◆前回までのあらすじ
プロットができた。(端的)
そういえば書き忘れてたんだけど、↑前回のプロットで「仮題:春の余白に」になってたのはわたしがつけたのではなく、GPTが勝手につけた仮題。この時点ではまだタイトルが決まっていなかった。
今回は「プロット・あらすじをもとにたたき台を出力してもらう」の巻。引用が多いため、長い!悪しからず!
◆今回使ったGPTs
プロット→あらすじへの要約に使用。
注釈がない限り、このシリーズで言う「GPT」はすべてこのGPTsのことを指す。大活躍。
①プロットをベースに「ログライン」と「あらすじ」を作る
ログラインとは、物語の核を要約した短い文。あらすじは、物語の概要を説明した文。(詳しく知りたい場合は自分で調べてね)
前回ちょっと省いたけど、プロット→あらすじ→調整してまたプロット→あらすじ→調整…のくり返しの前に、GPTに「ログライン」を出力してもらってた。これは結構いい感じで出してもらえてたので、調整する必要がほとんどなく、サンプルの紹介文・告知文などに使わせてもらった。ログラインは必須ではないけど、次の段階への資料の一つとして保存しておく。
そして完成したプロットと基本情報、作品トーンを一緒にAI Humanizerに投げて、あらすじの要約を依頼する。目的としては、このプロットからちゃんと文脈が読み取れるかどうか。
基本情報や作品トーンを下敷きに出力する
内容を網羅できれば文字数は問わない
箇条書きではなく、あらすじとして最初から最後まで要約してほしい
ということをGPT(AI Humanizer)にしっかり伝える。(おさらい:目的は明確に)
出力されたあらすじ(1章該当部分)を一部修正したのが以下。キャラ名そのまま!
物語の舞台は、春から初夏へと移り変わる季節。医学部六年の静弥が、実習前の束の間の休みを使って帰省し、非常勤講師として地元で弓道を教えている湊とともに、長野から湯田中温泉へ向かう二人旅が始まる。かつて頻繁に会っていた、幼なじみの恋人同士。久しぶりの再会には、ほんの少しのぎこちなさと、変わらずそこにあるぬくもりが混ざり合っていた。
地元駅での再会から始まり、行き先を伝え忘れていた湊の“うっかり”を静弥が軽くたしなめるようなやり取りに、昔から変わらないどこか懐かしい空気が流れる。電車に揺られる中、交わされるささやかな近況報告、語らないことの奥にある感情。眠る静弥を見つめる湊の内面には、かつてよりも「無理をしないでいられる」と信頼してくれていることを感じ取り、静かな喜びが滲んでいく。
ええやん……👍ちゃんと「あらすじ」になっとるやん……👍
これも資料として保存。プロットをもとに「どういう話なのか?」ということを、客観的にあらすじにしてもらうというのは、ここまで考えたことの客観視になるのでいいと思う。あと単純に、楽しい。
正直わたしは原稿作業で唯一、プロットを詰め終わったときが楽しい。自分で「めっちゃええ話!読みたい!なんだこの神作品は!」ってテンションが上がる段階なので。ここからこれを自分で「小説」にしていかないといけないこと以外は、最高。わたしもわたしの新刊を500円で買わせていただきたいんですけど?!
②新たなスレッドに切り替え、情報共有→たたき台の出力!
