はじめに
ここから読み始めた人でもわかるように、毎回記載します。
自分には漫画でこのシーンが来たら一気読みすると決めている漫画がいくつかある。そのうちのひとつ、「その着せ替え人形は恋をする」で五条新菜くんと喜多川海夢さんが付き合ったので一気読みしました。というか、言葉に表せないくらい凄くよくて一瞬で4周したし同じシーン何度も読み返したりしました。あえて言葉で表すと汚ねぇ声になりそう。
全部読んでいろいろと思いがあったので吐き出すような感じで感想を書きました。量が多いので物語の区切りごとに分割しています。
次:まだ
というわけで、つらつらと感想です。お付き合いいただければと思います。
想い
のんちゃん
まりんちゃんが次のコスの話を持ちかけると雛祭りまでイベントがあるので新菜くんと一緒に見に行く流れに。でもチャット打つ姿や歩いて話をしている姿はどこか距離感がある感じ。吹き出しなしで語られる想い、主語がないので誰が思っているかわからないですが、個人的には交互または同じ思いを持っていたのではないかと思っています。「きかなきゃ」と思うまりんちゃん、「ちゃんと話さないと」と思う新菜くん。「でも今はせっかくきたんだから」と、お互いに「笑わないと」と思う。本当に表面上だけ仲良くしている感じ。見ていてちょっと辛いところーーー本当に冷え切った感じなのが不安感をあおりますね。
そこから将来の話。新菜くんは頭師になるために工房に入り、早く雛人形をつくっておじいちゃんが元気なうちに見せたいと。特に両親が亡くなった後のおじいちゃんの行動に感謝しているので、孝行したいという気持ち。一度両親の死を経験しているからか、おじいちゃんが死んでしまうところも頭に入れているのは新菜くんらしいかもしれないです。
まりんちゃんの将来を聞こうとした矢先、従姉妹から連絡がありお隣に住んでいたのんちゃんが帰ってきていると伝えられます。のんちゃんって誰?と思ったら着せ恋の一番最初で雛人形が好きな新菜くんを気持ち悪いといった女の子です。五条人形のショールームでのんちゃんとそのお母さん、新菜くんとまりんちゃんで顔合わせです。なんとのんちゃんはこっちでまた暮らすことになったとのこと。新菜くんはちょっと拒否反応でてるっぽい感じで顔が引きつってるし、のんちゃんはなんか気まずそうな感じで目を合わせない。こっちもこっちで気まずそうな感じ~~~。
のんちゃんのお母さんから新菜くんの将来の話とかがでてきますが、頭師になるには凄く練習が必要で1日最低3時間もやらないといけないとか。最近はできていないときいてまりんちゃんが”私がコス衣装を依頼しているから”と感じてしまいます。まりんちゃん以外みんな雛人形のことを知っているのでちょっと気まずい感じ。
そこからまりんちゃんはバイトがあると嘘をついて帰りますっていって帰るまりんちゃん。帽子を突然目深にかぶって「バ バイト行かないとでした」という感じが、もう涙がこぼれ落ちそうな感じだったのかなー。まりんちゃんは自分のせいで新菜くんの夢を奪ってしまっていると感じたのか、それとも他の感情なのか、個人的には言語化できないくらい複雑な感情と悲しみが渦巻いてた気がしています。そして家について玄関で泣いてしまうまりんちゃん。
多分、この瞬間にまりんちゃん自身は失恋したと思っているのかなと。のんちゃんという、まりんちゃんから見たら雛人形のことを理解していて自分より新菜くんにふさわしい人なんだって思っちゃう気がします。さらにまりんちゃんはのんちゃんが新菜くんのことを気持ち悪いといった人という情報はこの時点ではないので、新菜くんだってのんちゃんと一緒にいたほうが幸せと思ってもおかしくないです。
そんなのんちゃんの回想シーン。新菜くんが両親を亡くして少しの頃のお話。新菜くんはちょっと塞ぎ込んでいて、夜中も泣いてしまう模様。そんな大人の会話を聞いたのんちゃんは、ぱくもぐという番組に関連した本を毎回新菜くんに読み聞かせています。しかし、新菜くんは塞ぎ込んだまま。新菜くんのおばさんはのんちゃんが本を読んでくれてきっと嬉しいと思うと伝えると、のんちゃんは嬉しそう。
そこから、新菜くんはおじいちゃんのところにある雛人形に一目惚れ。おじいちゃんと一緒に暮らしたいということで、新菜くんはおじいちゃんの家にお引っ越しすることに。のんちゃんは顔合わせでおじいちゃんの家に。雛人形を見ている新菜君に「ぱくもぐが始まるから行こ」と声をかけるのんちゃん。しかしお雛様みたいからと来てくれない新菜くん。のんちゃんはいままで本を読み聞かせていたのに振り向いてくれなかったのに、雛人形には振り向いてくれる新菜くんに涙を貯めてあの「気持ち悪い!」のセリフ。あのシーンはこういった背景があったんですね。
読み返してみると、1巻冒頭の「気持ち悪い!」のシーンで、のんちゃんは泣いているんですよね。気持ち悪いって言われるまでの過程が明かされた時であり、新菜くんが立ち直りかけているところで言われた言葉だからすっごく記憶に残るのはそりゃそうだー。でも、個人的にこれだけ精力的に新菜くんに関わっているし、のんちゃんじゃなくて雛人形を選んだことをのんちゃんは嫉妬したんじゃないのかなと思います。自分がやったことに対して他の行為のほうが新菜くんのためになってたんだっていう嫉妬心で、恋心とはちょっと違う嫉妬心。
