小説原稿とチャットGPT

tndr215
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公開:2025/5/7

これまでもポツポツと活用してきたけど、今回はかなり助けてもらったな〜と思うので記録。課金して使ってるので、無料アカウントだとここまでできないかな?と思います。

経緯(飛ばしてOK)

初めて原稿にチャットGPTを使ったのは一昨年。宇宙に行くすこしふしぎな話を書きたかったので、その行く先とか食べ物とかシステムとか、「架空の設定」をいろいろと考えてもらったのがはじまり。

この時から本文の推敲・校正を手伝ってもらったりしてたんだけど、結果として微妙なところも多かった。(これは24時間で4万5千文字を校正しようとしたのがそもそも無理な話)

それから、プロットを立てるのも何度か手伝ってもらってた。本音を言えば、AIに全部書いてもらいたい。だって、頭の中にある「わたしの考えた最高・最強の自カプ」を、自分の労力を使わず出力してもらえるのがいちばんいいから!!

しかし、それは無理な話である。特にファンフィクションは、「自分」が「作品」を見て「読み取った行間・解釈」をもとに「どこがどう好きなのか」「どうなってほしいのか」を表現するものだから。(わたしの場合)

それこそ「AIのべりすと」を使えば、キャラの基本的な設定を覚えさせて、「2人はこれからめちゃくちゃセッ…する」って書けば、それなりにそれっぽいものは出てくる。でもそれは所詮「それっぽいもの」でしかないんだよね。頻出表現やどこかで見た表現が多いし。AIは「いま世の中にすでにあるさまざまな文章」を読み込んで、そこから「予測できる答え」を出してくるから、それが当たり前。

それも、べつにこだわりがなく「とにかくAとBがえっちなことしてたら萌え〜」って場合なら問題ないでしょう。そういうこともありますからね。

でも、楽はしたい!楽したいよ!!趣味だもん!!疲れるもん!!前も言ったけど、漫画の人は素材とかでごまかせる部分があってうらやましい!!小説だってツールで賢く時短して、迷子にならないように原稿したい!!

いや、ほんと、塗りつぶしツールくらいでいいの。だっていまデジタルで絵を描いてて、「塗りつぶしツールは使わず、ベタも全部ブラシではみ出さないよう塗ってます!」って人いないじゃん。クリスタの素材、大体いつもランキング上位に「情報量を増やすペン」とかがあるじゃん。つまり、ちまちま描き込まなくても情報量を増やしたい!いい感じに画面を埋めたい!って人が多いってことでしょ?小説にだってそういうのが欲しいの!わたしは!!

具体的な活用

そんな感じでいろいろ試してきた、この1年半。今回の原稿での使い方(特に7~10)が、いちばん理想的だったかも?と思ったので具体的な内容を。チャットGPTを直接使うというよりは、特定の事柄に特化した以下のGPTsを使うことが多い。

  • Creative Writing Coach(★★★/感想も上手い!)

    いちばん使ってる。かなり優秀で、技術・感情含めてなんでも相談できる。

  • 文章校正くん(★★☆/やさしいけど、表現の豊かさで①に劣る)

    名前どおり校正・推敲に使用。日本製のため、日本語表現に強め。

  • AI Humanizer(★★☆/ちょっと事務的)

    要約特化。資料まとめ、プロットからあらすじの書き出しなどに使用。

※5/31追記

詳細が全部書けたので、各項目に該当する記事のリンクを追加しておきます。


  1. 架空の設定を考えてもらう

    ↑でも書いたように「こういう設定で小説を書きたいと考えているので、詳細のアイディアを出して」といったように投げるとスラスラと考えてくれる。全採用はしなくても、骨組みとして使えるしそこから自分のアイディアが生まれたりもする。

  2. 誤字脱字誤用チェック

    これは小説じゃなくても、チャットGPTの一般的な使い方として紹介もされている。(参考リンク)ただ、長文になるほど何度「精読してくれ」と言っても見落としはある。最後に頼れるのは自分。(頼れる他人がいるなら他人)

    💝関連記事:『推敲と校正、脱稿へ…』

  3. 読みやすさのチェック

    文脈として伝わるか?冗長ではないか?パラグラフとして入れ替えたほうがいいところはあるか?などの相談が可能。「伝わる」ことがいちばん大切なので、自分でイマイチしっくりこないところを相談したり、とりあえず読ませてみて単純に「どう?」と聞くこともできる。

    💝関連記事:『相談と清書』

  4. プロットを立てる手伝い

    ぼんやりとした構想を投げて、壁打ち相手になってもらう。もしくはこのあたりまでは決まってるけど、ここからどう展開しよう…という相談。これはもともと書きたい作品のトーンとか、ボリューム感とか、自分の作風とか、キャラクターの背景もある程度伝えていたほうがスムーズ。なぜなら、AI側は適当に「それっぽい」感じで出してくるので、二次創作は特にキャラクターが解釈違いの言動になりがち。あらすじ(ログライン)も考えてもらえる。

    💝関連記事:『何も起きない話を書く』『ネタ出しとプロット整理

  5. キャラクターの感情の深掘り

    自分が考えている解釈を伝えて、感情の動きを一緒に考えてもらう。これは、まず自分の解釈を言語化する必要があり、(二次創作の場合)作品のあらすじやエピソードも含めて長々と説明することになる。(わたしは好きな作業)

    「こういう展開にしたいけど、感情の動きとして不自然じゃないかな?」ということも相談できる。しかしチャットGPTはかなり「寄り添う」ようにできているので、基本は肯定的なのもお忘れなく。シビアに見てくれ、と頼めば見てくれるけど、「この流れでそうなるのは唐突感があります」とか急に裏切られる。さっき大丈夫って言ったじゃん!

