未だ尾を引く刀ミュの観劇体験
ミュージカル『刀剣乱舞』~陸奥一蓮~の大阪千秋楽を観に行って以来、私はおかしくなってしまった。寝ても覚めても、推しの刀剣男士こと三日月宗近を見事に演じた――黒羽麻璃央さんについて考えてしまっている。
……どうしてこうなった!!!!!
ヒント:完全にあの頃と同じパターンです。ありがとうございました。
私は私の「好き」を発信するために、インターネットで活動をしている。その「好き」は大抵が創作にまつわるものなのだが、極稀に、その好きが演者もしくはアーティストなど、実在する人物へ波及することもある。このことを「愛は屋烏にも及ぶ」と言うらしい。私の好きなことわざだ。
黒羽麻璃央さんの三日月宗近を生で観たことによって、私の感性を蹂躙された結果、役者さん本人に対し、これまでに無いほどハチャメチャに興味を示してしまった。
……ああ、いや、正確に言うと、興味があるのは、主に演技というか、職業人として俳優のお仕事をしているときの彼についてだ。
さも、たった今興味を示しました、みたいな言い方をしたが、実際はもうちょっと前から興味はあった。なんてったって、彼はAPP22以上ある神様を綺麗に演じきることができるのだ。そりゃあ興味を惹かれるのも当然だ。ただ、様々な事情から、彼の出演作に手を出すのをずっと躊躇っていただけだ。
しかし、何故か去年くらいに思い立って、たまたま放送時期が被っていたドラマを観てみた。生身の人間が演じるコンテンツは刀ミュか特撮しか興味が無かった私が、まさかドラマに手を出すことになろうとは。絵に活かせるかもしれないという淡い期待があったとはいえ、私の中では、とても大きな心境の変化だった。
「ウソ婚」も観たし、「トリリオンゲーム」も出演回まで観た。役に溶け込むような高い演技力に惹かれて、更に当時、あともう一つ観たのがあったのだが、タイトルをど忘れした。なんだったかな……ミステリーもののドラマにゲスト出演していらっしゃったのだが、確か三兄弟のうちの一人で主犯だったはず。……いやいや、何の話だ。本題はこれじゃなくて。
とにかく、黒羽麻璃央さんの演技にすごく興味を持ってしまったのである。
これほどまでに実在する人物に興味を持つのは、私の中ではとても珍しい。世間では結構よくある話っちゃあそうなのだが、私の中では不思議で不思議で仕方無いので、しずかなインターネットで日記を始めたときの如く、物凄くはしゃいでいる。これでは私のページだけ「しずかな」ではなく「やかましい」インターネットになってしまう。
それで、ついに――ミュージカル『テニスの王子様』ことテニミュの立海戦を観てしまった。あーあ。今日も情緒がドッタンバッタン大騒ぎ。
「ミュージカル『テニスの王子様』 全国大会 青学(せいがく)vs立海」を観たよ
私の中でテニミュといえば、KENNさんが出演されていた時期のものしか知らない。ちなまないが、KENNさんが出演されているのは1st、黒羽麻璃央さんが出演されているのは2ndである。今は5thまであるんだったか。分からない。私、本当は芸能関係とか2.5次元に疎いんだって。ついていけてもライダー系や戦隊ものの特撮くらいである。気が向いたら詳しいフォロワーに訊いてみよう。……また話が逸れた。
テニミュではこれまた偶然なことに、本誌やコミックスでテニプリを嗜んでいたあの頃、一番好きだったキャラクター・菊丸英二を演じていらっしゃった。三日月宗近を演じた彼が、昔めっちゃ好きだった菊丸英二を演じていた? やっぱり何回キャストを確認しても信じられない。事実から逃げるな。
というわけで、別の絵の作業BGM代わりにテニミュを視聴したのだが、やはりこの方は私の予想を超えてくる。流石に若手の頃だし期待する程じゃないだろうと、謎の予防線を張りつつ見ていたのだが……
画面に映ったのは、私の知っている菊丸英二その人だった。
菊丸英二の台詞が聞こえて、思わず作業の手を止めてしまったくらいだ。無邪気で明るく、天真爛漫。笑顔が可愛い菊ちゃん。「めっちゃ菊丸英二だよ!」と、思わず手を叩いてはしゃいでしまいたくなるほどだった。黒羽麻璃央さんだということがパッと見で分からないほどに、彼は役に溶け込んでいる。きっと幼き日の――今以上に好きなキャラクターへのこだわりが強かった頃の私だって、同じことを言うだろう。「あのひと、本物の菊ちゃんだ!」と。
……ということは、だ。この頃から既に黒羽麻璃央さんはかなり演技力が高いってことで……などと気付き、また私の心がめちゃくちゃになった。
