「キュレーターの殺人」「グレイラットの殺人」を読んだ

miyaoka
·
  • ワシントン・ポーシリーズの3作目と4作目

  • 主人公は犯罪捜査組織のはみ出し者だけど、1作目「ストーンサークルの殺人」2作目「ブラックサマーの殺人」と経たことで事件解決能力についてはさすがに認めざるを得ないものとなっており、組織は従来通り捜査するから主人公たちはそれと違う観点で独自の捜査をしてくれという待遇になってくる

  • 直感に従い物事をとことん疑うワシントン・ポーとIQ200の才女ティリー・ブラッドショーという主人公二人のバディ関係も、お互いが自分には見つけられないものを見出す力を持っているという認識がはっきりしてくる

  • それどころかだんだんとお互いに感化されてキャラクターの変化が感じられるのも面白い

  • 特に4作目ではポーとティリーの雑談もエスカレートし、ハリポタのクィディッチの試合についての話なんかも捜査の途中で容赦なく繰り広げる

  • ティリーが話すコンピューターやナード文化についてさっぱり分からないので諦めて無言で聞き流すポーのあしらい方や、それに慣れてないメンバーが戸惑うさまを楽しむあたりはシリアスな事件の中で真剣に取り組んでいるだけに静かに笑いを生むシーンになっている

  • 後書きでもそうだけど作者のこのへんの雑談力の上手さは軽妙で好きだなと思う


  • 事件の展開についてはイギリスローカルだったものがアメリカも絡む国際的なものになってきて、なんとなくCoD:MW後半の英米精鋭部隊によるジョイントオペレーション!という感じでテンションが上がる

  • アクション的なシーンでは、元軍人であるポーの腕っぷしやぜんぜんインドアに留まらないティリーの勇気奮闘っぷりが盛り上げてくれる

  • 黒幕にたどり着くまでいろいろ複雑に構築されたミステリの筋は毎度読んでいて全然推理しようもないんだけど、ただ登場人物の配置的に今回の犯人はコイツでしょというのは序盤で感じられる。ありえなそうな人を犯人にするというのと、なるべく序盤から出すという必要性からすればどのミステリでもそうなるんだろうけど


  • 本シリーズは短く区切った章分けをしていて、それによりテンポ良く話を進めてくれる。話はシリーズを重ねるごとに長くなっていく傾向で、最初の2作は全70章ほどだったのが、3作目では90章、4作目では110章にもなっていた

  • ただaudibleの再生時間的にはそこまで長くなってないので、章分け自体がより細かくなってテンポ感を高めている感じ

  • 本屋で確認してみたらこんな感じに厚みが増してきていた(左→右)


https://en.wikipedia.org/wiki/M._W._Craven

  • 本シリーズ、日本語では4作目までしか出てないけど原書では今度6作目が出るところ。さらに短編が2つ出ているらしい

  • いやー、早く続き読みたいねえ…