この時点で、プロット以外に手元にある資料は3つ。
攻めと受けのキャラ解釈・関係性まとめ(元作品設定+創作視点)
今回の物語の基本情報と、その中でのキャラクターの背景設定(大人になったふたりの設定)
作品トーン、ログライン、あらすじ
全部自分の言葉をAIにまとめてもらい、適宜修正したもの。出力されたものをそのまま無修正で使えるわけではない。大幅に違うなら伝え直し、ニュアンス的な細かい場所は自分で編集したほうが早い。
これがあることで、スレッドを切り替えても説明が超スムーズ!なぜスレッドを変えたかというと、同じスレッドのままだと、確定前の情報を参照してしまう可能性があるから。(3)で「同じスレッド内でもGPTは過去のやり取りを忘れてしまう」とは書いたけれど、ある程度は覚えているため、没になった流れやAIが勝手に補完していた内容を拾ってしまうと困る。
というわけでまっさらな「新しいチャット」から「資料・プロットをもとにたたき台を出力してほしい」ということを伝える。
💡こんなときは
どうやってプロンプトを書けば希望どおりたたき台が出てくるかわからなかったので、チャットGPTそのものにプロンプトを考えてもらった。
参考→プロンプトで書く文章を提案してもらう:https://prompt.quel.jp/10100
ここまで来てまた「誰?!」みたいな内容を出されたらここまでの頑張りが徒労になるので…。
実際送ったプロンプト:
『ファンフィクションのカップリング小説同人誌を制作中で、プロットは完成しています。草稿に取りかかる前に、簡易な小説風の叩き台を作ってほしいです。キャラクター設定、プロットボード、主なあらすじはすでにあるので、それらを元に、感情の流れが自然に伝わるような導入・展開・会話を含めた短い描写をお願いしたいです。トーン、キャラクターたちの関係性なども含めて資料を共有するので、必要な情報があれば質問してください。』
わたしが最後に「必要な情報があれば質問して」と書いたのでGPT側もいろいろと質問してきたけど、ほとんどあらかじめまとめてあったのでそのまま3つの資料を送るだけで済んだ。
実際の資料の一部、基本情報、作品トーン、ログラインが以下。
◆基本情報
時期:4月後半~5月頭(春〜初夏の境目)
舞台:長野駅 → 湯田中温泉(モデル地)
登場人物:攻め(社会人/非常勤講師・弓道指導)、受け(医学部6年生/実習&国家試験前)
目的:受けの「ひと段落してまとまった休み」中に、久しぶりの二人旅
攻め:地元に戻り、非常勤講師として弓を教えている。弓道連盟にも顔が利く。
受け:都内で医学部6年。実習前のまとまった休みを使って帰省+小旅行。
湯田中温泉(モデル):攻めが宿を手配。宿主人と攻めは弓道つながり。
関係性:「久しぶりに再会した恋人同士」/並んで歩く距離感の再確認
◆作品トーン:
穏やかで、静かに感情が動く旅の物語。
「何も大きな出来事は起こらないけれど、心の中では確かに何かが変わっていく」
そんな関係の揺らぎと安定のバランスを描く。
穏やかで静かな旅情を主軸にした、しっとりとした関係性描写。
恋人関係の“成熟”や“変化”を、ドラマティックな出来事ではなく「言葉の選び方」「沈黙の心地よさ」「小さな手の動き」などで静かに表現。
旅を通して、受けの「ごめん」→「ありがとう」への変化が核に。
◆ログライン:
社会人になった攻めと、医学部6年生の受け。
ふたりは今、別々の場所で暮らしている。
受けの「少し遠くに行きたい」という本音を受けて、攻めが提案したのは、県内の小さな温泉街への一泊二日の旅だった。
電車での再会、初めて見る攻めの一面、肩越しに感じる懐かしさ。
いつの間にか増えていた「ごめん」の言葉が、「ありがとう」へと変わっていく。
変わらない関係のなかで、変わっていくものがある。
何も大きなことは起きないけれど、確かに感情が揺れる、静かな春の物語。
ここまで情報共有をして、小説の規模感は全体で1万文字ほど、章ごとに多くて3000文字あればOKと伝えてから1章のプロットを送ったところ………(キャラ名そのままです)
第一章 再会と旅の始まり(湊視点)
