こんにちは、さやかです。
これまで、
【Vol.1】「会食恐怖症を知る前」
【Vol.2】「会食恐怖症を知ったとき」
【V0l.3】「嘔吐恐怖症を知ったとき」
【Vol.4】会食恐怖症×嘔吐恐怖症×パニック症×広場恐怖症
【Vol.5】会食恐怖症の改善→嘔吐恐怖症の再発
というおはなしをさせていただきました。
今回の【Vol.6】が最終回となります。
最終回は、わたしが【克服のために取り組んだこと】のおはなししたいと思います。
1.克服までの期限を決めた
当初は、こんなことで悩んでいるのは私だけだ、もう一生良くならないと思っていました。
でも、自分1人じゃない・良くなる方法があるということを知り、
良くなりたいと思えるようになってきました。
そこでまず初めに、
何のために克服したいのかを考え、
いつまでに克服したいのかを決めました。
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半年後にLIVEに参加する旅行を控えていたので、
旅行で美味しいものを食べるため、LIVEに参加するためという目標を立てました。
そこから逆算して、
3ヶ月後の自分はこうなっている
1ヶ月後の自分はこうなっている
というイメージをしながら進めていきました。
2.認知行動療法の方法を知れた
克服方法として教えてもらったのが、認知行動療法です。
まずは、
どんなことにプレッシャーを感じているのか
どんな縛りがあるのかを書き出しました。
コツとしては、
○○してはいけない
○○しなきゃという感じで書き出します。
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例えば私の場合だと、
・吐いてはいけない
・残してはいけない
・全部食べなきゃ
・体調良く過ごさなければいけない
・トイレに長くこもってはいけない
・迷惑をかけてはいけない
・心配かけてはいけない
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次に、自分を苦しめている結びつきを書き出します。
・吐き気がする=吐く
・外食=吐く
・食後=吐く
・外出=吐く
・会食=残してはいけない
こんなイメージが強くありました。
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そこから認知行動療法を考えます。
私が実際にやってみた認知行動療法は
・吐き気がしても吐かずに良くなった体験をすることで
→吐き気=吐くという結びつきを緩める
・外出しても吐かなかった体験をすることで
→外出=吐くという結びつきを緩める
・食べても吐かなかった体験をすることで
→会食=吐く、食後=吐くという結びつきを緩める
・あえて残してみたけど何も言われなかった体験をすることで
→残してもいいと思えるようになる
という取り組みをしてみました。
そうすることで、自分を苦しめていた結びつきが緩まり、
・残してもいい
・吐き気がしても良くなるから吐き気がしてもいい
と思えるようになりました。
3.適切に伝える練習をした
私はカミングアウトにあまり抵抗がないタイプです。
自分のことを知ってもらっておくことで、食べなくてもいい環境が作れて、体調が悪くなってもいいと思えるからです。
現状を適切に伝え、どうしたいか・どうしてほしいかを伝えるようにしました。
例えば、
・最近外食すると体調が悪くなるんだよね
・だから外食が苦手で
・あんまり食べられないかもしれないけど気にしないでもらえると嬉しいな
・もしかしたら注文しないかもしれないし、残すかもしれない
・でも会いたいし話したいから参加したい
・もし体調が悪くなったら早めに伝えるから、一人にしてもらえると嬉しいな
・よくあることだから心配しなくて大丈夫だよ
というような感じです。
会食恐怖症・嘔吐恐怖症という言葉はあまり使いませんでした。
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相手は、
そうなんだね、気にしないで大丈夫だよ、そんな中でも会いたいと思ってくれてありがとう
と言ってもらえることが多かったです。
4.不安との付き合い方のコツを知った
不安という感情は、マイナスのイメージがありますよね。
不安になりたくない、不安がなくなってほしい、不安な時間は苦しいなど。
そんな不安は、なくそうと思えば思うほど、大きくなってしまいます。
そのため、私は「不安と上手く付き合ってみよう」という取り組みをしました。
