今日の風景 2025年4月15日(火)

ぎくかわさん
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公開:2025/4/15

AIで架空のブラックメタルバンドをこしらえて、メンバーまで生成してもらった。AIってすごいと思う今日この頃。マジっぽくてもはや笑える。

このバンドを使って、自分の書いた文章「桃太郎 ver.n」をコンセプトアルバムにした。アルバムはなんと、ストーリーを丁寧になぞる全10曲。今回はメンバーによる楽曲解説が展開されますよ。自己満足の極致。

全6話。

  1. バンドリーダー(g兼vo)インタビュー

  2. バンドメンバー(b)インタビュー

  3. バンドメンバー(ds他)インタビュー

  4. アルバム制作中の3人インタビュー

  5. レコード会社プレスリリース

  6. 新譜発売から1年後の売上げと戦略(レコード会社資料)

ではAIが作った第4話ですが、今回の文章は自分好みにアレンジしました。ところで、ブラックメタルの割に3人とも「ええやつ」っぽいな。コープスペイントもしてないし🤣


掲載誌:Iron Veil Magazine, Issue 151, February 2026

インタビュー:ノルウェー出身ブラックメタルバンド「Nattfrostens Arv」レコーディング中の3人に聞く

オスロ郊外のスタジオで、「Nattfrostens Arv」は新作コンセプトアルバム『Hvem Skapte Onden?』(「悪を生み出したのは誰か?」)のレコーディングに没頭している。

Eirik "Vargskugge" Haugen(ギター兼ヴォーカル)、Lars "Jernfot" Solberg(ベース)、Ingrid "Stormild" Nilsen(ドラム)の3人は、日本民話の再解釈「桃太郎 ver.n」を基に、ブラックメタルをジャズやクラシックの要素で彩った10曲を制作中。アルバムコンセプトと収録曲、バンドの進化を聞く。

Eirik "Vargskugge" Haugen(ギター兼ヴォーカル)

Lars "Jernfot" Solberg(ベース)

Ingrid "Stormild" Nilsen(ドラム)

Iron Veil Magazine (IVM): 『Hvem Skapte Onden?』は「桃太郎 ver.n」をベースにしたコンセプトアルバムですが、どんな問いをリスナーに投げかけたいか教えてください。

Eirik: このアルバムは、桃太郎が鬼を「悪」と信じて戦うけど、結局自分が破壊者になる矛盾を掘り下げるんだ。正義の相対性が核心で、誰が正しいのか、誰が悪を決めるのか…。ブラックメタルってそういう題材にぴったりだ。「行為の無意味さ」も大きいテーマだよ。何かを成したつもりが虚無しか残らない感覚は俺自身の疑問とも繋がってる。リスナーには「お前は何を信じてる?」って問いを突きつけたい。

Lars: Eirikが言うように、誰も正しくないってのがリアルだ。桃太郎が鬼を探す過程で自分の正義が揺らぐのを見ると、敵を作らないと動けない人間の弱さ、誰もが持ってる脆さが滲み出てくる。個人的には、桃太郎が一人で立ち尽くすイメージが頭から離れないんだ。ま、何であれ聞いてくれたらそれだけで嬉しいね(笑)。

Ingrid: 私は、物語の感情の波に心を掴まれた。桃太郎が純粋な気持ちで始めて、でも虚無に至る流れを音楽で表現したかったの。ブラックメタルの攻撃性にクラシックの劇的な展開を混ぜて。このアルバムを全身で味わってほしいな。

IVM: 深いテーマですね! 楽曲について順に紹介してもらえますか?

  1. Prologue: Fra Elvens Strøm(プロローグ:川の流れより)

    Ingrid: OK。まず物語の始まり、おじいさんとおばあさんの静かな村。「無垢な日常」を表現してる。ピアノの柔らかい旋律で川の流れをなぞって、ドラムは控えめなシンバルでほのかに緊張感を匂わせる。2分の短い曲だけど、純粋さと脆さを音で伝えたかった。ドビュッシーの『月の光』の静けさが頭にあったの。物語の平和な時間がすぐに壊れる予感をリスナーに感じてほしい。

    Eirik: ヴォーカルは囁きで、歌詞は川と村の詩的な描写だ。オーペスの『Windowpane』のような、何も起こらないんだけどその静けさに潜むちょっとした不安がヒントになった。『月の光』と『Windowpane』を組合せようなんて、俺たち……のっけからおかしいよな(笑)。

