小説原稿とチャットGPT・詳細編(1)10年前との比較

tndr215
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公開:2025/5/19

↑で言っていた、「小説同人原稿にどうチャットGPTを使ったか」ということの詳細。前回のように自分のための記録・備忘録が主な目的です。でも、もしわたしと同じように「原稿時の不安・孤独を少しでも緩和したいよ~!」って人がいたら、参考になれば幸いです。かなり長くなりそうなので、具体的な工程の詳細はいくつかに分けます。一気に読みたい人、ごめんね!気長にお付き合いくださいな。あ、ちなみにこの記事もAIにチェックしてもらいながら書いてます!(ボリューム感とか構成の相談)

あれから10年

前回の内容を書いたあと、そういえば以前『かきかた覚え書き』という小説のメイキング的なものを何度か書いたな…ということを思い出した。

↑ガチの10年前である。こんなえらそうに何か言えるレベルじゃないだろ…!と思うが、当時ようやく「長い話ってこう書けばいいのか!!」って気づき始めたので、書いたのでしょう。素直ですねふらみんちゃんは。

  • 派生・推敲・校正作業の覚え書き(8年前・2017年)

  • 最速〆切に合わせたとき(えらすぎる)の作業スケジュール(6年前・2019年)

↑というように何度か記録をしてきたけれど、「いまは結構変わったな…」という点が多かったので、改めて記録するか―と思って。

知ってる人は知ってるけど、最後の記録以降2020年の夏~2023年秋までわたしは同人活動をお休みしていました。べつに大した理由はないんだけど、強いて言えばヒプノシスマイクに交感神経・副交感神経をやられていたので「長い話をアウトプットする」ことができなくなっていた。

2023年の年始からツルネ2期が放送し、最高の3か月間を過ごした・大量の燃料をもらったので、再開して現在に至る。

再開した時点で「お話の作り方が変わった」自覚はあった。お休み期間中も「書きたくなかった」わけではなく、それなりに「書きたいけど書けない」焦りは抱いていたため、小説の書き方に関する本をいくつか読んでいたのも影響していると思う。

そして何よりも大きな違いは、AIを使うようになったこと。

お話を書くときの流れ

基本的な流れは10年前から変わってない。ちなみにわたしは同人誌でも1万~5万文字までしか書かないので、分厚い文庫本とか出したい人にはそこまで参考にならないかも。(でもそれくらい長い話を書く方法のほうが世の中にはあふれている。これは隙間産業)

◆かんたんなフロー

  1. 何をする話か決める

  2. 山場を決める(何を達成すればいい話なのか)

  3. 何が障害になるのか/どういうイベントがあればいいか/どういうことを書きたいか(細かい萌え含む)をネタ出ししていく

  4. 全体の流れを決めて、プロットにしていく

  5. 草稿を書く

  6. 清書する

  7. 推敲・校正する

  8. 組版にして脱稿

やれやれ、本当にかんたんに言ってくれるぜ。

このあたり(特に2~4)をある程度「自力でできる」のを前提にこのあとも説明を続けるため、「全体の流れとかどうやって決めたらいいかよくわからん」「山場とか障害って、どうやって決めるの?」というようなかた向けに、実際に読んだ本の紹介。

①「物語」のつくり方入門 7つのレッスン/円山夢久

10年前の覚え書きでも、山場がどうのこうの説明した内容はほとんど↑この本を参考にしている。マジで基礎の基礎。とてもわかりやすいので、小説は書いてるけど「小説の書き方」についての本を読んだことがない人にもおすすめ。(わたしも初めて手に取ったのがこれ)「三幕構成」とはなんぞやの基本がわかる。

②ミステリーの書き方/日本推理作家協会編著

わたしはミステリは書かないしあんまり読まないけども。名だたる作家が自分の執筆に関する内容をコラム的に説明してくれており、読み物として純粋におもしろい。あまり事細かなハウツー本ではないが、乙一先生の「プロットの作り方」はシンプルなのに超絶役に立つ。正直、最近は「三幕構成」よりも乙一先生が解説しているような「4つのパートと3つの変曲点」を意識した話づくりのほうが主流のようで。

