横田泰広の個人的な取扱説明書。Stripe元COOのClaire Hughes Johnson氏が公開していたWorking with Claire: an unauthorized guide にインスピレーションをうけて、個人的なスタンスや考え方を公開したものです。今後はこちらをマスタにします。
※転職して間もなく作成したもので、所属企業の慣行を示唆するものではありません。
コミュニケーション・態度
相手によって態度や言うことを変えたくないです。基本的に年下でも敬語です。
はっきりさせるのかはっきりさせないのか、はっきりさせたいです。
ローコンテクストで通用するコミュニケーションを好みます。
機嫌いつもいいつもりでも機嫌悪そうって言われ時があるので気をつけたいです。
基本的に遠慮しないで接してほしい。たとえば自分への相談が多すぎるとか・負荷が高いなどでも、自分で対処行動をするだけなので、基本的に情報や仕事が多い分には越したことがないと捉えます。
基本的に(相手にとって)必要な返信は必ずする主義です。スタンプだけで済まさないようにします。できてない時は気づいていないか余裕がないかです。返すべきものは時間が経っても返したいです。
知識・情報
わかるところに書いていないことは存在しないのと同じだと思っています。
たとえ経験した事があるようにみえても、毎回学び直して取り組む意義があると考えます。
効率化・プロセス改善
効率化できるものは極限まで効率化していきたい。その上で、クリエイティブなプロセスに時間を割きたいです。
マクロにもミクロにもめちゃくちゃマルチタスクで生きてます。
組織・成果
成果は個人より組織で出していくもののほうが大きいと思っています。
デザイナーこそ言語化やアカウンタビリティを突き詰めるべきと意識しています。
あらゆる物事には、メリット・デメリットどちらも考えうるのが当たり前。デメリットがある、で行き詰まるのではなく、ファクトをふまえてスタンスを組織的に選択して進めるための議論をしたいです。
仕事の文脈では基本的にレベルが高い方に寄せて考えたほうがよいと思っているので、できる・できないは、まずはできるようにするで考えます。
書いた記事
過去にマネージャーとして受けたことのあるフィードバック
個人的に360度評価や個別にもらったことのあるフィードバックです。
特に気をつけたい
事実だからとはっきり表現しすぎ
機嫌悪くなくても機嫌悪そうな時がある
仕事まきとりすぎ
完璧を求めてるのか、ゆるくていいのか分からない
質問に質問以上の意図がありそうで怖い → ないです
場合により意識したい
会議延長しがち - 最近は自分が忙しいので短いです
漢字多すぎ・文量多すぎ
水準高すぎてついていくことが大変
(他部署から)ロジカルに固めすぎ・異論を挟む余地がなさそう
早口で一気に話しすぎ
マネージャーの役割
以下のフレームワークを強く意識しています。マネージャーの仕事は、組織が時間を経るごとに成長することを推定して、業務の執行・メンバーのポテンシャルの活用・メンバーの能力向上・全社的観点での連携の促進をおこなうこと。マネージャーの評価基準(シート・動画付き)|長村禎庸@EVeM
一貫性
あまり万人に慕われるタイプではないですが、マネジメント行動として一貫性はこころがけています。 ここでいう一貫性には色々ありますが、以下の3つです。
言行一致であること: 宣言や約束はきちんと守ります。
公平無私であること: 関係性によらず人によって基本的な態度を変えない(苦手なことでもあります)
判断基準を変えないこと: もちろん変えるべきときはあるので、変えるなら変えるで宣言していきたい。
一貫性といっても、物事の基本スタンスは柔軟にすべきことは柔軟に、固定するべきものは固定するということを区切っていきたいです。
公平無私をあげましたが、組織図上どうあれ「部下」「上司」という観念が希薄ですし、言葉として外でも使いません。役割が分かれているだけの認識です。
関与度合い
重要なことは基本的に言っていくので、若干マイクロマネジメント気味に映るシーンがあると思っています。幅広い仕事に現場知識をもっているので、幅広いことにこうあるべきという考えをもちがちです。
決め方・任せ方を決めていくの大事。
一義的な理想として、個別具体的な物事の判断能力は「その領域に最も多くの情報と情熱をもっている人、つまり担当者」が一番高いと考えていきたいです。
日常的にある判断としては、論理的に導かれるべき問題と、キメの問題「攻めるか・守るか」「さっさとやるか・ちゃんとやるか」があると思っています。キメの問題こそ、誰が決めるか・どうやって決めるかが決まっていれば、関与のトラブルは防げると思っています。
関与範囲
立場や部署を飛び越えたコミュニケーションを積極的におこないますし、強く求めます。デザインの仕事にはデザイナーだけで完結しないためです。
特に「このメンバーで話し合っても建設的な解決に結びつかない」ような状態は、すぐにコミュニケーション範囲の変更で解決するべきだと考えています。
組織に起きる、遠慮による消極性を減らしていきたいです。
論理 vs 直感(コミュニケーション編)
デザイナーとして、極めて論理的な思考とコミュニケーションを重視しています。これは、業務に限らずデザインの仕事全般にわたっていえることです。しかし、それは感性を軽視しているわけではありません。直感的な表現や思考が有効な場合も多いことを理解しています。これは論理的な考え方の一環であり、ビジネスコミュニケーションやデザインに関わる多くの事柄を扱う上で、論理的思考を基盤としつつ、直感も重要な実行アプローチの一つとして位置づけています。
このような傾向は、
新卒で非デザイナーとしての経験、フリーランスとして多くのスタートアップ経営者との仕事、ビジネススクールでの学びなどから来ています。
また、デザイナーがクリエイションのみに特化しているという固定観念に対する危機感も感じています。