  2. Født av Frukt(果実より生まれ)

    Eirik: 桃太郎が桃から生まれるシーン。「運命の押しつけ」がテーマだ。彼は生まれながらにして鬼退治の使命を背負うけど、それが自分の意志なのかどうかなんて誰も問わないんだ。ヴァイキングメタルのヒロイックな雰囲気で登場を描く。ちょっとマノウォーの『Call of Arms』的なところもあるな。この曲では桃太郎がまだ希望を持ってる。ライヴで映えると思うよ。

    Lars: ベースはリフに絡んで支える感じだね。桃太郎の「正義」が純粋だけど、どこか歪んでる感じが好きだ。物語の始まりなのに、俺にはもう悲劇の匂いがするんだよね。

  3. Bedriftens Kall(企業の呼び声)

    Lars: 桃太郎が会社から鬼退治の使命を受ける場面。「盲目の服従」をイメージしてる。会社が「鬼は悪」と押しつけて、彼は考える余地なく動く—それって正義の相対性そのものだろ。前の曲を受けて、ディムボルギルの『Mourning Palace』とか『The Serpentine Offering』のようにミドルテンポで容赦なく進む感じ。桃太郎が、自分の頭で考えるチャンスを失っていく過程を表しているんだよ。

    Ingrid: ドラムパターンはシンプルにして社会の規律を表現したよ。雰囲気はショパンの『24の前奏曲 イ短調 作品28 - 2』がヒントだった。この曲、罠にハマる感じがゾクゾクする。

  4. Kibidanngo’s Gift(きびだんごの贈り物)

    Ingrid: 桃太郎がきびだんごで仲間を集めるシーン。「服従の誘惑」がテーマ。きびだんごは結束に見えるけど、実は操ってるよね。ドラッグの仄めかしもあるし。ドラムはスウィングっぽいリズムからブラストビートになだれて、ドラッグっぽさを表現した。ストラヴィンスキーの『春の祭典』の予測不能なエネルギーが頭にあったかな。

    Eirik: 歌詞は、きびだんごを忠誠を「買う」道具として書いた。シルヴィア・プラスの『Ariel』の支配と服従のテーマを借りたよ。ヴォーカルはグロウルと囁きで、誘惑と闇を表現してる。

  5. Jakten på Ondskap(悪の狩り)

    Lars: 桃太郎が鬼を求めて旅に出るシーン。「悪の曖昧さ」が頭にあった。彼は鬼を悪と信じて突き進むけど、それが本物か分からないままなんだ。メシュガーとかああいったDjentっぽさを加えて迷いと勢いを表現した。俺はこの曲で、桃太郎が必死に「敵」を追いかける姿にちょっと悲しさを感じる。彼がどんどん曖昧なものに飲み込まれていくんだ。

    Ingrid: ドラムはプリミティヴなデスメタルスタイルを軸にした。ルアナ・ダメットっぽさがあるかな。彼女、涼しい顔してスゴいフレーズを叩くんだけど、安定してるんだよね。ライブでこの勢いを爆発させたいな。

  6. Adachigahara brenner(安達原は燃える)

    Ingrid: 集落が燃え落ちる物語のクライマックス。桃太郎は鬼を退治したつもりが破壊しか残さない。ドラムは16分音符の過激なブラストビートで始まる。ジーン・ホグランみたいな。曲構成はEフリギアン・モードを基調にギターと同期してカオス感を出す。途中でテンポを落として炎のうねりを描いた。キーボードのストリングス風メロディで荘厳さを加えたし、Larsのベースで低音を強調してカオス感を支えつつルート音を少しずらして動きを作った。ストラヴィンスキーの『火の鳥』の激しいリズムがヒント。無意味さを表現するカオスを体で感じてほしい。

    Eirik: ヴォーカルはグロウルと絶叫で、桃太郎の心のうちにある狂気と絶望を吐き出す。歌詞は炎と殺戮を詩的に描き、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の破壊と創造のテーマを借りた。この曲、物語が爆発する瞬間だ。桃太郎が正義を振りかざした結果ただの破壊者になる皮肉が、音でガツンと伝わるはず。

