オロロンラインをドライブしたい!
2014年に発売された、1冊目の『あろまさんぽ』。最後の見開き2ページのコラムは、あろまさんによる北海道の旅とドライブの話となっている。
全道を走り回った中で一番のお気に入りの道は『オロロンライン』とのこと。オロロンラインとは、小樽から稚内まで海岸沿いを走る約380kmの道路のこと。北海道屈指のドライブルートで、車中から様々な観光名所を眺めることができるそう。
信号のないまっすぐ伸びた道路を走る快感はまさに極上。ドライブが好きな人やこれから免許を取って色々なところへ行ってみたいという人は、一度はこの道を走ってみてほしい。 ― あろまさんぽ P.122-123 『北海道の旅』より
ドライブの楽しさ、北海道の広さと魅力が詰まった名文だと思うので、読んだことが無い方は、あろまさんぽを手に取ってぜひこのコラムを読んでみていただきたい。電子書籍でも読めるみたいです。
発売当時の私はまだ自動車免許を取得していなかったので「あろまさんが言うなら素敵な場所なんだろうな」というふんわりとした認識だった。しかしそれから8年が経ち、免許を取得して、自分も車であちこち走り回った。
愛車はかわいいミニクーパーちゃん。1台目も2台目もちょっとレトロな赤いミニクーパーに乗っていた。今は違う車に乗っているが、やはり赤い。理由はもちろんあろまさん推しだからです。
MSSPのライブに参加するために日帰りで関東に行ったり、武道館に行くために謎に下道を10時間運転したり、あろまさんぽの聖地巡礼として、青森県・大間町まで自宅から500km以上ひとりで走ったりしたこともある。旅行やドライブの楽しさが分かってきて、ふと、あのコラムのことを思い出した。
そうだ 稚内、行こう。オロロンラインをドライブしよう!
そうと決まれば、仕事の閑散期に3連休をもぎ取り、すぐに旅程を立て始めた。いつもライブで連番するリア友に声をかけてみると、一緒に旅行に行ってくれるとのこと。おお、心の友よ。札幌から稚内までドライブしようぜ!と誘ってノリノリで来てくれる人なんてなかなかいないぜ。
友人T…… 高校時代にMSSPを布教したらハマってくれた。きっくん推し。SPACEJUNGLE45と、スーパーピチピチガールヒコ美実況が好き。2024年現在も一緒にライブに行っているリア友。
ちなみに今回聖地巡礼をする上で一番参考にしたのは『あろまさんぽ伍』である。なんと59ページに渡り、道北の旅行の様子が掲載されている。参加しているメンバーはあろまさん・えおえおさんのおふたり。
2022年秋。大人になっても旅行やライブの前日はワクワクして眠れなくなるので、少し寝坊してしまい急いで空港へ向かった。空港の出発ロビーにあるお出汁のラーメン屋さんがとっても美味しそうだったので食べたかったが、時間がないため断念。北海道でたくさん美味しいもの食べようね~。と話しながら飛行機に乗り、7年ぶりに北海道に上陸した。
1日目 12:30 揚げ芋を初めて食べる(北広島市)
あろまさんぽでは旭川空港から稚内に向けて出発していたが、今回私たちは新千歳空港からのスタート。LCCの価格的魅力に抗えなかったのと、とにかくドライブをすることが大きな目的だったのでロングドライブになってもいいか!と呑気に考えていた。
新千歳空港から稚内市までは、約370kmのドライブとなる。高速道で 札幌 ⇒ 滝川 ⇒ 留萌 を通り、留萌から先はひたすら一般道で海沿いを北上するルート。途中でご飯を食べたり休憩したりしながら向かうので、約7時間かかる。
正直疲れてしまうかなと思っていたが杞憂だった。ふたりとも運転が好きなのと長距離運転に慣れているので、話したり曲を流して歌ったり、北海道のきれいな景色に感動したりしながらドライブすると意外とあっという間に感じた。
