僕は「何を目指しているか分からない」「何がしたいか分からない」にぶつかったとき、止まってしまう。「分かってから行動しよう」「分かるまで待とう」と考え、動きが止まる。
でもおそらく、例えば写真に関していうと、「どういうものが撮りたいか分からないから、それが分かるまで撮り始めない」よりも、「どういうものが撮りたいか分からないからこそ、分からないままとりあえず動き始め、動いていれば徐々に何かが見えてくるだろう」という思考・行動パターンの方が、「分かる」「見える」への近道なのだろう。
自分が止まっていても、時は流れて周囲は変化するから、その変化をきっかけに何かが分かり、動けるようになる、という順序の場合も沢山あると思う。同時に、何を目指しているか、どこに向かっているかよく分からなくても、目の前に少し気になる道があって、動けそうな気力があるなら、まずは徐々に動き始めることで、より視界が広がって、「あ、こっちじゃなかった」とか、「うん、もうちょっと奥まで進んでみよう」とか分かってくるんだと思う。
とにかく手足を動かすって大事だなって思うから、よく分からないまま、よく分からない写真を自由気ままに沢山撮ってみようと思う。ゆっくりと自分のセンスが磨かれ、自分のスタイルの輪郭を掴めるようになるかもしれない。そんな風な気概で、今日もよく分からないけどちょっと気になった風景、物事にレンズを向けて、雨が降り始めるまで、数十枚撮った。