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1.まずは、不安でもいいんだよと自分に優しく言って受け入れます。
2.不安は「苦手なことにチャレンジしている証拠だから、すごいことだよ、ナイスチャレンジだよ」と自分を褒めます。
3.会食中や外出中に不安になってきたら不安をなくそうとせず、相手に「不安だ―」と伝えるようにしてみました。
また、不安は消そうと思っても消えないので、
トイレに行ったり外に出たり、場所を変える・一人になるなど、席を立ってリセットするようにしていました。
そうすると、不安に溺れずにコントロールしながらうまく付き合えたような感じがします。
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4.予期不安へのアプローチは、
・「成功のイメージをして予祝する」
・「気持ち悪くなった時にどんな行動をするか決めておく」
という2つを行いました。
例えば私の場合は、
吐いて迷惑をかけるという考えがあるので、
「気持ち悪くなったけど、呼吸法をしながら会話を楽しんだらよくなって吐かなかった」という予祝を紙に書いて毎日読んでいました。
そして、吐き気がしたら
・体調が悪いことを相手に伝えて
・席を立ち一人になり
・呼吸法をしながら
・五感を使って実況中継をして
・爪もみをして
・トイレに行く
・もし吐いたら謝って
・後日何かお礼のものを渡す
というように、細かく行動を決めています。
そうすることで、吐き気がしても吐いても大丈夫と思えるようになりました。
5.克服の土台づくりが大切だと気づいた
克服に向けて、会食や外出の練習を重ねていました。
でも、なかなか良くならずに焦りばかり感じる時期がありました。
そんなとき、
「さやかさんは毎日リラックスして楽しんで過ごしていますか?」と聞かれ、
「毎日気が張り詰めていて人生楽しくない」と思っていることに気づきました。
そこから、しまい込んでいたギターを引っ張り出し、
スマホでカラオケアプリをはじめ、
LIVE配信のアプリも始めてみました。
そうすると、
「音楽が楽しい」「私はやっぱり音楽が好きなんだ」とLIVE活動をしていた頃の楽しみを思い出したんです♪
何ヵ月も続いていた喉の詰まりがなくなり、吐き気もしなくなり、えずき癖も治まりました。
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たしかに、克服のために練習することは大切ですし、前向きで素晴らしいことだと思います。
ただ、調子が悪い中頑張り続けることは逆効果だったと、今は思います。
まずは、克服のための土台づくり、
「毎日をリラックスして楽しく過ごす」ということが大切なのではないかなと思います。
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具体的な取り組みとしては、
・夜寝る前に、明日の楽しみを5個考えてから寝る
・寝る前に、今日楽しかったことを5個思い出す
ということを行っていました。
6.ありのままの自分に価値がある
吐き気や腹痛など体調が悪くなりやすかったり、緊張しやすかったり、そんな自分は情けない・嫌いだと思っていました。
そこでまず、
誰にでも苦手なことはあるということを思ってみて、
私は吐き気がしやすい体質なんだ、私は緊張しやすい体質なんだと受け入れることから始めてみました。
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例えば、私の友達は緊張しやすくて手が震えます。
でも、そんな友達を嫌いになったり情けないと思ったことはありません。
緊張しやすいんだね、手が震えるよね、と思います。
それと同じように、
自分のことも受け入れてあげる感じです。
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どんな自分でも、ありのままでいい
どんな自分にも生きているだけで価値があるんだと思ってみるようにしました。
7.さいごに
全6回にわたり、わたしの会食恐怖症・嘔吐恐怖症について読んでいただきありがとうございました。
こうやって改めて振返りながら書いてみると、
克服に向けて一緒に取り組む仲間がいたこと・正しい克服方法を教えてくださる方がいたからこそ、よくなったのだと思います。
会食恐怖症と嘔吐恐怖症を良くしていくための取り組みのおかげで、
自分のことが大好きになりましたし、ポジティブ思考になりました。
人生が豊かになり、生きやすくなったと感じています。
それは、自分に優しく自分軸で生きられるようになったからだと思います。