新千歳空港からの出発に話を戻す。レンタカーを借りて、まずは高速に乗る。
ああ〜天気いい〜(無駄トーク8)
車を30分ほど走らせたところで、輪厚PAで軽食をとることにした。売店で『揚げ芋』が売っている! ここで食べることが出来るとは。初・揚げ芋の写真がこちら。
『揚げ芋』とは道央~道南を結ぶ中山峠の名物。峠の頂上に道の駅があり、そこで販売しているらしい。今回は道南に向かわないので、食べることはないと思っていた。峠の名物と同じ揚げ芋か分からないが、串に刺さっていることは一緒なのできっと似たものではあるのだろう。
北海道のじゃがいもってめちゃくちゃ美味しい。ほくほく。これはいくらでも食べられると言いたくなる気持ちも分かる気がする。2012年秋の定期生にて、FBさんが学生のときに中山峠で揚げ芋を9個食べて、バスで吐きそうになったことがあると話していたことを思い出す。
ホワイトガラナと苺大福も買ったので記念撮影。新参兵と天然隊長の実況を見ていたころから、苺大福を見かけるとついつい買ってしまう。そして今回の旅行ではパークぬいをいつも手元に置いていたので、写真に映り込ませがち。
動物注意の看板がカワイイ。赤いきつねと緑のたぬき。
岩見沢ICのあたりで右側を見ると、山の手前に大きな観覧車が見えてテンションが上がった。後で調べてみると、北海道グリーンランドという遊園地のアトラクションで、道内で一番大きな観覧車らしい。雄大な景色を見渡すことが出来るそうなので、今度このあたりを訪れる際は一度乗ってみたい。
1日目 小休憩 セイコーマート
北海道に来たら必ず寄るコンビニ、セイコーマート。プライベートブランドの商品が多く、どれも自分たちにとっては目新しいので店内を見て回るだけで楽しい。そして何よりも、どれも安くて美味しい!
今回の旅行でも、ドライブ中の小休憩はほぼセイコーマートだった。何を購入したか忘れてしまったが、1日目の夜に食べたとうきびアイスが美味しかったことだけは覚えている。3日目に新千歳空港まで戻るときは、ホットシェフの商品をつまみながら走った。
セイコーマートのロゴマークの鳥さんは、フェニックスらしいですよ。さっき調べていてびっくり。MSSPに関連するワードを見つけるとちょっと嬉しい。
1日目 15:00 甘エビ丼を食べる(羽幌町)
急にサンバを流すな。
ロングドライブになることが最初から分かっていたので、私も友人も車内でかける曲のプレイリストをそれぞれいくつか作成してきた。1~2時間ごとに交互に運転し、運転席に座る人が、再生するプレイリストを選ぶことが出来るルール。MSSPの曲、ふたりでハマっていた平成のアニメの曲、90年代のJ-POPなど、様々なジャンルのプレイリストを作ってきたので全く飽きない。
もう10年以上、お互いの好きなものを共有しているため、共通して知っている曲がありすぎる。どんな曲が流れてきても、大体一緒に歌ったり思い出を語ったりすることができた。
MSSPの曲をふたりで熱唱しながら、日本海を横目にドライブ。海はキラキラ輝いて 私の心を連れて行く。ちょっとした青春を味わえてとても楽しかった。
海沿いを北上していると、デカくて黒い物体が現れた。あろまさんぽにも載っていた、オロロン鳥のモニュメントである。オロロン鳥の存在を忘れており、友人とペンギンかな?などと話していたけれど違いました。正式にはウミガラスで、その鳴き声からオロロン鳥と呼ばれているらしい。
昼食は書籍の通り小平か羽幌で取ろうと思っていて、本当は道の駅ほっと♡はぼろの向かいの食堂で甘エビを食べたかったのだが、ラストオーダーの時間に間に合わないので別の場所に向かうことにした。
甘エビファクトリーさん、 16:00まで営業していてくれてありがとう🦐
甘エビ丼!
ガーリックシュリンプ!