  7. Interlude: Aske og Stillhet(インタールード:灰と静寂)

    Eirik: 燃え尽きた後の静寂を描く2分の曲。「行為の無意味さ」がテーマだ。ピアノの単音とシンバルの残響で虚無感を閉じ込めた。歌詞はないけど、囁きで桃太郎の呆然とした心をほのめかす。ティアマットの『A Pocket Size Sun』の現実離れした白昼夢のような感じだ。何も残らない虚無がじわっと響く。ここでひと呼吸置くことでうまく緩急がついたかな。

    Lars: ベースは低音を控えめに伸ばして、空間を支えるだけ。桃太郎が焼け跡で立ち尽くす姿が、まるで自分の失敗を見つめてるみたいでグッとくるんだ。

  8. Hvem Skapte Onden?(悪を生み出したのは誰か?)

    Lars: タイトルトラックで、桃太郎が「悪って誰が作った?」と自問する、アルバムのもうひとつのピークだ。エンペラーの『With Strength I Burn』のスローダウンした中間部からカオティックに終盤へなだれ込む流れや、カルダシェフの『Seed of the Night』の、静かに始まって耐えきれず爆発するような曲構成がヒントになった。どっちにも印象的なメロディがあるし。桃太郎は自分の正義を疑い始める、でも答えは見つからない。メロディにも救いのなさを込められたと思う。俺自身、こういう問いに答えがないことにゾクゾクするんだよ、普段は現実的なだけにね(笑)。

    Ingrid: この曲ではショパンの『ノクターン第20番』を意識してアイデアを出したの。桃太郎が自分を振り返る姿って、まるで鏡を見つめるみたい。

  9. Rapport i Tomhet(虚無の報告書)

    Ingrid: 桃太郎が報告書を書くけど無意味だと気づく場面。ドラムは5/4の変拍子で、ビル・エヴァンスのジャズみたいな不安定なグルーヴを意識した。ギターはGマイナーのアルペジオで、G-Dm-Amのコード進行を繰り返し、キーボードでストリングス風の悲劇的なメロディを加えた。雰囲気はティアマットの『Cain』みたいな窒息感をイメージした。彼が正義のために動いた結果、何も残らないって気づくのが、とても重い。

    Eirik: 歌詞は、シルヴィア・プラスの『Lady Lazarus』の虚無感を借りて桃太郎の後悔を書いた。ヴォーカルは低く静かで、自分の「正義」を完全に失う瞬間だ。

  10. Epilogue: Skygge av Momo(エピローグ:モモの影)

    Eirik: 桃太郎が答えのないまま去る、物語の終わり。ピアノとクリアなギターで静かに始まる。歌詞は、桃太郎の独白—「俺は何を成した?」がフェイドアウトしていく。メロトロンのサンプリング音でノスタルジックな感じを演出した。無垢だった過去を思い出す現在の彼をイメージしてる。濃密なアルバムだから、せめて最後にはちょっとリラックスできる隙間がないとね。

    Lars: ベースは低音で空間を支えるだけ。俺には、桃太郎が去る背中がまるで自分の影を見つめてるみたいな気がするんだ。でもEirikが言ったように、ホッとする部分も忘れずに入れてるよ(笑)。

IVM: 今回のレコーディングを通して、どんな進化を感じていますか?

Eirik: 『Hvem Skapte Onden?』は、俺たちの音とコンセプトが融合したアルバムだ。「桃太郎 ver.n」を俺たちなりに解釈してブラックメタルに落とし込んだ。俺にとってバンドが進化したのは、哲学を音で語る力がついたことだ。リスナーがこのアルバムで自分自身を振り返ってくれたら最高だよ。

Lars: 俺は、物語の重さを音でどう支えるかを考えながら取り組んだよ。不協和音を減らしたぶんインパクトがあるし、ベースがメロディとリズムを繋げられた達成感がある。このアルバム、俺たちの現実感—ツアーの疲れやケンカ(笑)—とも繋がってる気がする。ツアーで会うのが楽しみだよ!

Ingrid: 私には、クラシックとメタルのバランスが一番の進化かな。ドラムで物語の感情を丁寧に表現できたの。あと、今までよりメロディが効果的に使えるようになった。このアルバムはバンドを新次元に押し上げたと思う。リスナーが物語と一緒に旅してくれたら嬉しいな。ちょっと濃密だけどね(笑)。

@jaquisova
年齢:ある、 性格:ある、特技:ない  どうにも思考がだだもれる。