってきていた。
2日目 14:20 ついに "アレ" と出会う!(利尻町)
オタトマリ沼を後にして、また時計回りに30分、利尻島をドライブ。右側に建物が無く利尻富士がきれいに見えるポイントがあった。後続車がいなかったのと、十分な道路幅があったので、少しだけ路肩に車を停めて写真撮影させていただいた。走ってきたまっすぐな道がサイドミラーに反射している。
さて到着。味わい深い手書きの看板を目印にして立ち寄る。
"アレ"ってつまりコレ!(言いたかった)
利尻島の名物 『ミルピス』 のことです。ミルピス商店さんが作っている、最果ての自家製乳酸飲料。私はあろまさんぽを読むまで存在を知らなかったのだが、本を読んでから、利尻島に行くことがあれば絶対に飲んでみたいと思っていた。乳酸系の飲料は好きだし、ビンもかわいいし、あろまさんが味を内緒にしていたのも気になる。
こちらはミルピス商店の建物。無人のようでとても静かだったので、友人と「入っていいのかな?」と尻込みしつつ扉を開けた。
店内の様子。多くの色紙が所狭しと飾られていて、多くの発送伝票が店の歩んできた年月を物語っている。飲料を奥の冷蔵庫から取り出して、飲んだら料金を置いていくセルフ販売の方式。
私は通常のミルピス、友人は山ぶどうのジュースを購入した。味は……あろまさんが内緒にしていたので、私もここには書かないでおく。
個人的には好きな味だったので何本か持ち帰りたかったけれど、通常のミルピスは私が手に取ったものが最後の1本だった。利尻島に行くときに絶対にミルピスを飲みたい人は、早めの時間に訪れた方がいいかもしれない。私たちは悠長に昼ご飯を食べてから向かうことにしてしまったので、きっと在庫が残り少なかったのだと思う。友人が選んだ山ぶどうジュースも美味しかった。
利尻島以外で飲む方法として、直接電話をして取り寄せることも可能らしい。でも人生でもう一度くらいは、現地で利尻富士を見ながらミルピスを飲みたいな。
2日目 15:10 ペシ岬を全力で登る(利尻富士町)
利尻島をぐるっと一周して、鴛泊港に戻ってきた。レンタカーを返却後、まだ帰りのフェリーの出航まで時間があったので、本に書かれていた通りにペシ岬を登ってみることにした。
ペシ岬展望台その①!港からそれなりに歩いたような気がするが、頂上までまだまだ登らないといけないようだ。それにしても海がきれい。地平線が見える。
どういうこと?
ペシ岬展望台その②!ここが本当の頂上。先ほどの写真をあえて縦で載せましたが、結構な斜度があるのがお分かりいただけるだろうか。頂上まで15分ほど、山登りをした気分。キツかった。おそらく気温は10度もないのだが、上着を脱いでも汗だく。
鴛泊港と利尻富士。やはり山頂には雲がかかっているが、オタトマリ沼から見たときと比べると上の方までよく見えている。
ペシ岬の頂上から見る、利尻富士町の街並み。雲のすき間から夕日の光が覗いていてなんだか素敵。この写真からも、短時間でそれなりの高さまで登ってきたことが分かる。下りのことを考えたくない。
道の途中にLOVEと書かれたベンチがあったので、ぬいを置いてみた。奥に見えるのが鴛泊灯台で、2019年に 『恋する灯台』 に認定されたらしい。だからLOVEのベンチがあるのだろう…。周りは自然だらけなので、極大の存在感を放っている。恋する灯台のサイトを調べてみたら、過去のフォトコンテストの写真が美しくて、灯台を巡るのも素敵だなと思った。
帰りのフェリーでは写真の整理をしつつ、フラットなスペースで爆睡。いつの間にか稚内港に帰ってきていた。
2日目 19:00 タコしゃぶを食べる🐙(稚内市)
本日の夕飯はごちそうです。楽しみにしていた 『タコしゃぶ』 を食べに、 『竹ちゃん』 さんにやってきた!!
タコしゃぶとは、薄くスライスした生タコをしゃぶしゃぶのように湯にくぐらせて、ゴマだれでいただく稚内のグルメのこと。
こちらはメニューの一部。鍋もお魚も全部美味しそうで、何を注文するか悩む。ただ、旅先では気になったものを惜しみなく食べた方が後悔が少ないと知っているので、これもこれもこれも!と注文していく。旅行のときはいつも、交通費を抑えてご飯代を確保するスタイル。
念願のタコしゃぶ🐙
タコ一枚一枚が想像の3倍くらい大きい。湯にくぐらせてゴマだれにイン!タコ自体の味はあまり主張してこないので、ゴマだれのしっかりした味が合う。そしてタコの噛みごたえのある食感がたまらない。
刺身の盛り合わせ。ホタテの貝柱が肉厚すぎる。あと何よりもウニが美味しい。
さらにウニ。つぶつぶの新鮮なウニ。ウニ軍艦。導かれしウニウニ達。。。
牡蠣大好き女×2なので、見かけたら注文してしまう。ぷりっぷり。牡蠣に罪は無い。
こちらはズワイガニの酢の物だったはず。さっぱりしていて、カニの旨みが引き立っていて美味しい。無限に食べたい。
サッポロクラシックを飲んだ後は、地酒を飲めるだけ飲んだ。帰りに撮った竹ちゃんさんの看板、スピード感がヤバイ。酔い具合がよく分かる写真。お酒もお料理も全部とっても美味しかったです!
