和田さんにまつわるいろんなことについて

tndr215
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公開:2024/11/9

わたしは今後、ホークスファンという自我を手放します。これが結論なので、以下は読みたい人だけ読んでください。

ただ推しと自分の間の感情についてだけ考えたいのに、どうしてこんなにもいろんな周りのことと切り分けて考えないといけないんでしょうね。

時系列順に整理する

ふらみんちゃんが21年間和田さんを大好きなことはよく知ってるけど、プロ野球や和田さんをめぐるいろいろのことがよくわかんないよ!という人向け、そして未来の自分に向けて書いてます。知ってる人は適宜飛ばしてください。

◆まずは背景を時系列順に

昨年2023年末、西武ライオンズより山川穂高選手がFA宣言をしました。本塁打王を2度獲得したこともある、球界を代表するスラッガーです。しかしその年の山川選手は、女性関係の問題が発覚し、書類送検されていました。結果として嫌疑不十分で不起訴処分にはなりましたが、ライオンズ球団は無期限の公式試合出場停止処分を科しました。

山川選手のFAについては以前から「ホークスに行くのでは」と噂されていました。FA権とは、一定期間一軍で活躍した選手が、好きな球団を選べる権利(意訳)です。西武ライオンズは、なぜか主力選手がFA権を取得するとことごとくチームを去ってしまう、という傾向があります。(もちろん例外もいます)

山川選手は順当なら2023年中にその「定められた期間」をクリアする予定でしたが、不祥事による処分で期間判定が注目されました。結論としては救済措置の適用で無事条件クリアとなり、彼はFA宣言を行います。

山川選手とライオンズ球団の間に何があったか、わたしにはわかりません。バッシングされても球団から出たい理由があったのかもしれないし、球団なんてどうでもよくて自分の利点だけ考えた結果の行動なのかもしれません。

◆ホークスの背景

2023年、福岡ソフトバンクホークスは3年連続で優勝を逃しました。孫オーナーも王会長も負けるのが大嫌いで、チームの勝利のためには一切妥協しません。そのための設備投資も、補強も、選手への年俸も惜しみません。2023年も、北海道日本ハムファイターズからFAした近藤健介選手を高額年俸で迎え入れました。

噂どおり、ホークス球団は山川選手を獲得しました。ここで、ファンの反発がかなりありました。いくら本塁打王とはいえ、不祥事を起こした選手を獲得するのはどうなのか。1年近く試合に出ていなかった選手なのに、相応の働きを期待できるのか。ライオンズ球団やファンに対して、あまりにも不義理ではないか、などなど。

ホークス球団は、山川選手を獲得するまで慎重に周辺調査をしたとのことでした。実際彼がFA宣言をしてから獲得が発表されるまで、通常の倍は時間がかかっています。FA移籍選手の入団会見は通常華やかですが、山川選手は謝罪会見のようにひっそりとした会見を行いました。三笠GMや王会長からは、事実関係を確認し問題ないと判断したこと、本人にも野球がしたいと意欲があり獲得に至ったこと、山川選手が社会的制裁も受け、反省もしていることが説明されました。また、才能ある選手に挽回のチャンスを与えることも必要だと考え、批判を覚悟で彼を守っていく、という意向が示されました。

◆人的補償とは

獲得してしまったものは致し方ありません。あとはルールに則ってことが進むだけです。プロ野球選手は、年俸が高いほどチームに貢献しているとみなされます。FA移籍により年俸の高い選手を失えば、単純にチームの戦力が下がります。そのため移籍元は、移籍先に対して金銭や選手による補償を求められます。これが「人的補償」です。

とはいえ移籍先球団としても、自前の主力選手を奪われたくはありません。そのため、移籍元から「人的補償」を求められた場合、移籍先は「この選手は獲らないで」という「28人のプロテクトリスト」を提出します。「28人」という人数は、かなり少ないです。日本のプロ野球チームには70人までの支配下登録選手がいますが、その中でたった28人だけが守られるため、実績がある選手がそのリストから漏れることもあります。

◆人的補償による移籍

オフシーズンに話題がないヒマなプロ野球ファンは、よくこの「プロテクトリスト」予想で盛り上がります。誰が球団に必要とされ、誰が「獲られてもいい」と思われているか、というようなゲスな盛り上がりです。「人的補償」という言葉が、「生贄」を彷彿とさせるからでしょう。

この「プロテクトリスト」は門外不出で、球団の限られた関係者のみが知ることができるものです。そこには単純な「必要・不必要」だけではなく、球団同士のさまざまな思惑や駆け引きが含まれているからです。リストに載っていたかどうかを選手が知ることはなく、移籍が決まったときだけリスト外だったと知ることになります。

