過去に「嫌いを突き詰めても創作活動においてメリットは無い」「好きを突き詰めてこそである」という話をした。
僕は「好き」の言語化ができず、「嫌い」ばかりが思いつく人間で、だからこそスランプに陥ったのだと結論付けた。
そして数ヶ月後、本屋にて「プロフェッショナルゲームプランナー」なる本を見かけた。
何の気なしにパラパラめくっていたら、こんな頂を見つけた。
「こういうものを作りたい」「こういうものが楽しい」というのは作り手のエゴになってしまいます。「良い」という感覚は個人的な好みで、賛同する人もいれば「そんなに良いですかね?」と首を傾げてしまう人もいるのが当然なのです。
(中略)
「こういうゲームが面白いんじゃないか?」より「こういうゲーム無いよなあ」とか「こういうゲームのこういうところが気に食わない」と思うことの方が多くありませんか?実はその通りで「良いな」と思う感覚より、「良くない」と思う感覚の方に説得力を持ちます。
P106~107
不満に焦点を当てなければ、「失敗する確率はかなり高い」とまで言っており、とにかく好きではなく不満にフォーカスしろと強調している。
なんてことだ……ワイは正しかったのか。
念のため補足しておくと、この本はゲーム会社に勤めている人向けの内容である。
インディーゲームは「好き」を押し付けるエゴが許される業界であり、必ずしも当てはまるわけではない。
しかし、「嫌い」をスランプの理由とし、悪として避けていた僕からすると、この本はまさに渡りに船だった。
悪癖として20年近く続けていたゲームの粗探しが、企画の種だった。
やはり、「嫌い」こそ僕の創作活動の源である。
現在、企画をダラダラと記事に分けて練り上げている最中だが、引き続きこの本を読みながらまとめていこうと思う。