周囲に対しても、アウトプットにおいては論理的思考や言語化を求める傾向がありますが、それはすべての人が論理的思考に長けているべきだと考えているわけではありません。仕事上、論理的なコミュニケーションは引き続き重要ですが、デザイナーの思考回路は理解しているのである程度ざっくりしたコミュニケーションをしてもらえればだいぶ分かります。
抽象的な物事を扱う職能であるため、「わからない」「なんとも言えない」という反応も受け入れています。そうした状況からも、良い問いかけが生まれることがあると考えています。
論理 vs 直感(デザイン編)
デザインにおいても、基本的に論理的です。可能な限りあらゆるデザインに理由付けを目指していきます。ただし、デザインのプロセスにも、ユーザー体験にも直感は重要な役割だと思っています。論理的にな考えとして。
評価・目標
評価制度の運用は、上位組織の形態にしたがっておこないます。
評価・目標は形骸化させず、しっかりやりこんでいくタイプです。
目標・評価には納得感が大事。次の要素によって形成されると考えています。
基準がわかる、
立脚した事実がわかる、
なぜがわかる、
望ましい状態への道筋がわかる、
認識をすりあわせる
評価者にはさまざまなバイアスが生じうるし、得ている情報の偏りがあるため、必要に応じて客観性を担保するためのOptionalな手段を考えていきたいと思います。
厳密な評価運用を毎期毎期おこなうにはコストがかかるし、上記納得感に対するクオリティに揺れが生じるので、なるべくフレームワーク化していきたいと思います。
基本的に、半期などのタイムボックス内にやると決めたことは、やる意義がなくなったような場合以外は、無理やりねじこんでいきます。
会議
基本的にあらゆるミーティングは準備されるべきだと考えてる。ゴール・物事を前進させるアプローチ。
話し合ってやるべきこと・誰かがたたきをつくっていくことを明確に意識して組み合わせる
文書主義
書いてないことは存在しないものとみなしているので、どんどん書きます
たたきをつくる人が偉い。そして、たたきの多くは文書で表現される。「たたき台」をつくる人が一番エライ - 株式会社フィラメント
同時に、文字には具体的に/正しく範囲や意味を指し示すことをこころがけています(かつ直感的にわかることも大事ですが)。
基本的に、自分のアウトプット・自分の関与する物事には、客観的に妥当性を説明可能である状態であることを強くこだわっています。
価値
デザインとアートの違いは「目的及び対象が存在すること」であると考えています。しかるに、デザインに関する活動も企業活動の中ではビジネスにおける価値で評価されるべきと考えています。
ビジネスにおける価値といっても、そのあり方や見え方は非常に多様だと思いますので、日々言語化を考えてます。
完璧 vs 途上
すべての物事はなんだかんだポジティブな方向に引き寄せられてると思っています。
物事を完璧に処理するか、中途半端に処理するかは、場合によってどちらも有益なオプションであると考えています。
コミュニケーション
前提
質問調でなにか聞くとき、端的に聞きがちですが、質問はプレッシャーを与えるためではなく知りたいことを知るためにおこないます。メッセージはメッセージとして伝えますので、もし質問がプレッシャーっぽく聞こえた場合は教えて下さい。
「わからない」「なんて答えていいかわからない」ときはそう答えてもらえたら助かります。聞き方の工夫の問題でもあるからです。
1on1
1on1は上司-部下の進捗のツメではなく、日常とれていないコミュニケーションをとる場として捉えています。
メンバーとの1on1:
一旦リラックスして話ができれば何でもよいと思います。一つのトピックや、雑談100%してもらっても構いません。
できるだけ、事前にアジェンダがあるとよい機会になると思います。
フィードバック
フィードバックは、ポジティブな状態をめざしておこなうもの。
私へのフィードバック: ギャップフィードバック含め、遠慮なくフィードバックしてほしいです。
メンバーへのフィードバック:
作法として、ポジティブフィードバックは文字で、ギャップフィードバックは口頭でおこないます。
人は状況によって変わるし、見え方も変わるものであるので、フィードバックの対象は個人ではなく行動です。ギャップフィードバックの一次的な受け止め方として、「自分は✗✗であるのか」ではなく、「自分は✗✗と見えたのか」「なるほどそういう視点もあるのか」というとり方をしてみてほしいです。
横田の場合、慎重になりすぎて、薄々感じてたことをしばらく後になってフィードバックしてしまうきらいがあります。後出しは特に評価に際しては納得感を生まないので、多少確信度が低くても、問いかけとして発言してみるように心がけたいと思っています。なるべく事実と認識を分けて扱います。
とはいえ、フィードバックを受けたい方法は人によって異なるので、それはそれで教えて下さい。
特定のメンバーにフィードバックが多くなりすぎないようにします。もしフィードバックが多く・少なく感じても、それは他のメンバーも同じぐらいの量だとイメージしてほしいです。
その他
カレンダーは当日までみないので、日程変更の旨は連絡不要です
ワークライフバランス
私自身は、仕事 = 生活 = 趣味, が溶け合ってるタイプです。
たくさん働く一本というよりも、休みをとって旅行することも仕事の一環と捉えてます。
周囲のワークライフバランス観には特に何も思いませんので、人並みに休んでください
飲み会
どちらかといえば少人数が好き
懇親会するの?しないの?という状況があったら、とりあえず開く。
2次会あるの?ないの?という状況があったら、とりあえず開く。
誘ってもらえれば結構行くタイプです
その他オピニオン
上の世代への恩は下に返す。
御用の向きは
話したい人は遠慮なく https://cal.com/y/meeting から日程をいれてご一報ください。
取材・登壇依頼は全オープンなので、紹介依頼含めてお気軽にどうぞ