ソフトウェアエンジニアのおっさんが長距離走る (失敗編)

zundan
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公開:2025/12/17

これは専門外の趣味を語る Advent Calendar 2025の17日目の記事です。この記事は筆者の経験に基づきますが、筆者は長距離走について専門的な教育や訓練などを受けたことはありません。

ゼッケンを配布していたJAL Honolulu Marathon Expo (Hawaii Convention Center)

よい歳になってしまったおっさん (とあるPasSのサポートエンジニア) は、若い頃を思い出して、久しぶりにホノルルマラソンを走ってみることにしました。前回走ったのはもう15年くらい前なんだねえ。2025年4月に、関税で物流が混乱するかもしれないと恐れて急いで靴と心拍計を買って以来、機会があればジョギングしていました。8月下旬に生活に変化があってより自由に時間を使えるようになって、平日はだいたい毎日ジョギングするようになりました。

さて、2025年12月14日の本番。4ヶ月弱の練習のおかげで筋肉や関節はほぼフルマラソンの距離に耐えてくれましたが、まさかの脱水症状で棄権。そんなこともあるんだ。

装備

ジョギングは膝に悪いので、走る時はジョギング用の靴を履きます。2足用意して、新しい方を本番用にして、天気の良い日には練習でも使って慣らしておきます。ホノルルマラソンのスタート前のトイレやゴール後の広場は草地です。雨が降った場合には土で汚れるので、汚れが目立たないよう、本番用は濃い色の靴と靴下にするのが良いかもしれません。雨の天気予報を知ってから気づきました。

ペースの管理と心拍数での体調の把握のために腕時計を着けて走ります。感覚は当てにならないので測定します。

自動車から跳ねてくるかもしれない小石や紫外線を避けるため、サングラスをかけます。

雨や日光をしのぐため、帽子をかぶります。

夕方ジョギングに出ると帰宅時には暗くなっていることがあります。自動車に見つけてもらうため、発光するベルトを腰に着けます。遠くから自分を見ることはできないので、どの程度効果があるのかを検証することはできません。本番は自動車通行止めの道を走るので発光するベルトは必要ありません。

マラソンを走るには体内に蓄積できる糖分は足りません。低血糖症になるとたいへんなので、1時間を越えて走る時には、走りながらエナジージェルを処方どおりに摂取します。手がべとべとになります。

今回は水分の補給が足りなかったようです。対策が必要です。

つま先の保護にワセリンを塗ります。

ホノルルマラソンは12月中旬の朝5時にスタートします。待ち時間に身体が冷えるので、ゴミ袋に首を出す穴を開けてかぶっておきます。スタート前に周辺のゴミ箱に捨てます。

準備

継続的に練習を始めてからは、平日にいちにち1時間ほどジョギングしました。毎日、走る前から身体が温まるまでは「めんどくさいなあ」と感じますが、ある程度心拍数が上がってからは楽に走れます。週末2日間の休息で、腕時計が推定する運動能力 (VO2 Max) が向上することもありました。

もう少し多く走れるという感覚を信じて距離や獲得標高を欲張り続けて、膝の筋の違和感が取れなくなったことがありました。10日ほど走るのをやめて回復しました。おっさんになってやっと、ジョギングのダメージは次のジョギングまでに回復する程度に抑えておく必要があることに気づいたのでした。

毎朝1時間ほどの散歩もします。低負荷の運動をすることでジョギングによるダメージの回復が促進されるような気がします。家で手持ち無沙汰な時には脚をマッサージして回復を促進します。

毎晩合計1時間ほど自重での筋トレやストレッチをします。マラソン後半では脚の筋肉は使い切ってしまうので、上半身の筋肉で腕をふりまわしてどうにか身体を前に進めることになります。ストレッチは回復の促進にも効果がありそうです。

本番

そんなわけで約15年ぶりにマラソンに出走しました。スタート直後は混雑のなかゆっくり進み、それ以降は普段の練習より少し遅いペースで進みました。走り始めて15分ほどで普段の練習よりも高い心拍数になっていました。

ときおり腕時計でペースと心拍数を確認して走り続けました。普段の練習ではトイレ休憩で心拍数が下がるのですが、今回は下がりませんでした。ここしばらくの寝不足が原因でしょうか?エイドステーションでなるべく水を飲み、処方通りにエナジージェルを摂取しました。トイレにも積極的に立ち寄りました。

ハーフマラソンを過ぎた頃から、眠気が強くなり、両手に軽いしびれを感じるようになりました。腕時計でペースを維持しつつ、水とエナジージェルの摂取を続けました。

が、気づくと路肩に横たわって沿道の方に経口補水液をいただいていました。腕時計の記録では38.9km地点に居たようです。警察の方に心配をおかけしつつ救急の方に脈拍を確認してもらい、救急搬送の必要は無いとの判断でトイレまで連れて行ってもらい、しばらく休憩してから歩いて宿に戻りました。若干の筋肉痛以外に筋肉や関節に問題が無かったのは幸運なことでした。

土で汚れたジョギング靴

反省会

まさか脱水症状になるとは。これまで気にもしなかったのですが、加齢の影響もあるのでしょうか。走り始めから心拍数が高かったので、寝不足の影響もあるのかもしれません。意識していなかったボトルネックが明らかになるのは興味深いことでもあるのですが、沿道やオフィシャルの方にたいへんお手間を取らせてしまいました。本当にありがとうございました。

腕時計の記録した心拍数は、意識を失なうまでじわじわと上がっていました。運動をする時には心拍数を上げすぎないように注意が必要なようです。それはそうだよねえ。

冷静になってみると、散歩をした方が、怪我をする危険も少なく節々の回復にも良いように感じます。でも、ジョギングをしていると、散歩と違って、仕事の精神的な負荷をごまかしやすくなるんだよね。

10日ほど筋肉や関節の回復を待ったらジョギングは続けるとして、またマラソンに参加するには、睡眠や消化器系の改善が必要そうです。いったい何をすればいいんだ。


1週間後、原因と対応策の特定は先延ばしにして参加登録を済ませてしまいました。