先日、以下の記事を書きました。
上記の記事で言いたいことは、「肩書き」はそのまま役職のことで「コトに向かう」とは目標志向で集中することで、役職で仕事の領域を定義(限定)するより目標達成に必要な仕事の領域を定義(拡張)したいということでした。
この記事では「役職より役割」とそのために必要なことについて説明します。
役割・職種・役職とは
まずはここでよく出てくる言葉の定義を確認します。
役割とは、割り当てられた仕事です。仕事における役割を職務とも呼びます。
職種とは、職務を遂行する人を一言で表すラベルです。
役職とは、主に組織を管理する職務を遂行する人を一言で表すラベルです。
なぜ職種や役職が必要なのか
複数人で仕事をする際に役割分担しますが、お互いにどんな役割を担っているかを認識することで効率的に仕事をすることができます。その際に役割に名前がないと役割自体を何度も具体的に説明しなければならず効率が悪いので職種や役職という役割を一言で表すラベルを使用してコミュニケーションコストを下げています。
職種や役職が役に立たないとき
職種や役職が役に立つためには、職種や役職というラベルによって役割の認識が揃うことが必要です。これは相手のやるべき領域だろう、これは自分の領域ではない、という役割期待の不一致が発生すると年老いた組織のように誰もやらない領域が発生します。(図: 技術の創造と設計より)
職種に対する役割期待は比較的具体的であるため認識のズレは発生しにくく、発生してもメンバーレイヤーであるので大きな問題にはなりにくいです。そのメンバーの評価・フィードバックの際にズレは修正されやすくなっています。
しかし、役職に対する役割期待は抽象的であるため、認識のズレは発生しやすく、ズレ自体も認識しにくくなっています。役割期待の認識のズレによる問題を認識したときにはマネジメントレイヤーであるので比較的大きな問題になってしまっています。
役職より役割
役職が役割を一言で表せずに認識にズレが発生し、コミュニケーションコストを下げるどころか問題を発生させるなら、役職はその機能を果たしていないと言えます。
それであれば役職より役割で認識を合わせよう、というのが主題です。
期待役割を明確にして期待値を調整しよう
前提が長くなりましたが、主張したいことは「期待役割を明確にして期待値を調整しよう」ということです。どんな役割を期待するか、自分はどういう役割を担いたいと思っているか、というのをお互いが明確にしましょう。
メンバーレイヤーでは「頑張ってほしいこと」や「頑張りたいと思っていること」を明確にして期待値調整することでパフォーマンスの最大化に繋がります。マネジメントレイヤーでは超人が如き役割期待を調整して妥当な期待役割を設定できるでしょう。期待役割を明確にすることで評価・フィードバックもより効果的なものになります。
まとめ
認識の揃わない言葉を使うのをやめましょう。
認識を合わせましょう。
期待値を調整しましょう。