    💝関連記事:『キャラ解釈をAIに教える』『ネタ出しとプロット整理

  6. 書き終わったものを読ませて感想をもらう、褒めさせる

    モチベ維持にめっちゃ大事。とにかく「褒めて」といえばもうめちゃくちゃ褒めてくれる。主に技術面に特化した感想にはなるけれど、わりと「この表現自分でもよく書けたな」と思うところはちゃんと拾ってくれるようになってきた。AIも、エモさを理解しているかも…?途中まで書いて「ここまで読んでみてどう?」とかも気軽に聞けるのがいいところ。しかもスレッドを変えて再度送れば、永遠に感想をもらえる。感想に飢えている人、おすすめです。(ちなみに表現が直接的すぎなければ、エッチ小説も読んでもらえるようになった)

    💝関連記事:『完成稿までと、AI倫理の話

  7. 共有資料として自分のキャラ解釈、これまでのやりとりをまとめてもらう

    5で説明したような、キャラクターの解釈をAI Humanizerに投げて要約してもらい、共有資料化してもらった。これは初の試みだったけど、かなりよかった。スレッドを変えても前提の説明に時間を取られなくなる。

    今回の原稿は①最初に大まかなプロットを立てる相談②プロットを詰めてあらすじまで作る③叩き台を出力してもらう④校正・推敲と4つスレッドを使った。

    ①時点でプロットを詰めるところまで行きたかったけど、キャラ解釈の前提がなく提案してきたストーリーラインがキャラに合わなかったため、①→②のあいだにこの資料を作った。

    💝関連記事:『キャラ解釈をAIに教える

  8. プロットをもとに叩き台を出力してもらう

    7でもちょっと書いたけど、②で詳細なプロットまでできてから、あらすじから「叩き台」を出力してもらった。(書いてもらったのはCreative Writing Coach)プロット時点ではっきり決まっていないことも相談して、いい感じの小説風叩き台を出してもらう。なにが助かるって、枠組みができること。大まかな流れがわかるので、草稿を書くときに方向性に迷わない。これが、状況説明・情景描写の塗りつぶしをしてくれるとこなんだわ。適宜調整は必要。

    💝関連記事:『たたき台の調整

  9. 草稿の「なんて書けばいいかはっきりわからない」場所を、一緒に考えてもらう

    8で出してもらった叩き台をもとに草稿を書き、そこで「なんとなくこういうイメージだけどなんて書けばいいかわからん!」という場所や「これ不自然じゃないかな?」「また同じこと書いてる…語彙が●んだ」みたいなところをガンガン相談してどんどん塗りつぶしたり情報量を増やしていく。超助かる。これは、草稿を書く間は★マークなどで該当箇所に印をつけておいて、全部書き終わってから相談する。いちいち相談してたら一生終わらんので。

    💝関連記事:『タイトル決定&草稿開始『相談と清書』

  10. 清書の中の、もっとよくなりそうな場所がないか見てもらう

    9のように相談しつつ清書ができたらチェックをしてもらい、「もっとよくなる場所がないか」「全体として表現被りがないか」「気になる場所はないか」ということを推敲として何度も確認していく。頻出表現の言い換え候補を出してもらったり、自分で読み返して気になるところを相談したり。いい感じの比喩ないかな~とか。ここの心情はこういうことなんだけど、直接的過ぎずこういうニュアンスで表現する方法ないかな?!とか。

    💝関連記事:『相談と清書』推敲と校正、脱稿へ…

おわりに

まあざっとこんな感じ。あとは、執筆にかかわる現実の情報(今回で言うと目的の温泉地・キャラの職業・医学部6年生の実情)を調べてもらったり、イメージボードの出力とかもしてもらった。イメージボードは、もう本当に参考程度。「調べてもらったこと」は大まかな方針にはなるけど、自分でもある程度精査は必要。(回答がすべて正しいわけではないので)

AIに書かせるのって…と不安になる人の気持ちもわかります。でも、実際に「言葉を選ぶ」のは人間です。そもそも文章を書くって、自分の中にある膨大な言葉の引き出しから、最適だと思う表現を選ぶ作業なんですよね。でもその引き出しの中身・組み合わせが、正しいのか、伝わるのかを、自分だけで判断し続けるのは不安で孤独。そんなときに、AIに助けてもらって範囲を絞ってもらえると、めちゃくちゃ気が楽だし助かるな〜と思って、わたしは使っています。

できるだけ簡潔に書きましたが(これで?)もう少し詳細を書きたい(自分のために記録したい)気持ちもあるので、そのときはそのときでまた書きます。(※2025/05/31:書いたので、関連記事のリンクを貼りました)

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