新菜くんとのんちゃんの後悔
まりんちゃんと新菜くんの関係は冷え切った感じ。お互いにすごく距離感をとっていて、でもお互いどうすればこの状態から脱せるのかわからないような感じ。のわちゃんがカラオケで歌っている歌詞がまんま二人の状況を表しているのがわかりやすくていいね。でもね本当は。
新菜くんは町中で手芸屋さん店員の宇佐見さんに遭遇。そこからちょっとした人生相談タイム。嫌なコトって忘れられないのは本当にそうだよね。ここでは宇佐見さんの進路の話だけど、否定されたことよりも「それでもやりたい」と自分の思いをぶつけなかったことを後悔していることで鮮明に残っているとのこと。
確かに嫌なコトを鮮明に覚えているけど、なんで覚えているかって深掘りは少なくとも自分は怖くてしてこなかったけど、そのときの自分の気持ちを伝えられたかってのは一つあるのかもな~。ベストを尽くせずに失敗して後悔しているってのは結構あるかも。自分の気持ちをちゃんとぶつけられなかったから、いつまでも過去に囚われてしまうんだろうってのは、人生の先輩からの言葉として十分すぎる内容だな~~~。
新菜くんがおうちに帰ると玄関前にのんちゃんが。お互い緊張している感じだけど、新菜くんから口を開いて雛人形が好きだって気持ちを伝えてる。過去のトラウマに向き合って、今の想いをぶつけるのは本当に勇気が必要な行為だと思う。
のんちゃんも同じように嫌な記憶として残っていて、これをどうしたいのかが分からず頭の中がゴチャゴチャになってる感じが伝わってくる。謝ってどうなりたいんだろうって考えているあたり、すごく過去と向き合ってる感じ。きちんとケジメをつけようとする姿勢や、ただ自分が楽になりたいだけかもって気持ちもあるって本音でぶつけている姿勢がすごく好印象でした。それに、のんちゃんの回想で悪意があるというより嫉妬心で嫌いって言ってたって分かったので、少し哀しくも思えました。
玄関でのんちゃんと新菜くんで少し会話。「自分が役に立ってるーじゃないけど元気付けられてるって勘違いしてたんだよ・・・」はそりゃ幼ければそうだよなーとも思うし、そこにごめんって言える強さは凄いと思う。これで一つのわだかまり、そして新菜くんの心の奥にある「雛人形が好きな自分は否定される」ってところが解消されたのかなー。もう自信をもって自分の好きを言える状態だ~~~。コノシュンカンヲマッテイタンダ!!
新菜くんの想い
宇佐見さんに自分の思いをつたえなかったことや、のんちゃんとのわだかまりを解消した新菜くん。じゃあ新菜くんの想いはということで、天命を読んでいるシーンで、”本当の自分がどちらなのか分からない”の文字がアップででます。新菜くん自身、コミケで自覚した嫉妬している自分って本当の自分だったのか理解できていないのかなと感じました。
それから新菜くんはまりんちゃんに電話してみるも出てくれないので、まりんちゃんのおうちにおしかけ。行動力すごくなったな~。次の衣装の話を聞きそびれたのでどうしたの?と聞いたらもう衣装お願いしないの一言。余談ですが、ここで話が切れるので、連載で読んでた人たちは気が気でなさそう。しかもほぼ隔週連載だから2週間モヤモヤした感じですごしていそう。連載のリアルタイムあるあるですね~こういうの逆にライブ感あって好き。
衣装をおねがいしない理由を新菜くんが聞きますが、「どうもしない」「お雛様の練習する時間がなくなって」「迷惑なら言ってくれればよかったのに」と、すごくネガティブで拒絶している発言。新菜くんは新菜くんで、「なんでそんな言い方するんですか」といっちゃう。なんだ痴話ケンカか???
新菜くんの「感謝しているんです」に対してすっごく怒った表情で「じゃあなんで冬コミの時あんな顔してたの!?」と言い返すまりんちゃん。太文字で書いてあって力強さを感じます。それに対して言葉が詰まる新菜くん。
そこからポロポロとこぼれ落ちる想い。コミケのときにペンで消したような感じで押し殺した感情がはっきりと見える。自分は好きなことを否定されて傷ついたのに、まりんちゃんの好きなことを否定してしまって。だけど、自分の思いがこぼれ落ちてくる。止まらない想いに、過去の自分と立場が逆転した形で同じように言ってしまう。それだけ大きな嫉妬心。思いたくはなかったけど止められない想い。白く透き通ったイメージでまりんちゃんのことを鮮明に思い出すほどに。
嫉妬していたことと、まりんちゃんが好きだってことを言葉で伝える新菜くん。そんな自分が嫌いになる新菜くん。
そこから胸ぐらつかんで、押し倒して、馬乗りになって、いままでの想いを全部吐き出すかのように好きって伝えるまりんちゃん。好きで好きでたまらなくてやきもち焼いてあんな顔してたんだってわかったらそりゃ𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬だよな~~~~。本心が分かれば、そんなにまりんちゃんのコトを好きな新菜くんのことらあふひ♡になるよ~~~~!!!!
