はじめに
ここから読み始めた人でもわかるように、毎回記載します。
自分には漫画でこのシーンが来たら一気読みすると決めている漫画がいくつかある。そのうちのひとつ、「その着せ替え人形は恋をする」で五条新菜くんと喜多川海夢さんが付き合ったので一気読みしました。というか、言葉に表せないくらい凄くよくて一瞬で4周したし同じシーン何度も読み返したりしました。あえて言葉で表すと汚ねぇ声になりそう。
全部読んでいろいろと思いがあったので吐き出すような感じで感想を書きました。量が多いので物語の区切りごとに分割しています。
というわけで、つらつらと感想です。お付き合いいただければと思います。
冬のコミケ
おねがい
ついにハニエルの羽織の生地を見つけてた新菜くん、黒いアンティーク着物と小物もろもろ、そしてきれいな白の帯が届きました。色々入れてくれて親切すぎ~。そして帯を見てコルセット作り直すことを決意します。世界観にあってないと思ってもやってしまう、そういう直感大事だよね~。たぶん元々黒いアンティーク着物と合わせていたんだから違和感なく合うんだろうなぁ。そして毎度おなじみ?なギリギリで完成しての「出来ました。寝ます。」です。直前のスタンプかわいすぎか?
そしてコミケ当日、新菜くんのおうちにきたまりんちゃん。メイクする前に新菜くんがハニエルのコスプレに対する思いを伝えます。#10や#12にも書きましたが新菜くんが挑戦するためのコスプレであること、そしてハニエルにどういう感想を持ったかをまりんちゃんに伝えます。さらに、自分ではこれが精一杯だけど、まりんちゃんがいれば完成するから我が儘に付き合ってと伝えます。
まりんちゃんがどんな表情すればよいか新菜くんに聞くと、かなり難しい要求をします。ちょっと自信がないまりんちゃんに「俺の知ってる喜多川さんなら必ず出来ます。」と言い切る新菜くん。これ、いままでの撮影の表情もずっと見てきたよと、まりんちゃんの体型だけでなく感情や表情も知っているよと伝えているようなもんじゃん~~~あなたのこと全部知っていますって宣言なのにそれに気がついていない新菜くん。天然か~~~
コミケ
コミケ会場で着替えて移動する新菜くんとまりんちゃん。ちょこちょこ色んな人から見られてる~。まりんちゃんはすごくテンションアゲな感じ。そして新菜くんの衣装を褒めるけど、最初のほうでジュジュさまと新菜くんの会話でパないって会話に混ざっていたときとは全然異なり、好きなところをちゃんと言語化しててすご~~~。そしてべた褒め。世界で一番幸せだよとか最上級の褒め言葉と思いつつこれ落ちるやつじゃね~~~って恐怖感もありつつ。
そして振り向くとずら~~~っとならんでる。コミケもそうだけど、こういったイベントで写真取りたいときにどういう風に立ち回ればいいのか言ってくれるのマジいいね~。こういったイベントは完全なルール周知されてなくて、善意でまわっているところもあるから、ちゃんと最低限こういうルールなんだよってのが読み取れるのはいいね。こういうのがあると、リアルでも参加できるかもってなるんだよね~。一番最初に並んでいた人はスマホしかないけどってのもハードルさげている感じがある。特別な機材なんてなくても参加できるんだよってのがヒシヒシと伝わってくるね。
ここで人が多くなっているから揉めてる?となってスタッフ介入からの囲み撮影。囲み撮影ってこんな感じなんだーってのもわかっていいね。本当に現地ではどんな感じなの?ってのが伝わってくるね!
準備が終わったらいざ撮影。そこからのまりんちゃんのスイッチONがすごい。一瞬で空気が変わる感じ、表情が変わってまるで憑依している感じ、そしてハニエルに魅了されるカメラマン。一気にハニエルに成った。これで新菜くんが着せ替え人形をハニエルに仕立てて生命が吹き込まれた感じがあるのが凄いね。お父様か???