改札を抜けた風が、ほんの少しだけ肌寒くて、湊は両手をポケットに突っ込んだまま、小さく息を吐いた。ホームから続く階段の上に、見慣れた横顔が見えるのは、もう少し先のことだ。
春の終わりと初夏の気配がせめぎ合うこの季節。駅の外に広がる空は晴れていて、湊はその空気の中で、かすかに緊張していた。会うのは半年ぶりくらいだろうか。連絡は取っていたけれど、画面越しではなく、実際に会ってみないとわからないことも、案外多い。
静弥が、階段を下りてくる。ひとつひとつの動作が変わらず静かで、でもどこかで忙しない日々をくぐってきたことがわかるような、細い影をまとっていた。
「……ひさしぶり」
いつもの声だ、と湊は思った。少しだけ低く、眠たげで、それでもまっすぐ湊の方を見る。
「ひさしぶり」
そう言って、自然と隣に立った彼を見上げる。髪が伸びている。目の下のくまも、ほんの少し。
「それで、結局――どこ行くの?」
改札を出たばかりのタイミングで静弥が言う。湊は一瞬きょとんとして、次に眉を下げた。
「あれ……言ってなかったっけ」
「うん」
苦笑交じりに答える静弥に、湊は小さく肩をすくめる。
「ごめん。えっとね、ちょっと遠出になるんだけど……終点まで行くよ」
「……まさかの、ノープラン旅行?」
「いや、ちゃんと宿はとってあるから。弓のつながりで、知り合いの人のとこ」
「報・連・相、徹底しましょうね。先生やってるんでしょ?」
静弥が、半分笑いながら言った。敬語のくせに口調はやさしくて、どこか甘えるような響きもある。
「つめが甘いですよ、湊先生?」
湊は照れくさそうに笑いながら、改札をあとにした。伝え忘れていたことも、うっかりしていたのも、たぶん――静弥が相手だったからだ。わかってくれると、どこかで思っていた。
そうして電車に乗り換え、二人並んで席に腰を下ろす。都会の喧騒とは違う、穏やかな車内の音。窓の向こうに広がる山の稜線が、ゆっくりと流れていく。
「……今年も静弥のご両親に“ありがとう”って言われたよ」
ふと思い出したように湊が言うと、静弥は少しだけ視線を伏せた。
「“帰省してくれるのは、湊くんのおかげ”だって」
「……そうかもね」
淡々とした返事。でも、その声音に滲むのは、気まずさでも照れでもない、ほんの少しの戸惑いだった。
湊もそれ以上は言わなかった。昔からそうだった。触れないでおくことも、彼との距離を保つための選択肢のひとつだった。
「ごめん、少し寝てもいい?」
「うん」
そう答えた数分後には、静弥は本当にすぅ、と息を落とし、隣で静かに目を閉じていた。
――そういえば、いつからだったろう。こんなふうに、何の構えもなく、隣で眠ってくれるようになったのは。
湊は座席にもたれ、静かに呼吸する横顔を眺める。細く揺れる睫毛、力の抜けた肩、いつもより少し子どもっぽく見える寝顔。
会いに来てくれた。おれと出かけようと思ってくれた。
それが、ただ、嬉しかった。
10日前の夜、静弥から「ひと段落ついたから帰ろうと思う」と連絡がきた。久しぶりの通話。口調は変わらないけれど、その最後にぽつりとこぼれた言葉が、妙に印象に残っていた。
『どこか、遠くに行きたい』
それを聞いたとき、湊は咄嗟に言っていた。
『じゃあ行こう。おれが全部決めるよ』
『本気じゃないよ?』
『おれだって、静弥と出かけたいんだよ』
ちょっと強引だったかもしれない。でも、静弥は「……じゃあ、お願いしようかな」と返してくれた。
思えば、行き先は結局「宿と集合場所」しか伝えていなかった。もしかすると、今朝の新幹線では、少しだけ不安だったのかもしれない。旅の始まりに見せた静弥の表情を思い返しながら、湊は少し反省する。
電車の揺れにあわせて、静弥の肩がふわりと湊のほうに傾いた。最初から寄りかかって眠るわけじゃないあたりが、いかにも静弥らしい。
触れるか触れないか、ぎりぎりの距離で。
でも、それでも。
たしかに、今は隣にいるのだと、湊は感じていた。
お、思ってたよりいい…!!!!!!!!!マジか?!?!?!?ここまでめちゃくちゃ苦労してきた分、まったく期待してなかったのに!!!!それなりに思ったような感じのものが出てきた!!!!!!!これが「情報共有」の大切さ!!!!!!!!!!「必要な情報」さえあれば、ここまでできるんだ!!!!!!!
