開催中のmillsageのイベントストーリー「お願い、サイドスロー」を読んだ。時系列的にはメインストーリー20話の後のエピソードで、「もう全バンド20話までは読んでるよな?」の圧が強い。家団の方も読んでおかなきゃ……
メインストーリーは全員のキャラ紹介を兼ねていたものの、あくまで蛍さん、そしてまほろさんの視点が中心だった。その話の中で幼馴染としてまほろさんに寄り添っていたのが、琴平凪さん。彼女も彼女で臆病さが垣間見え、何かを抱えていそうな雰囲気だったが、その凪さんが今回のイベントの主役だ。初イベントからいきなり重そうなところに切り込んでいくなぁ。
メインストーリー20話では爆弾が設置されたものの、他のメンバーにはそのことは一切伝わらず、millsageは表面的には順調(それもそれで怖いて)。バンドとして彗星ライジングに向かっていくが、頑張っても仕方ないと考える凪さんは周囲と温度差がある。そんな中で凪さんの姉が登場し、その姉が彼女の考え方に大きく影響を与えていたとわかってくる……
今でこそ大人びた服装の凪さんだが、幼少期は幼馴染の中でも年下らしく、内気寄りの性格だったという描写が入る。姉とお揃いのポニーテール、良すぎます。姉の挫折を受けて、自分がもしそうなったらと思うと恐れてしまう凪さん、高校生まで成長しても心の内はずっと妹っぽいというか、幼さを抱えているように見える。
現在に戻って、まほろさんは凪さんの様子がおかしいことに気付き始める。クラスメイトでもある朋花さんに相談するのだけど、「私と凪さんは、仲良しこよしの1年ズですが」って表現がやかましすぎて好き。朋花さんの「器用そうに見えて、不器用な人」という評は的を射ていて、ずっと傍にいたまほろさんよりも本質な部分を理解しているのが何とも皮肉。一年ズ、別に仲は良くないけどそれ故に互いを理解し合えている……?
練習中、演奏についてなつめ先輩に詰められる凪さんの手を取って走り出してくれるまほろさん。成長して凪さんが守る側(まほろナイト)になったはずだったが、今だけは過去に戻ったようで。まほろさんは優しさから「辛いなら凪ちゃんはバンドを辞めても大丈夫」と切り出すが、それが却って凪さんの心を打ち砕いてしまう。こういう、誰かの優しさが必ずしも良い結果には繋がらず、むしろ悪い方向に進んでしまうような話の作り方がmillsageの色な気がする。やや悪趣味でもあるけど、それ故に目が離せない。
凪さんはバンドに残って努力するのか、まほろの元を離れるのかを思い悩む。悩んだ末に、かつて幼馴染と姉との「水切り」を思い出し、その結果に委ねることとする。タイトルの「お願い、サイドスロー」だ。その結果を受けて自分の気持ちに気付いた凪さんは、バンドを続けることにする。ただそれは何も前向きなことではなく、凪さんの心は晴れることもなく、ただ「よりマシな地獄」を選ぶ、という形で。表面上問題は解決したように見えるが、凪さんは「自らの終わり」を見据え、目のハイライトを消して、このストーリーの幕は閉じる。時限爆弾設置しただけで、何も解決してない!!!!
アナザーストーリーでは2つのエピソードがあった。凪さんが今のような大人びた服装をし始めた話と、蛍の眩しさを感じる話だ。前者は、春から中一の凪さんが店員さんに大学生に間違えられたりする。身長何cmあったんだろう。「おへそが見えてる」「凪がグレちまった」と騒ぐ2人の幼馴染が微笑ましいね。
後者では、地味に朋花さんに姉がいるという情報が明かされる(自分が見逃がしてなければ初出?)。凪さんと朋花さん、共に大人びているけれど、まだ1年生で、姉がいて、行動原理も案外ピュアというのが共通してていいコンビだ……