過去、この「人的補償」による移籍は何度も大きな話題を呼びました。話題を呼ぶのは主に「全盛期を過ぎたベテラン選手」、「近年はケガで成績は振るわないものの、実績のある選手」の移籍です。どちらも、28人の枠に入るかどうか微妙なラインではあります。そこにはさまざまなドラマが生まれてきました。

全ての歯車が狂った日

2024年1月11日未明、和田毅投手が「人的補償」で移籍する方針のリークが出ました。ネットに日刊スポーツの一面記事の写真が出回り、早朝5時には日刊スポーツから正式な報道がされました。しかし、それ以外のメディアはほとんど後追い記事を出しません。通例であれば他社も次々に報道し、最後に球団公式からのお知らせが出る流れです。それに、ライオンズ球団もホークス球団も一向に公式発表を出しません。

大混乱でした。プロ野球ファンのみならず、OBやタレントなども巻き込んで大騒ぎになりました。和田毅投手は、NPBで最後の現役松坂世代であり、42歳であった昨シーズンもチーム2位の8勝を挙げた球界のレジェンドです。確かに全盛期は過ぎていますし、ケガもありますが、2023年シーズンも間違いなく主力選手としてチームに貢献しました。さらに人格者として球団を超えて多くの選手に慕われています。まさに生きた教科書のような存在です。

そんな選手を、批判と共に獲得した山川選手の「人的補償」として手放すなんて、ホークス球団は何を考えているんだ。不祥事を起こした選手を獲り、その代わりに将来の監督候補でもある選手を差し出すのか――主にそういった批判が渦巻いていました。

わたしはこのとき、限りなく「和田さんは移籍する」ことを前提に気持ちを固めていました。20年近くプロ野球ニュースを追っている身として、日刊スポーツの報道は確定的なニュアンスがあると感じたからです。公式発表が出たら、Twitterに「ホークスファンやめます!さようなら!」と投稿するため、下書きも保存していました。移籍すること自体はどうってことない、それに和田さんなら移籍しても何も変わらないし、むしろ今後のための勉強になると前向きに捉えてくれるはず。和田さんが1年でも長く現役を続けてくれるなら、球団なんてどうでもいい。だから早く発表してくれ、と祈りながら過ごしていました。

結果はご存知のとおりです。午後5時半にようやく両球団から「人的補償」で移籍する選手の発表がされました。しかしそこにあった名前は「和田毅」ではなく、「甲斐野央」でした。

さらに大混乱が起きます。じゃあ今朝の報道はなんだったんだ?どうして和田毅の名前が出たんだ?

誰が悪いのか?

このあたり、怒りと混乱と失望で細かいことをはっきり覚えていません。移籍が決まり、甲斐野投手からコメントが発表されました。甲斐野投手はとても明るくて優しく、ユーモアのある素敵な選手です。驚きや混乱を微塵も感じさせないコメントでした。当日の時系列や報道の詳細については、以下の田尻さんの記事も記録しておきます。

最初、わたしは「日刊スポーツが誤報しやがった」と感情を持っていくようにしました。なんて不名誉な記事を書きやがったんだ、和田さんがプロテクト外だと報じられたこと自体が不名誉だと憤り、日刊スポーツのアカウントを軒並みブロックしました。

しかし、その後「当初は和田投手が指名されていた」という報道について問われた三笠GMが「コメントすることはございません」と回答したことが明るみに出ると、正直日刊スポーツはどうでもよくなり、球団に対する怒りと失望でいっぱいになりました。

日刊スポーツはその後も「本来は和田が指名されていたが、反響を鑑みて急遽方針を転換した」という報道を続けています。なんなら先日の和田さんの引退発表があったときも、同様の記載がありました。よほど裏が取れていることなのでしょう。

日刊スポーツは「チームの顔の流出に対する世間の反響の大きさなどを鑑みて」という表現を使っています。ホークス球団が自らプロテクト外にしておきながら「世間の反響の大きさを鑑みて」、ライオンズ球団へ「和田を獲らないでほしい」と泣きついたのであれば、それがそもそもの問題です。「ホークス球団」がゴネたのが、ルール違反です。

なのに、なぜか「急遽方針を転換した理由は和田が移籍を拒否したから」というゴシップが報道されました。それを鵜呑みにして、今も和田さんを誹謗中傷する人がいます。

ゴシップの内容は『和田投手が移籍したくない、移籍するなら引退すると拒否した→引退されるとライオンズ球団側も補償選手がいなくなって困る→だから方針を転換し、その代わりに本来はプロテクト対象だった甲斐野投手を指名した』というものです。

しかし、人的補償による移籍は、拒否できないルールです。どうしても拒否するなら、その選手は資格停止となり試合に出られません。それに、代わりにプロテクト対象だった選手を選んだのなら、なんのためのプロテクトリストなんでしょう。