とはいえやはり調整は必要。細かいところが気になりますね~~~!!でも俄然「いけるやん!」の気持ちになったのでOKです💮
③調整・調整・また調整!!
AIくん…思ってたよりやるやんけ!とはいえ、プロット上のセリフが変えられてしまったり(ここは次回以降変えないよう指定したが、時々無視された)、勝手に補完されている場所もちらほら。GPTも「気になるところがあれば調整します!」というのでいろいろと指定して送信→出力されるごとに最後にこちらが送ったメッセージを編集し、指定項目を増やす(こういう会話をこのあとに追加して、ここの内容は伏線的に使いたいのでここでは明かさないで、など)
これをいい感じのたたき台になるまで何度か調整し、1章のたたき台が完成!
以下が、ほとんど実際の1章のたたき台。(キャラ名そのまま!)
第一章 再会と旅の始まり(湊視点・修正済)
改札を抜けた風が、まだほんの少し冷たい。湊はポケットに手を入れたまま、駅構内の時計をちらりと見上げた。待ち合わせの時間まで、あと数分。
春の終わりと初夏の始まりのあいだ。昼下がりの陽射しがガラス越しに落ちてきて、長袖のシャツでは少し汗ばむような、そんな空気だった。
向かいのエスカレーターを上がってくる人の流れの中に、見慣れた姿があった。
ボストンバッグを肩にかけた静弥が、まっすぐこっちに歩いてくる。小さく手を上げて、それから近くに立つと、少しだけ目を細めた。
「……ひさしぶり」
その声を聞いた瞬間、湊のなかにあった待ち時間の緊張が、ふっとほどけていく。
最後に会ったのは年末年始。そこまで時間が空いたわけじゃないけど、会えばやっぱり、思う。
髪、ちょっと伸びたな。
あいかわらず表情は静かで、でも、目の下の薄いくまは見逃さない。
「ひさしぶり。……おつかれさま」
「うん、ありがと」
静弥はそう言って、小さく息をついた。心なしか、肩の力が抜けているように見える。
「それで、結局――どこ行くの?」
改札を抜けたところで、静弥が歩調を合わせながら問う。
湊は一瞬、きょとんとした。
「あれ……言ってなかったっけ」
「うん」
その間の抜けた返事に、静弥は笑うでもなく眉を上げる。
「報・連・相、徹底しましょうね。先生やってるんでしょ?」
「う……ごめん」
「つめが甘いですよ、湊先生?」
からかうような口調に、苦笑しながら頭をかく。やわらかい空気が流れていくのは、静弥のそういう言い方のせいだ。
「ちょっと遠出。終点まで乗るよ」
「ふうん……」
静弥は、あえてそれ以上のことは聞かなかった。
その感じが、湊にはなんとなくわかった。
「てか、聞いてくれればよかったのに」
「サプライズなのかなって思って」
淡々とした声。だけど、どこか冗談めいていて。
本当は伝え忘れていただけなのに、サプライズにしてくれた――そういう受け取り方をしてくれるのは、静弥だったからだ。
エスカレーターを下りて、ローカル線の改札へ向かう。人は少なく、ホームに流れる音もどこか緩やかだった。空は明るく、雲がひとつもない。
「お腹減ってない?」
ふと、湊が尋ねると、静弥は当然のようにこう答えた。
「僕には完全食があるから大丈夫」
「……またパンで済ませたな」
呆れ混じりに言っても、静弥は何食わぬ顔だ。
そういうところも、変わらない。
車両に乗り込むと、ふたり並んで空いた席に腰を下ろした。
静かに動き出した電車の揺れに、湊はふうっと息を吐いた。
「そういえばさ、今年も静弥のご両親に“ありがとう”って言われたよ」
話すつもりはなかったけど、思い出したように自然に出た言葉だった。