大人組&あまねさん合流
そんな間に大人組&あまねさんがビッグサイトに到着。アキラさん泣くの早すぎだし、ちょっと目がかわいくなってデフォルトされてるのめちゃくちゃかわいい~~。新菜くんと合流するも、まりんちゃんは円で囲まれてて見えない状況。新菜くんめちゃくちゃ冷静じゃーん。涼香さんが全然見えないっていうと女の人っていって前を譲ってくれるの、すっごい優しい~お兄さんイケメン。あまねさんも女の子だからね、一緒にいってあげよう(ニッコリ)。お兄さんがボクっ娘?って思ってるシーンでちょっと頬にトーンが貼ってあって赤むのがポイント高いね。
そして最前列で大人組&あまねさんが到着。ここでみやこさんとアキラさんが初めて新菜くんの衣装とまりんちゃんのコスを生で見ることに。#8でも言及しましたが、クオリティを評価できる人が初めて新菜くんの衣装を見ることで、どれくらい凄いのかってのが語られるシーンです。座っているシーンでみやこさんは絶句って感じの顔、涼香さんのわぁ~~との対比が凄いです。そしてアキラさんは多幸感に陥る寸前なので語れなーーい。
そこからアキラさんは狂いそうになり、みやこさんが手で口を塞ぎつつみやこさんの解説ターン。みやこさん忙しすぎ。「こんなバカみてぇに凝った衣装」と言ってますが、たぶん新菜くんは頭の中にあるイメージをそのまんま具現化するくらいのスキルがあるんだと思います。具現化系能力者だったのか?「どのレイヤーが見ても羨ましくてしかたないやつだぞ!!」には何故か誇らしい気持ちになりますね。
みんなに気がついたまりんちゃんは無表情で歩いてそばまで。そこからのにんっっていつものように微笑む表情。感情の落差ですっごくかわいく描かれているし、そこにはハニエルじゃなくてハニエルのコスをしたまりんちゃんがいる感じがあったな~。アキラさんがハニエルだけじゃなくまりんちゃん自身も推しているって分かっているから表情出したのかな?それともいつものメンツがいたから?このあたりの感情は色々とあると思うけど、あの瞬間だけはハニエルのコスをしたまりんちゃんが居る感じがあってよかった~~~姫゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙あ゙あ゙あ゙。アキラさんが絶叫しているのを大口あけて笑ってるまりんちゃん。本当に表情豊かでかわいい~。からの無表情にほほえむハニエルに戻る。世界が切り替わるような感覚、そして読者に目を向けているような視線。本当にそこにはハニエルがいる感じ。
男性が絶叫し、そこから姫の名前で一気に拡散されていく。ソーシャルネットワークで一気に広がっていく様は見た人を虜にするハニエルの再現度の高さを物語っていていいね~。全然知らないレイヤーだよッ!!の見開きは不敵な表情でラスボス感があるのもまたいい~~。他のレイヤーさんみたいに愛嬌は振りまかず、ただそこにいるだけで魅力的である。まさに感情のない「人形」にふさわしいコスプレと完成度なんだと思います。
そして、まりんちゃんは撮影中、新菜くんの言われた通りにできているかなと考えます。ここに至ってはいままでまりんちゃんがやりたいモノを自分がイメージした通りにやっていたことに対して、新菜くんが望んでいるモノができているかなという想いなのが本当に愛おしいところだと感じます。期待に応えたいとかではなく、新菜くんのために尽くしたいみたいな感情が近いのかな?