前からこんなんじゃなかった?
すれ違いが解消されたどころか相思相愛わかって付き合うことになったまりんちゃんと新菜くん。のんちゃんの過去のことやコミケ帰りの表情のことなんかを話して、お互いの距離が離れていた時間のことを話しています。距離感ゼロになってうれしい~~~~。
そしてめちゃくちゃベッタベタなまりんちゃん。前からこんなんじゃなかった?って言ってるけど、読者としてはずいぶん前から気持ちはベッタベタだよ~~~~~!!
まりんちゃんのコスに対する想いも明確になりつつあり、みんなに見てもらいたいじゃなくて、新菜くんにつくってもらった衣装で好きなキャラを演じて新菜くんに褒められるのがイイって、熟年夫婦かよ~~~~。もう付き合っちゃ・・・付き合ったんだった!!!ヒュ~~~~~~
まりんちゃんからどのコスが一番良かった?と聞かれて、新菜くんがまっさきにイメージされるのがコスしていない素のまりんちゃんってのも凄くいい。いつからだか分からないけど実はずっと好きでしたって本当にいいね~~~。そして恥ずかしがりながら「綺麗です」の一言。首筋から耳までまっかっか~~~~。これにはまりんちゃんも大満足なのそりゃそうだ~~~。
家に帰るまでがお付き合いです
一通り話ができたので、おうちに帰る新菜くん。まりんちゃんがまだ帰らないで~~~という感じで引き留めるのもいいね~~~。高校生で付き合い始めでかつ相思相愛なんだったらこんなかんじだよね~~~~ずっと一緒にいたいし同じ時間をすごしたいよね~~~。バイバイしてから隣にいるってのも結構あるあるな感じ~~~。こういうところでポカポカ気軽になぐっちゃう関係なのってすっごく長続きするぞ~~~。
電車の中でまりんちゃんと付き合ったんだってかみしめるのと同時に、じいちゃんの前でも・・・なんておもっちゃう新菜くん。いやでも、じいちゃん付き合ってると思ってるし、まりんちゃんのお父さんも付き合ってるとおもってるんだぞーーーー!!!外堀はずっと埋まってたのきがついて!!!!
あとがき
まず、新菜くんはのんちゃんとの過去が清算されました。まりんちゃんとの関係性が悪いタイミングできたか~という感じと、年始に引っ越しの挨拶でってのはタイミング的にちょうどいいよな~。
そして、のんちゃんはのんちゃんで苦しんでいたってのも印象的でした。もともとどういった文脈で嫌いっていったのかは全然わからなかったのがようやく明かされたので、この状況ならそうだよな~という感じ。
そして、ついにまりんちゃんと新菜くんが付き合いました🎉🎉🎉🎉🎉🎉
個人的には新菜くんが嫉妬心に気がついて、まりんちゃんのことが本当に好きなんだって気付いたことと、好きなことを堂々と好きと言える状態になったので、ようやく付き合えるようになった~~~からの即告白タイムでスタンディングオベーションでした。
もし、新菜くんが嫉妬心とかに気付かず、まりんちゃんのことが好きってことを認識していなかったら、まりんちゃんから告白されても絶対に負い目を感じて、”自分なんかが釣り合うのだろうか”とかいって距離とりそうだったので、ちゃんと好きって気持ちに向き合った状態で告白したのは本当によかったです。そしてまりんちゃんの𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬...
新菜くんがまりんちゃんのことをいつから好きになっていたのかとか、嫉妬心が実はすごいとかは、ちょっとめぞん一刻の響子さんに似ている気がします。あの人もいつから好きだったかを内緒ってこたえちゃうし、物語の終盤はすっごいヤキモチすぎて周りが大変でしたからね。終盤のこずえちゃんの立ち回りなんかはかなり刺さるのもある。そういや、めぞん一刻の主人公は五代くんでしたね。同じ五つながり。
タイトルも回収して付き合い始めたのは本当に良かったですが、この後の展開はどうなるかはわかならいですね~めちゃくちゃ楽しみ。
個人的にはそのまま年代ジャンプしてまりんちゃんと新菜くんの娘にコスプレさせて親子コスとかでもいいと思うし、娘を着せ替え人形にしてしまうのもアリかなとは思います。でも、今のメンバーでずっとなかよくも見ていたい~~~。プロの誘いとかを断りながらプライベートとしてコスをやっていくところや、コスで広がっていく友人の輪とかを見れるとうれしいよな~~~~。本当にこの後の展開が楽しみ~~~~。
付き合うまでの感想はいったんここまで。この後は新刊とかでたら感想かこうと思います~。長々とお付き合いいただきありがとうございました~。