「舞台『黒子のバスケ』THE ENCOUNTER」も観たよ
更に、今日は舞台「黒子のバスケ」を観た。何故かって? 私が彼の演技を、声と容姿の贔屓目で評価していないかどうかを確かめるためである。
実は様々な理由――ほぼ刀剣乱舞や三日月宗近のときと同じ理由で、私は黒子のバスケという作品があまり好きではなかったのだが、連載終了から数年経っているからか、今はちょっとだけ緩和されている。
とはいえ、刀剣乱舞やテニスの王子様とは違い、原作は最初だけしか知らない。ストーリーはアニメで大半を知っている程度のにわか。ついでに私は黒子のバスケだと火神大我が好きなので、黒羽麻璃央さんの演じているキャラクター・黄瀬涼太については(私が好きそうではあるが)そこまで興味が無い。アニメの声優さんの声が好きだなあと思うくらいである。
さすがに三日月宗近や菊丸英二のときみたいに心を乱されることは無いだろう、とか思いつつ、リリース当初にやったきり放置していた崩壊スターレイルの更新待ちに配信動画を観ていた。全然関係ないものを同時進行さすな。
おー。声優の小野賢章氏本人が俳優として黒子テツヤをやっているのか~、とキャッキャしていたのもつかの間。
黄瀬涼太が黄瀬涼太にしか見えないんだけど本当に黒羽麻璃央さんか?(ぴよは訝しんだ)
(2024/04/21 12:20 プライベートアカウントでのポストより)
……あっ。私はすべてを察した。先に舞台を観ていたとしたら、絶対、黄瀬涼太のことを推しているだろうという自信が出てきた。そんな自信は要らないんだよ。
こういうメディアミックスを観るとき、原作を知っていたり、作品のファンから話を聞いていたりすると、どうしてもその「キャラクター像」が出来上がってしまう。そしてメディアミックスは往々にして、出されたものと己のキャラクター像が乖離することもよくある。それが例え推しのキャラクターでなくても、だ。
しかし、驚くくらいに、黒羽麻璃央さんの演じるキャラクターは違和感が無い。
彼の演技とキャラクターの間に違和感を覚えないのは、私個人が「彼の演技が好き」という贔屓目が入ってるからなのかもしれないと思った。いや、だがしかし、私はかなりの逆張りオタク。キャラクターや演技などに違和感があると少しでも思ったら「えぇ……?」となる。例え、その演者が推しであっても、普通はそういう「えぇ……?」が少しくらいはあるものだ。そういう「このキャラと〇〇〇〇くん/さんは合わないなあ……」みたいな違和感を覚えたとしても、推しの演技や声、振る舞いであれば、全然嫌いじゃないのだが……それにしたって、黒羽麻璃央さんの演技は、驚くくらいに違和感が無いのである。
そんなことある? あるから私がこうなってるんだろうがよ。
きっと、己の全てを使ってキャラを演じているんだ
私としては台詞外の……細かい表情の演技も好きなのだが、菊丸英二にしろ、黄瀬涼太にしろ、そして三日月宗近にしろ――黒羽麻璃央さんの演技の中で、特に声が、キャラクターらしい出し方になっているな、と思う。
確かに、黒羽麻璃央さんの声質は、高橋広樹氏や木村良平氏、鳥海浩輔氏などとは全く違う。しかし、彼の演技は、アニメやゲームで聞いたことのある彼らそのものの息遣いに酷似している。しかも、キャラクターが彼に寄っているのではなく、彼がキャラクターに限りなく近いところまで来ているのだ。
あくまでこれは私の想像だが、原作や先発のメディアミックスは必ず履修しているのではないかというくらい、深いところまで熱心に研究していらっしゃるのではないだろうか。だからこそ違和感がないし「その登場人物ならこうするだろう」を丁寧に魅せられるのだと思うと納得がいく。繰り返すがこれは私の想像であって、真実は定かではないが。
もっと私の中でこの感銘を綺麗に言語化出来たとしたら、私の創作マインドにも落とし込めそうな気がするのだが、未熟ゆえか、まだその域まで達することが出来ない。悔しい。その悔しさが何とも心地良い。
……ああ~! 駄目だ。本当は2,000字程度に留めておきたいのに、うっかりすると、なんぼでも字数を使って黒羽麻璃央さんの話をしてしまう気がしてきた。これまでに感じたことのない高揚感を抑えるために筆を執っているはずなんだけどな……はあ。しずかなインターネットの私は、そんなキャラでは無かったはずなのに。
この調子だと、しばらくは彼の話題のみで「しずかなインターネット」を騒がせてしまうだろう。ごめんなさい。