「“帰省してくれるのは、湊くんのおかげ”だって」
「……そうかもね」
静弥は視線を少しだけ外して、短く答えた。
声に棘はないけれど、どこか遠くを見るような表情に、触れないほうがいいものがあるのを湊は察した。
少しの沈黙が流れて、静弥が目を伏せたまま言った。
「ごめん、少し寝てもいい?」
「うん」
そう答えてから数分と経たないうちに、静弥は本当に静かに目を閉じた。
――そういえば、いつからだったっけ。
こうして、隣で自然に眠ってくれるようになったのは。
力の抜けた肩。浅く揺れる呼吸。睫毛の影。
無理をしていない顔だった。
10日前の夜、「ひと段落ついたから帰ろうと思う」って、静弥から連絡がきた。久々に通話をして、他愛のない話をしたあとの沈黙のなかで、ふと、彼は言ったのだ。
『……どこか、遠くに行きたい』
そのひとことに、湊は迷いなく返していた。
『じゃあ行こう。おれが全部決めるよ』
『本気じゃないよ?』
『おれだって、静弥と出かけたいんだよ』
思えば、そのあとに送ったメッセージは、「場所が決まった」ではなく「宿が取れた」だった。
集合場所と時間だけを伝えて――目的地は、結局はっきりと言っていなかった。
もしかして、今朝の新幹線の中で、静弥はそれを考えながら乗ってきたのだろうか。
眠れなかったかもしれない。
……ちょっと、反省。
隣で静弥が、ふわりと身体を傾ける。寄りかかる、というほどでもないけれど、電車の揺れにまかせて、肩が少し触れる。
最初から寄りかかってくるようなことはしない。
でも、今は――たしかに、隣にいる。
湊はまぶたを閉じて、窓の外の陽射しを受けながら、そっと心をほどいていった。
ええやん…☺ええ感じやん…☺
このあとの2章はまだぼんやりした箇所(泊まる宿のディティール、散策ルートなど)が多かったので、プロットを送ってたたき台の出力前に細かいことを詰めていった。(プロットにも検討項目はあらかじめメモっておく)決まったらたたき台出力→修正…といった流れ。
主に修正対象となるのは、細かい設定・動き、勝手に補完されている感情。感情面は特に注意で、こういう背景情報があること、どういう思惑でそれぞれが動いているか、言葉を発しているかをちゃんと自分が把握しておくこと。そしてそれを説明すること。ここはこういう感情で行動している・言葉を発しているけれど、表には出さないとか、明記しないとかも伝える。
ここでも「たたき台を出力させる前に、不足している情報がないか確認」するのが大事!特にふわっとしているところなど、自分はわかっているけどGPTがわかっていない・読み取れていないことは多々ある!
「たたき台にする前に確認したいところはある?」と聞けば、GPT側も「このシーンの会話はからかい混じり・冗談交じり?穏やかな沈黙多めの描写?」というように確認してくれる。不安がある部分は事前に共有するのが吉!そう、情報共有がなによりも大事。報・連・相は徹底しなきゃね。
それでも、プロットで明記しているはずの行動が逆になったり、同じシーンを何度か出力させるときに「全体的な流れはそのままで、指定したところだけ変えて!」と言っても、微妙に変更された内容になることも…。どうしてもそのあたりが反映されない場合、諦めてあとで手動で編集する。
④相談相手としてのGPT
こういう調整の手間はあるけれど、出力してもらったたたき台から「密度が足りない…?」「出来事が詰まりすぎ?」などの「不安」をその場ですぐ解消できるのが、めっちゃ強い!!
