劇場3本と配信10本あわせて13本見ました。見た順。
『パレード』(2024)
う〜ん…突っ込みだしたら本作だけで二千字くらい書けそうなのでやめときますが笑、無自覚ミソジニーがあちこちに滲んでて、う〜ん?でしたね…。別れた女がいつまでも俺を思っていてくれるはずという幻想をまず捨てような。
『アメリカン・フィクション』(2023)
「黒人」という物語の消費について笑いをまぶし皮肉たっぷりに描く一方、壊れかけた家族と人生を見つめ直す人間ドラマな側面もあって、そんなに重たくはないんだけどしみじみとよかった。ただめちゃめちゃ知識層の話というか、エンタメ業界の内輪ウケみたいなところがあって、アカデミー賞が本作に脚色賞を与えながら、人種差別問題をストレートに描いた史実モノ『ティル』とかは完全スルーなのがお前たちは本当にそういうところだぞという気持ち。
『アシスタント』(2019)
映画宣伝会社でアシスタントとして働く主人公が、とある不均等な関係に気付き、アクションを起こそうとするも…?という話。#MeTooなんて流行ったとしても現実はこれです感が突きつけられてしんどい。でも、考えさせられる。こういう状況のときどうしたらいいんだろうと、考えさせられる。そういう映画は好きです。ただしんどくはあるので、映画館で集中して見たほうが良かった。
『ソウルに帰る』(2022)
韓国で生まれてすぐに養子に出されフランス人として育ったフレディという女の子が韓国に来てルーツを探す物語。ソウルを舞台に韓国系女性がヒロインなのにぜんぜん韓国映画じゃない。これ面白かったですね。
『柳川』(2022)
この映画を撮ったチャン・リュル監督の『福岡』というその名の通り福岡を舞台にした作品にパク・ソダムちゃんが出ているそうで見たいなぁと思ってたんだけど、同監督の『柳川』という作品がU-NEXTにあるのをたまたま見つけたので見てみた(『福岡』はなかった)。こちらも福岡県の柳川が舞台で、池松壮亮くんも出演している。
がんで余命短い中年男が兄を誘って昔好きだった兄の恋人が住んでいる日本の柳川に旅する話。柳川の町の風情はとてもよかったし、役者さんはみんな素敵だったけど、なんといっていいかわからない話だった。パレードに引き続き、昔の女にあんまり粘着しないでほしいですね!😂
あと全然関係ないんだけどこれを見ているときにインスタで松田翔太くんが、お兄さんの龍平さんの誕生日記念に二人で一週間旅行したそうでそのときの写真をアップしてて、中年になって兄弟だけで旅行するってなんか珍しい感じするけど素敵だな〜と思った。
『私、オルガ・ヘプナロヴァー』(2016)
チェコで最後の女性死刑囚となり23歳で実刑となった実在の人物を描いた作品。レズビアン映画。U-NEXTのおすすめに出てきて気になったので見た。
どうしても秋葉原事件や京アニ事件を思い出して考えてしまう。どこかで止められたんじゃないか、そのチャンスはきっとたくさんあったはずなのに、と。映画はオルガがどういうふうに疎外感を感じていたか、彼女の心の危うさを丁寧に描いていたけど、観客に共感させようとはしていなかった。それがよかったと思う。
『怪物』(2023)
例の対談記事を読んでから見た。劇場でも見たけどね。当事者にどう寄り添うかということがエンターテイメントの世界の中でも重視されつつある空気を感じるので、劇場公開も終わったタイミングであっても、あらためて批判に監督が向き合ったことの意味は大きかったんじゃないかなと思う。
『ティル』(2022)
日本では劇場公開されなかったのかな……そのわりには配信が来るのも遅かったですね。裁判官も陪審員も白人男性がズラリ並ぶ世界。たった七十年前の世界。見てよかったです。
『そしてバーバラはアランと出会った』(2022)
90年代のイギリスで巻き起こった障害者差別反対運動を映画化。みんな口が悪いのがイギリス映画って感じ笑 でも行動力あふれる抗議運動は本当にかっこいい。
車椅子の方への誹謗中傷がひどかった時期にこの映画がおすすめとして流れてきて、見てよかったです。誰だって、好きな場所に行って、好きな席に座る自由がある。
『52ヘルツのクジラたち』(2024)
こちらの記事では良いところをたくさん書いたけど、好きかどうかと言われると、う〜ん。悪意があまりにもわかりやすく悪意として描かれすぎているし、マイノリティが死ぬ話は好きじゃない。あとアラートもっと強めに出すべき作品だと思う。暴力と自死でフラッシュバックを起こす人もいると思うよ。
『コール・ジェーン』(2024)
アメリカで中絶が違法だった(今となっては過去形ではない)時代の、必要としている人たちに安全な中絶手術を秘密裏に行っていた女性たちの物語。とてもよかった。
『グロリアス 世界を動かした女性たち』(2022)
『コール・ジェーン』を見た流れで。グロリア・スタイネム、アメリカのフェミニズム運動の中心にいた人なので、全体の流れが見えてよかったし、彼女自身の原点なども見えたのがよかった。
『夜明けのすべて』
これは今日の夜見る予定なのでまた別に感想書きます。