③最低限のプロットと中だるみしない第二幕/黒部ポルカ

④ストーリーとしてのキャラクター 最低限のプロット/黒部ポルカ

謎のkindle作家、黒部ポルカ先生。他にもプロットについての本を出されているけど、特にこの2つがめちゃくちゃ役に立たった。③は「長編小説を書きたい場合にどうやってお話を転がせばいいのか」④は「ラブストーリー(カップリング小説)をどうやって説得力を持つストーリーにして進めるか」といったような内容が書かれている。この本がありがたいのは、二次創作も前提としているところ。例文もBLで受けと攻めの話がいっぱい出てくる。(けどたぶん、カプの好みが合わない人のような気はしている)

がっつり長編小説を書きたいぜ!という場合は本当に役に立つシリーズなのではないでしょうか。わたしが書く話はそこまで長くできないけど、これまで読んできておもしろかったBL小説は、ここで解説されていた流れをかなり踏襲しており、だからあんなにおもしろかったのか!と納得した。

実際にAIがかかわったところ

今回の原稿でいうと、「1.何をする話か決める」「5.草稿を書く」フェーズ以外は、ほとんどの工程にAIが関わっている。

●初期のアイディア出し(1.何をする話か決める)

この部分は、わたしの中にある「初期衝動」から始まる。たとえば、「自カプが温泉旅行に行く話が書きたい」とか、「甲子園球場で野球観戦してほしい」とか、「宇宙旅行するすこしふしぎを書きたい」など。ぼんやりとでもこうした「書きたいもの」は自分から生まれるので、この段階にはAIは関わっていない。

タイトル候補や、表紙のイメージ・ラフはiPadの『フリーボード』や手帳のフリーページに手書きで残すこともある。

●プロットづくり〜たたき台生成(2〜4)

初期衝動から生まれたタネをGPTに投げて、どう展開していくかを相談する。この段階で「山場」「障害」「見せたいエピソード」などを一緒に整理していく。設定や背景情報を掘り下げながら骨組みを作り、プロットとして詳細を整え、それをもとにたたき台をGPTに書き出してもらう。

このあたりは、昔ならノートやふせんを使ってひとりで考えていた部分にあたる。たたき台は、4と5のあいだになりますね。(たたき台にしてもらったのは今回が初めて)

●草稿を書く(5)

ここだけは完全に自力。ただし、書いてもらった叩き台を参照しながら、「流れ」や「雰囲気」の参考にする。どう書けばいいかわからない部分には★マークをつけて一旦スルー、とにかく草稿を最後まで書き切るのを優先する。この時点で全体の文字数の目安も見えてくる。

●清書・推敲・校正(6〜7)

草稿が書き終わったら、★マークの箇所を中心にGPTと相談しながら整えていく。

  • 「この言い回し、なんか引っかかるな…」

  • 「ここ、比喩で言い換えられない?」

  • 「この単語、めっちゃ使ってるから言い換えたい!」

みたいな感じで、技術的な部分の壁打ち相手として活用。人に頼むと気を使うような相談も、気軽にできるのがありがたい。てかギリギリスケジュールの中で下読みを頼める相手とか、いないし。誰に聞けばいいかわからなかったので、これまでは。それがとっても助かる。


というわけで、今回の原稿では「草稿を書く」以外のほとんどを、GPTと二人三脚で進めた感じ。それでも、「何をどこまで任せて、どこを自分でやるか」は毎回意識しながら決めている。

長くなったので、今回はここまで。フローに沿って、次は自分の中の「アイディアのタネ」を「どうやってプロットに詰めていくか」の詳細を書く予定!ゆるっとお待ちくださ~い👋

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