エビが美味しすぎる。もう一度言うが、北海道のエビが、美味しすぎる。ぷりぷりで甘~い!こちらのお店ではエビやエビの加工食品も販売されているので、店内を見るのも楽しかった。
食べ終わって出発すると、日没まで意外と時間が無いことに気付く。何としても、日没までに次の目的地に辿り着かなければならない。この旅のメインのひとつである、オトンルイ風力発電所である。
道北から道北への移動だが、甘エビファクトリーから75km、車でだいたい1時間15分ほどかかる。北海道はでっかいどう、をここでも感じる。
1日目 16:50 オトンルイ風力発電所(幌延町)
海沿いをとにかく北上していく。ドライブしていて本当に気持ちが良い景色。天気が良く、交通量は多くなく、ほぼ一定の速度で車が進んでいく。
とにかく景色に圧倒されていたので、助手席に座るとふたりとも写真を撮りまくる。地元・東北にもきれいな場所はたくさんあるけれど、この広大さは北海道でしか感じることが出来ないと思う。ということで以下、写真が多い。
海のすぐ横を走ることが出来る。海と離れたり近づいたりするので、山側を走った後に海が見えてくるとテンションが上がる。
そして風力発電所が近づくにつれて、風車を見かけることも増えていく。
これはオトンルイ風力発電所に着く直前の写真なのだが、もう日が沈みそうで結構焦った。
そして、冒頭の写真の場所に辿り着いた。暗くなる前に着くことができて一安心。
ぜひ、この景色は上記動画で見ていただきたい。道路の脇に、巨大な風車が立ち並んでいる。私たちの他に停まっている車は無く、もちろん歩いている人もいない。
聞こえるのは強い風の音だけである。広大な大地に風車・夕日・自分たちしか存在しないので、自分たちが小さく思えてきて、頭の中で『M八七』が流れ始める。
後であろまさんぽを読み返してみると、あろまさんは、風車の羽の先までの高さがシン・ゴジラと同じだと言っていた。あまりに大きくて、身近なものでは例えようがない。
そして道路を挟んで風車と反対側を向くと、海の向こうに利尻富士が見える。明日、お近くに伺います。
鹿に注意⚠️ 友人がきっくんのぬいと一緒に写真を撮っていた。
推しのぬいと自撮りをする私を友人が撮ってくれていた。夕日がきれい。
エモ写真。いえーい✌🏻
帰りも同じルートを通ったので、また違う角度から。曇っているが、雲の切れ間から光が差していて、これはこれで神秘的。
圧巻の一言。まっすぐに伸びた道路に巨大な風車が立ち並ぶ景色を見て、ごうごうと吹く強風を肌で感じて、本を読むだけでは得られない体験をすることができた。これが旅行の醍醐味で、聖地巡礼の楽しさだと思う。
そしてドライブが好きな人へ、この道とこの景色を勧めたくなる気持ちが分かった気がした。
1日目 18:30 稚内駅周辺
オトンルイ風力発電所を出発してすぐに日没を迎えた。日没後の道道106号は、マジ暗闇。街灯ありましたっけ。もちろん設置されているところもあったはずだが、とにかく暗かった記憶しかない。
1時間ほど北上すると、だんだんと民家やセイコーマートが増えてくる。稚内の市街地を抜けて、稚内駅近くの駐車場に車を停めた。新千歳空港を出発して約7時間、行きのドライブが終了した。お疲れさまでした!
駅近くのホテルにチェックインを済ませて、居酒屋を探す。タコしゃぶは翌日食べることにしていたので、今日の夕飯は決めていない。周辺を散歩して、見つけたお店に入ることにした。
こちらのザ・居酒屋な風貌をご覧ください。お店の外までいい匂いがして、美味しいお酒と美味しいご飯が大好きな二人組は入る前からウキウキ。
せっかく北海道にいるので、乾杯はもちろんサッポロクラシックだー!
北海道に来たからには、大きなホッケを絶対に食べたい。この大きさと身の詰まり方は本州では味わえないものだと思っている。お酒と合う。
焼き鳥も美味しい。2杯目からは日本酒を注文した。訪れた土地の地酒を楽しむのも、酒飲みとして外せないところ。お猪口がすぐに空になる。
旅先で酔っぱらうのって、どうしてこんなに幸せなんだろう。非日常な状態が高揚感を生むのかもしれない。普段話さないようなこともお互いにぽろっと口から出ていて、そんな状況も楽しかった。
食べ終わってお店の外に出ると、気温は3度。10月の下旬でも、稚内の気温はもう私たちにとっては冬だった。だが帰りにセイコーマートに寄って、アイスを買う。お酒を飲んだ後のアイスは格別に美味しいからである。ホテルのあたたかい部屋で食べたので問題なく味わうことが出来た。
これにて一日目が終了。翌日も旅程をぎゅっと詰め込んでいるので、すぐにシャワーを浴びて寝た。二日目は、フェリーに乗って利尻島に行きます!後半へ続く。