流れてきた動画の中で、イチローが「今の時代は誰も自分に厳しくしてくれない。自分に厳しい人とそうでない人はこれまで以上に差がついていく」という話をしていて、本質だなと思った。
自分もほとんど同じように感じている。他人に厳しくすることのデメリットしかないという話を以前にも書いた。
身内に対して厳しくしようと思っても、自分の子供ですら、厳しく接するのが難しい環境と感じる。
周囲の厳しさのスタンダードが低くなっていくので、高い強度を子供に直接反映してしまうと、子供側のリアクションがかなり大きく意図した効果が得られない。
すると、自然と指導の際は自発性を促すというアプローチに集約していく。選択肢が絞られるので、正直、自分は行動を変えたり、変えることを試させてみるのが難しいと感じる。背景には、自分が受けてきた指導とは明らかにパラダイムが違うこともあるだろう。
結果的に自発性を促すアプローチで一番効果的なのは山本五十六「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。
ただ「やってみせる」のは実は一番カロリーが高い。結果的に本当に動かしたいと思える相手にしかこのアプローチは使わない。自分の子供や、近しい人であればもちろん「やってみせる」を積極的に取り入れるが、赤の他人であればそこまでに至るケースは少ない。
他人が自分に無関心になるほど、自分自身の厳しさが重要になる。
自分の中に毒を持て、とは岡本太郎の言葉だが、この言葉が作られた数十年前より、現代のほうが重要性を増しているように感じる。
※少年野球の指導と、日々の仕事のなかから考えました。