20251102

kyri
·
公開:2025/11/2

天気が悪いけど今日は映画を2本観る日。

この写真をblueskyに上げたら成人向コンテンツのラベルが貼られてしまってびっくりした。でもまあ、そりゃそうか……いいポスターだと思うけど。

実は観たことありませんでした。すごく難しかった……出てくる人たちが何しゃべってるのか半分も理解できない。理解させようとしてない感じがあったんだけどあれはフィーリングでなんとなくこんな感じか〜と捉えられてたらそれで及第点なんだろうか? 私はフィーリングですら怪しい感じだった。SF向いてない。素子さん、全身サイボーグってことは機械の体だしすごく重たいよな〜と思って、でも、重たいけどそれを感じさせない体つきだったり身のこなしだったりで、生身の人間が体重の増減に一喜一憂してるのが馬鹿馬鹿しくなってくる。絶対大事なのはこういうことじゃない。それにしても、外見は人間だけど中を見てみれば機械っていうの、改めてビジュアルとして良すぎる。いろんな人が手を替え品を替えサイボーグを描くその気持ちは然もありなんである。あらゆるものが外部化されたときに「私とは何者なのか」というどこまでも内部に向かう問いが最後に残るのは必然でもあり皮肉でもあると思った。素子さんとバトウさんの関係性が良すぎる。ランダムアクリルカードはバトウさんが当たって嬉しい。

50歳に差し掛かったリアムとその息子2人でロックフィールドでレコーディングする映画。リアムのソロ曲とオアシス曲をいくつかフルで聴かせてもらえるのは嬉しい。リアムのソロ曲は追いかけてなかったので初めて聴く曲ばっかりだったけど、やっぱりオアシス曲とは全然感じが違うな。でも印象的だったのは「兄貴の作る曲は確かに素晴らしいが俺以上に上手く歌えるやつはいない。まあ俺のおかげってことだな」とリアムが語った通り、Supersonicだったな。この映画、オアシス再結成が決まったあとに作られたドキュメンタリーだと思ってたけどイギリス公開は2022年だった。ということはリアムのノエルに対するディスりは現役の(?)ディスりだった。いやでもあれはディスってるというよりただの思い出話みたいな、愛だろって思ったけど。それにしても息子2人、リアムみたいな父親がいてどう思ってるんだろう。私だったらリアムが父親だと複雑だけどな、人柄がどうというわけじゃなくてどうあってもオアシスを引っ張った存在というのは社会的にも個人的にもでかすぎて。ロックフィールドのオーナー(?)も「お父さんの半分くらいでも成功したらお父さんは誇らしいと思うよ」と言ってたけど、それはまあ全くもってその通りだと思うけど、でもそう言われることに対してどう思ってるんだろう。半分かよ! とか思わないのかな。私だったら絶対ムッとする。だけどリアムはあまりにでかすぎる。でかすぎる父親を持つということは絶対に大変だ……

そして、私が観た回にはトークライブがついていて、ゲストがSAHAJiだった。同郷の人たちである。お兄さんの方に至っては同い年である。私は富山市の生まれでははないので子供時代に交わっていることは絶対にないのだけど、でも、同い年かあ……と思わずにはいられない。同じものを見て、聞いて、同じ教科書で勉強したんだなあ。トークライブはお兄さんの方がよくしゃべる人で、勝手に弟さんの方がそうなんじゃないかと思っていたのでちょっと意外だった。弟さんはものすごく物静かだった(が、お兄さんに言わせれば「お前今日はよくしゃべるね」ということらしい)それにしても、自分が主人公じゃないドキュメンタリー映画のトークをやるってなんか面白い。ここでも、和製オアシス枠みたいな感じでこういうイベントに呼ばれることについてSAHAJi的にはどうなんだろうと思ってしまう。SAHAJiはSAHAJiとしても見られたくて当たり前だよね。

パンフレットを買ったらサイン会があります! とのことで、リアムの映画にSAHAJiがサインするのおもろ……と思ったんだけど、ちゃんとパンフレットにはSAHAJi兄弟のコメントが載っている。せっかくなのでサインしてもらった。せっかくリアムの映画なので去年のオアシス展で買ったスウェット着て行ったんだけど(これは今では私の超ヘビロテ普段着になっている)でも映画館まで来て、やっぱりやりすぎだった、めちゃくちゃガチな人みたいじゃん、恥ずかしい……と思っていたらお兄さんの方に「その服いいですね、去年の展示のやつですよね。俺も行きましたよ」と声をかけてもらったのでよしとする。そういえばあのオアシス30周年展は去年の今日東京に行って見てきたんだった。違った、去年の明日だ。去年の今日はオアシスドキュメンタリー映画を2本観てる。

映画と映画の合間にジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』を読む。いつだったか、私がtwitterでイーユン・リーの『もう行かなくては』を読んでいるときにツイートしたらリーのことをジュンパ・ラヒリの筆致に似てるみたいな反応を返してくれた人がいて、それ以来いつか読まなきゃなとずっと思っていたのだった。リーもラヒリも、母語じゃない言語で小説を書く越境作家だ。多和田葉子にしてもそうだし、私は越境する人が好きらしい。まだ読了していないけど、すごくいい。すごく好き。表題作に心を掴まれてしまった。終わり方があまりにも悲しくて美しい。ラヒリの存在を知ってからちゃんと読むまでに時間がかかってしまったけど、初読の幸せってやっぱりかけがえがない。こんな小説が書きたい。神は細部に宿るのだ。あまりに良かったので、映画が終わってから本屋に行って早速『べつの言葉で』も買った。私にとって全作追いかけるべき作家になった。

そして違う本屋に移動して今年のブックサンタを完了する。なぜ本屋を変えるかというとポイント3倍だったから。今年は栞も買いました。本はよく集まるけどそれ以外の活動資金がなかなか集まらないとブックサンタ公式が言ってたので、これで少しでも活動資金の足しにしてほしい。

@kyri
週末日記