ノシャップ行きのバスが走っている、稚内駅前。飲み終わってもまだ21時、普段ならまだまだこれからという時間だが、明日も早いので宿に戻ることにした。
3日目 6:00 極寒のノシャップ岬(稚内市)
三日目は本州に帰る日なのでタイムリミットが決まっており、飛行機に間に合うように新千歳空港まで戻らないといけない(約370km・休憩なしで5時間)。なので超早起きして、日の出とともにノシャップ岬にやってきた。
ノシャップ岬は、稚内駅から約5kmの場所にあり、車でおよそ10分で訪れることができる。すぐ近くに、稚内灯台と稚内市立ノシャップ寒流水族館がある。水族館は小さくて入館料も安価だが、充実しておりとても楽しめる場所らしい。googleの口コミを見て気になっていたが、もちろん朝6時から営業しているわけがないのでまたの機会に訪れることにする。
イルカのモニュメントがかわいい。足元?ひれの下?にご注目。
イルカのドアップとぬい。
波の様子から、風の強さは伝わるだろうか。会話が困難なほどの暴風だった。
3日目 7:00 白い道(稚内市宗谷村)
昨日道を間違えてたどり着けなかった白い道。「白い道 行き方」で検索して予習し、本日再チャレンジすることにした。稚内の観光情報サイトに詳しい道順の動画が掲載されており、親切でありがたい。さらに、白い道を訪れるための注意点も書かれており、訪れる際はしっかり確認してから向かうべきだと感じた。
白い道に辿り着くまでの、緑の丘陵も美しい。
白い道は宗谷岬側・宗谷地区側の両方から入ることが出来るが、宗谷岬側から入るルートがおすすめとのこと。緩やかな下りが多く、景色が楽しめるため。白い道の中は狭い場所が多く、対向車が来た場合は譲り合いながらすれ違わないといけないので、こうして向きを指定していただけるとトラブル防止になりそう。幸い私たちは朝早いうちに訪れたため、車とすれ違うことは無かった。
朝日と風車と草原と白い道の広大な景色が、息を呑むほど美しい。
白い道に敷き詰められているのは、稚内の名産であるホタテの貝殻らしい。
撮影場所は異なるけれど、ここでもあろまさんぽごっこ。あろまさんぽ伍の表紙をイメージ。右手にぬいを持っています。
こちらの影は、左から車、友人、私。ぬいを持っています。
緩やかな下り坂。目の前はおそらく海なのだが、海と空の境界線が曖昧。
今回は偶然だったが、白い道を訪れるときは次回も早朝にしたいと思った。人がいない方がいい。超人気で車から降りられないほど渋滞している…というよりは、広大な景色をひとりじめした気分になれる方がいい。私も本を読んでこの場所を知った人間のうちのひとりなのに、あまりメジャーな観光地にならずに、知る人ぞ知る名所であってほしい…と身勝手なことを考えたくなった。そして何よりも朝は、朝日と風車と草原のコントラストが爽やかで素晴らしい。空気が美味しい気がした。
3日目 13:30 ラマイのスープカレー!(千歳市)
白い道を宗谷地区側へ抜けた後は、ひたすら空港を目指してドライブ。1日目に走ってきたオロロンラインを、南に向かってまた走る。
違う角度・違う天気のオトンルイ風力発電所に立ち寄った。風車の後ろに見える雲のすき間から光が差していて神秘的だった。
あとはあっという間に感じてあまり記憶が無いが、何故か車内で歌マリオをフルで流したことだけは覚えている。まいるこれはまいる~♪
そんなロングドライブを経てたどり着いた、ラマイ千歳店。人生初ラマイ!たしかチキンカレーとラッシーを注文した。辛さは2~3だったはず。ピリ辛でごろごろと入った野菜も美味しくて、いつの間にかペロリと食べきっていた。また北海道に行くときは別の味のカレーも食べてみたい。
その後、新千歳空港でお土産を大量に買い、無事に飛行機で本州に帰ってきた。
聖地巡礼のおもしろさ
3日間で可能な限りの"聖地巡礼"をしてみた。彼らが見た景色を自分も見て、どんな見え方をしていたのか考えたり、本に書かれていたことと似た感じ方をしたり、同じ画角で写真を撮ったり…… 充実した時間を過ごすことができた。
きっとあろまさんがあろまさんぽの企画で行かなければ、本にして残していなければ、自分がこのタイミングで稚内や利尻島を訪れることは無かったと思う。貴重な経験をさせていただいた。
北海道の広大な景色の非日常感は、仕事で疲弊した心によく効いた。リフレッシュできた休暇だった。聖地巡礼を抜きにしても、人に勧めたいと思える場所や食べ物がいくつもあった。またいつか、オロロンラインをドライブしに行きたい。
3日間ありがとう、友人T。おばあちゃんになっても、この旅行の思い出話をしようね。