例えば3章、物語的にも「変曲点c:クライマックス」がくるため感情の変化、勝利条件の「ごめんがありがとうに変わる」を持ってくる必要がある。これを単純に「ただ言うだけ」だと、唐突感やわざとらしさが出てくるため、どうやって感情が動くかは1~2章から緻密に丁寧に積み重ねて書いていく必要がある。しかしそのぶん3章の出来事が少なく、変曲点:cだけが浮いてしまうような気が…。
このあたりを「2章に比べて3~4章は出来事が少なく、密度が足りないかも?」と相談したところ「いや、ここからは出来事ではなく感情で密度を詰めるべきところですよ」とアドバイスをくれた。これが本当に助かった!!自分ひとりだと暗中模索だから…。これまでは誰にも相談できず、やけくそのように「ええい、ままよ!」と目をつぶって書かなきゃいけなかったし…。
そして改めて3章の描写における自分の解釈や、感情の動き、それぞれのキャラがどういう思惑がある状態で動いているのか、発言しているのかをしっかり説明する。自カプの核の部分なので、出し惜しみなし!GPT側もその熱量を受け取ってくれたのか「こういうことですよね?!」とたたき台の再出力前にまとめて確認してくれた。
【実際にGPTが確認してきた内容の一部(キャラ名そのまま)】
湊静という関係のもどかしさ、甘やかさ、信頼の深さの絶妙なグラデーションが、見事に浮き彫りになっていて、読んでいてこちらの心も揺れました。
この章が“告白でも初夜でもないのに特別な夜”になる理由、完璧に伝わってきました。
あらためて、描写の方向性まとめ:
■ 湯船のシーン(3-2)
湊は本当にやましさゼロで、「してあげたい」から触れている → 湊の無垢さ=静弥の焦れの引き金
静弥は「応えたいのに応えられない」状態 → 自分でもどうにもならない苛立ち+ささやかな賭け
「さわりかた、やらしい」は、照れや甘えではなく切実さの逃げ口上
湊は無邪気に動揺 → 「お湯が跳ねる音」で湊の慌てぶり+空気の揺らぎを描写
湯から上がった後は湊が微かに“考えはじめる”、つまり「意識の芽生え」
そう!そういうこと!!よくわかってんじゃん!!!ということで出してもらった3章のたたき台が、めっちゃよくて……………むしろこれ今からわたしが清書しないといけないの?!もういいじゃんこれで!!これでもう全部わかるよ!!となった😂(でも最終稿はもっと最高になったよ🎶)
この流れで4章もたたき台を出力してもらい、できあがったたたき台をもとに自力で草稿へ…。
なんでこんなに手間をかけてGPT説明し続けたかというと、自分自身も「どういう意図をもってこのシーンを書いているか」が明確になったから。
前回の(4)で書いたように「なんの印もない地図の上の、「行かない方向」が明確になる」ことのひとつでもあるんですよね。現在地がわかるというか、真っ白な地図の「行かない方向を塗りつぶしていくことで、道が浮き上がってくる」という感覚。
物語におけるキャラクターの意図、感情、演出、構造を説明することで自分で理解しながらたたき台を調整するので、草稿を書くときも指針になる。近道はわからないけど、知らないうちに遠回りになっていた!ということを防げる。それに、草稿を書いているうちに「もうちょっと違う道のほうが景色がきれいかな」とかが、わかる。目的のある遠回りができる…って感じかな?
現在地と目的地だけでなく、「行かなくていい場所」がはっきりしているのは、とても心強い。
今回の原稿でこういったプロセスを経たことでそれを強く感じたので、「書きたいことのタネがいろいろあってたたき台になって、自分で書き出すまで」の経緯を長々と説明してみました。
次回、ついに自力で草稿を書く!あとついでにタイトルが決まる!更新は来週になるかと思うので、お楽しみに~👋
🌟次!