そして、そろそろいいお時間。囲みの終わらせ方を知らない・・・!?って確かに囲みって誰がどう音頭とるのか全然わからないですね。いきなりバツンじゃなくてカウントとって終了って感じなんだーと感心しました。そしてお辞儀するまりんちゃん良い子だ・・・。そしてまた介護されているアキラさん。アキラさん良いキャラしてるわ~。
まりんちゃんの想い
撮影後にあまねさんがまりんちゃんに凄い!って伝えているけど、普段は冷静に分析できる感じのあまねさんがうまく言語化できないくらい凄いものだったんだって伝わりました。
そしてまりんちゃんが「ごじょーくんが・・・っ凄いから・・・っ」に涼香さんが「二人が頑張ったから良かったんだよ」の一言。あれだけの表情をできるのはまりんちゃんしかいないからね。本当にふたりじゃないと完成しなかった作品だとおもう。この一言がまりんちゃんの心を満たして、これからもずっとごじょーくんとふたりで・・・って思うところも想っている感じがあっていい~~~。そこに間髪いれずにプロのコスプレイヤーのお誘い。「私は姫ちゃんと一緒にお仕事がしたい」はまりんちゃんと一緒にやりたいってだけで、その中に新菜くん、そして新菜くんの衣装は入っていないんだよな~。それを表現するかのように「これからもずっと 君と ふたりで」のセリフになっているのが一瞬の葛藤を表現していていいですね。
新菜くんの想い
対する新菜くんは感情は暗いです。まりんちゃんに伝えた「虜にさせるように振る舞って下さい」に言葉がつながり、そしてペンで消すかのような演出。最後に小さく「今さら気付くなんて」の一言。追加された言葉はかろうじて読める程度ですが、新菜くんの感情を表している言葉ですね。
このペンで消すかのような演出は『棺』の最後にあった演出に似ていると思っています。ちょうど#7のあとがきで言及した部分ですね。個人的には、おそらく#10のときに芽生えた嫉妬という感情で精神が不安定になり、コルセットを着物の帯に変更するといった普段やらないことを行って混乱を表し、最後に嫉妬という感情に気がついて押し殺したということを表しているんじゃないかなと考えています。つまり新菜くんは『棺』に似たような状況をここまでで再演しているのでは?ということです。自分の気持ちに気がついたけどそれを押し殺していく新菜くん、めちゃくちゃ苦しんでる~~~。
ふたりの想いとすれ違い
そして新菜くんを探すまりんちゃん。そこには不機嫌ともなんとも言えない顔の新菜くん。これが新菜くんが嫉妬心に気がついてその感情を押し殺した時の表情で、新菜くんがまりんちゃんのことを好きと自覚した後のはじめての顔合わせである。さらに新菜くんはこのコスは自分の我が儘で、まりんちゃんがいれば完成するといった後である。新菜くんは自分の気持ちを押し殺すことに精一杯で複雑な表情、まりんちゃんはじぶんはやり遂げたけどどうなの???だったり、これからもコス一緒にやっていきたいけどプロのお誘いもあったけど・・・という新菜くんに感想や相談をしたいタイミング。さらに一緒にやっていきたいは実質告白のようなもの。告白しようとおもったらなんかすっごい表情していて、これじゃ何も言えないよね。
お互いの思いが交わせないこの瞬間、ハニエル(まりんちゃん)は愛する悪魔(新菜くん)を追い求めても手が届かなかった哀れな女に成り、これで本当の意味でハニエルが完成したんじゃないかと思います。そして、まりんちゃんの表情が見えないコマでハニエルのコスはおしまい。
最後に言葉を交わさず、新菜くんと一緒に電車で帰路につく。ずっと表情が変わらず言葉もない新菜くんと、それを見て悲しい表情になるまりんちゃん。ドアの前に立っていたまりんちゃんは思っている以上に気にしていて、他の人に降りますって伝えられてはっと気付くくらい。そして、まりんちゃんと新菜くんの距離がドアの両端に分かれてしまうのは、お互いの関係に溝ができたことの現れのように感じました。二人に対する試練か~~~~胸がきゅーっとする。
あとがき
ついにコミケでハニエルのコスです。ここは大人組&あまねさんがハニエルのコスをみる瞬間あたりからが大好きで何度も読み返しました。
実は新菜くんが嫉妬心に気がついて押し殺したシーンが99話、100話ではまりんちゃんの周りにも嫉妬していたということに気がついています。つまり、99話までの新菜くんはまりんちゃんを尊敬できる友達としか見てなかったのですが、100話からはまりんちゃんのことを好きな人と自覚している新菜くんになります。めちゃくちゃ綺麗な区切りですよね~構成が上手いと思う。
また、今まではまりんちゃんが告白したがっていたけど、新菜くんがまりんちゃんと釣り合わないと思いつづけていたので、告白しても失敗ないしは新菜くんが負い目を感じて破綻する可能性があると思っていました。ここで新菜くんがまりんちゃんの事が好きだって気がついたことで初めて対等な関係になったんだと思います。つまり、両片思い状態になったってことです。もう楽しみで仕方ないですね。ただ、新菜くんは必死に気持ちを押し殺している状態なので、その押し殺している状態をなんとかしてほどきたいですね。まぁこのあたりはすんなりいってもらっては味気ないので、新菜くんにはもっと苦しんでもらいたいな~~~。