冷静に羅列してるだけであまりの不条理さに気が遠くなってきた。なんじゃそりゃ。ますます和田さんがそんなことするわけねーだろうが!!しかない。

真相は闇の中

真実は、当事者だけが知るものです。果たしてホークス球団がルール違反を犯したのか、それとも和田さんが違反したのか。もし本当に和田さんが移籍を拒否し、ホークス球団がそれを容認したのであれば、それもルール違反です。ライオンズ球団も、ルール違反だと指摘するべきなのに黙っていることになります。

その数日後、自主トレ公開日に和田さん本人から「その件については触れたくない、考えたくない」とコメントがありました。正直、角が立つのでは…とハラハラしました。和田さんがそこまで突き放すような物言いをするのを初めて見たからです。案の定、「やましいことがあるから言わないんだ」といった短絡的な意見も見かけました。

でも、本人から話せるわけがありません。自分がプロテクト対象だったかどうかは、通常なら明るみに出ることのない極秘情報のはずです。和田さんは否定すらできないし、言葉を持てない。「自分は悪くない」とさえ、言うこともできないんです。言えば、球団のルール違反を肯定することになる。甲斐野投手の移籍も確定して、もう今さら何もできないのに。

そんなこと、少し考えればわかるはずなのに、どうして本人が矢面に立たなければならなかったんでしょう?どうして本人が、直接このことについて言及しなければならなかったんでしょう?ただでさえ長年貢献してきたホークス球団から敬意に欠けた対応を取られ、傷つけられたばかりなのに。

この時点で、わたしは完全にホークス球団に対して失望していました。どうして自ら不祥事を起こした山川選手は「反省してるから守る」と言ったのに、何も悪いことをしていないはずの和田さんは守る姿勢すら見せてくれなかったのか。アンケートも書いたし、公式サイトからご意見も送りました。せめてキャンプインまでに何かフォローをしてほしい。そうじゃなきゃ今シーズン、わたしは福岡ソフトバンクホークスを応援できなくなる。そうして一縷の望みにかけていましたが……結末は最悪となりました。

キャンプインからシーズン終了までのさまざまな感情は、その都度書いてきて重複するので省きます。


ここからが主にわたしの感情です。

引退報道、引退会見を見て

やっとこの話題に進める。とにかく今シーズン、和田さんは細かいケガやコンディション不良が多かった。だから本当に、引退してしまうんじゃないかと気が気じゃなかった。というか球団が「来季構想外」を言い渡すんじゃないか、ということが何よりも恐かった。つい2年前、松田選手にそう告げたように。

今シーズンの成績は、どう考えてもお前らのせいだろ!!お前らが和田さんを蔑ろにしたからこんなことになってんだろうが!!それを来季構想外にでもしようものなら……(自主規制)というようなことを考えながら過ごした1年だった。

引退発表があった瞬間の感情については、前回書いたので省きます。本当に気が狂うかと思ったし、自分の中にあんなにも凶悪な考えが眠っていたとは知りませんでした。

引退会見の中で、7月ごろにはほぼ考えが固まっていたという話が出て、まずびっくりした。なぜなら、7月に和田さんへ生まれて初めてのファンレターを送ったからだ。とにかくモヤモヤとした日々を過ごしていたし、この頃は特に無気力だった。でも、ふと「そうだ、ファンレターを書こう。和田さんを信じているファンがいることを、きちんと自分の手で書いた文字で伝えよう」と思い立ち、7月23日にはその手紙を投函した。

奥様へいつ話したのか明確な日付はわからないけど、それまで21年間一度もしなかった「ファンレターを書く」ということを、まさか本人が引退すると決断したタイミングでしていたなんて。虫の知らせのようなものだったのかもしれない。だから和田さんが「7月には」と言ったとき、息が止まった。

もう体がボロボロだ、もうここまでで悔いはない、と本人が決めたのであれば、ファンはその意思を尊重する。和田さんがどんなに厳しいトレーニングの中で、どんなに果てしないプレッシャーの中で「プロ野球選手」として22年間現役を続けてくれたのかは、ファンとして知っているから。

でもやっぱり、年始のあれこれがなかった世界線の和田さんを見たかったよ。遅かれ早かれこの日が来ることなんてわかってた。いつかは絶対に訪れることだと理解していた。だからこそ43歳になるまで、第一線にいることを決して諦めずにいてくれた和田さんを尊敬してたし、感謝してた。和田さんの2024年が戻ってこないなら、せめて来年までやってほしいと願ってた。

ホークスファンの自我を手放すことについて

だから、その引き金を引いた現在のホークス球団が許せない。以前も「球団が無意味に和田さんの2024年シーズンを奪った」と書いたけど、本当に取り返しのつかないことをしやがった。もう応援できない。

そうでしょ。43歳で現役選手を続けるには心技体の充実が必要なのに、心が球団によって不用意に傷つけられ、それによって体が持たなくなったんでしょ。そうとしか思えないよ。そうじゃなきゃこんなに一気に不調が出ないよ。

和田さんを好きな期間と同じく21年間持ち続けてきた「ホークスファン」という自我を手放す。プロ野球は好き。ホークスにいる選手も応援はする。でも、自分自身を「ホークスファン」とは名乗らない。特定の球団を応援しているわけではない、ただのプロ野球ファンになる。なのでフォロワーもそう思って接してください。

そもそも、日本シリーズで負けたときに「ざまぁみろ!和田さんを蔑ろにしたからこんな無様に負けるんだよ!」という感情を抱いてた。それでも和田さんが所属するならと我慢して書かなかったけど、もう無理です。和田さんもいなくなるならこれをなかったことにして「ホークスファンです」なんて名乗れない。

はぁ……和田さん……………GMになってほしい〜〜〜〜〜!!!!!GMになって!!!!!監督とかコーチとか、雇われるような器に収まる人じゃない!!雇う人になれる!!球団を経営できるよ!!!!!

和田さんの言う「これから学びたいこと」が、これからの「やりたいこと」が、そういうことならいいのに!!!5年後でも10年後でもいい、GM・和田毅になってホークス球団に戻ってきて、今の強くて金がありゃなんでもいい球団を正してくれればいいのに!!ファンや選手のことをきちんと考える、「正しくて強いホークス」にしてくれたらとっても痛快!!そのときはわたしも、堂々とまた「ホークスファン」を名乗るよ!!!和田さんならできるよ❤️それだけの器も人望もあるもん!!!!

もうホークス球団に関わらないでくれ、こんなクソ球団見捨ててくれって思ってたけど、「和田さんがGMになればいいんじゃん!!」って気づいたら突然元気が出てきた。完璧じゃない?GMというポジション、どうやってなるのか知らんけど和田さんならなれるでしょ、石井一久でもなれるんだから。(突然のdis)

前日の現役続行という「誤報」の意味

和田さんは『自分にコントロールできることにだけ集中して、それ以外のことは仕方がないと潔く諦める』という考え方を持っている。もしかしたら、わたしが心配するよりも誹謗中傷など『自分では防ぎようのないこと』にそこまで思い悩んだりしていないかもしれない。そうして『自身ではコントロールしきれなくなった体の不調』について諦め、次の目標に切り替えたのかもしれない。

本人は、自分にコントロールできるところだけ必死に頑張って、しがみついて、でもどうしようもできなくなったから引退した。その証拠に、最後の最後に自分で完璧に情報をコントロールして、誰にもリークされずに公式から引退発表をしてみせた。

前日に出た現役続行の記事はなんだったんだ。それは、「本人が言っていないことを、メディアが勝手に誤報した」だけ。ふふっ!自ら完璧に情報コントロールして、多数のメディアに『誤報』させた推し、かっこいい!まるで年始にあったあれこれに対する意趣返しのようですね!ヒューヒュー!

そりゃ、わたしも年始のアレがなければさすがに「そ、そりゃないぜ…なんで最後にぬか喜びさせたんだよ…」って複雑な気持ちになったと思う。でも聡明な和田さんが無意味に「シナリオ通りに隠し通せた」なんてこと、しないでしょ。いくら「引退試合はしたくない」「自分のキャリアにお情けの成績を加えたくない」という思いがあったとしても、あんなふうに『誤報』となることをさせたりはしないよ。各社に『誤報』させたのが本人の思惑通りなのであれば、そこにはなんらかの意図があるはず。

最後に

ま、ほんとのところはわかりません!わたしはただのファンで、彼の本心を見せてもらうことはできない遠い存在なので!さみしいなぁ!悔しいなぁ!だけど、だからこそ和田さんが22年間作り上げてきた「プロ野球選手・和田毅」という作品から、こういう前向きな、自分の溜飲を下げられる解釈ができます!彼が見せてくれていた「完璧なプロ」の顔があったからこそ、こうやって解釈できます!

ありがとう!ずっと完璧なプロ野球選手でいてくれて!人生の半分以上、わたしに夢を与えてくれて!本当に22年間、お疲れ様でした!!

そしてこれからも、新しい夢を見せてくれることを楽しみにしています。和田さんの新しい人生を応援し、祝福しています❤️これからもずっとずっと、わたしの人生の推しは和田毅です!大好き!!!!

@tndr215
なまえ・ジャンル:ふらみんちゃん(17)ところにより天瀬ちゃん おしゃべり大好きオタクです Amazonのリンクはアフィリエイト! bento.me/tndr215